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公開番号2024174529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2023092399
出願日2023-06-05
発明の名称車載機器の温度調整装置
出願人株式会社ミクニ
代理人弁理士法人相原国際知財事務所
主分類B60H 1/08 20060101AFI20241210BHJP(車両一般)
要約【課題】第1及び第2温調回路を循環する熱媒体を混合弁で混合する温度調整装置を提供する。
【解決手段】第1ポンプ7により第1熱媒体を循環させる第1温調回路2と、第2ポンプ13により第2熱媒体を循環させる第2温調回路3との間に、第1及び第2熱媒体を混合熱媒体として混合する混合弁16を介装する。第2温調回路3へと流出する混合熱媒体の目標流出温度tgtToutを算出し、第1,2ポンプ7,13の回転速度N1,N2及び混合弁16の開度θから混合熱媒体に含まれる第1熱媒体の割合を流量比Rとして算出し、第1熱媒体の流入温度Tin1、混合熱媒体の流出温度Tout及びRから第2熱媒体の流入温度Tin2を算出する。R及びθから開度補正係数Kを算出し、Tin1,Tin2及びtgtToutから目標流量比tgtRを算出し、tgtR及びKから混合弁16の目標開度tgtθを算出して開度制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1ポンプにより熱媒体を第1熱媒体として循環させて第1車載機器の温度を調整する第1温調回路と、
第2ポンプにより前記熱媒体を第2熱媒体として循環させて第2車載機器の温度を調整する第2温調回路と、
前記第1温調回路から流入した前記第1熱媒体と前記第2温調回路から流入した前記第2熱媒体とを開度に応じた割合で混合し、混合熱媒体として前記第1温調回路と前記第2温調回路とにそれぞれ流出させる混合弁と、
前記混合弁の開度を検出する弁開度検出部と、
前記第1温調回路から前記混合弁に流入する前記第1熱媒体の温度を第1流入温度として検出する第1流入温度検出部と、
前記混合弁から前記第2温調回路に流出する前記混合熱媒体の温度を流出温度として検出する流出温度検出部と、
前記第2車載機器の温度調整を要する場合に、前記混合弁を開度制御して前記第1熱媒体と前記第2熱媒体とを混合させる混合制御部と、
を備え、
前記混合制御部は、
少なくとも前記第2車載機器の温度に基づき、前記流出温度の目標値を目標流出温度として算出する目標流出温度算出部と、
前記第1ポンプの回転速度、前記第2ポンプの回転速度及び前記混合弁の開度に基づき、前記混合弁から前記第2温調回路に流出する前記混合熱媒体に含まれる前記第1熱媒体の割合を流量比として算出する流量比算出部と、
前記第1流入温度、前記流出温度及び前記流量比に基づき、前記第2温調回路から前記混合弁に流入する前記第2熱媒体の温度を第2流入温度として算出する第2流入温度算出部と、
前記流量比及び前記混合弁の開度に基づき、前記流量比と前記開度との関係を規定する開度補正係数を算出する開度補正係数算出部と、
前記第1流入温度、前記第2流入温度及び前記目標流出温度に基づき、前記流量比の目標値を目標流量比として算出する目標流量比算出部と、
前記開度補正係数及び前記目標流量比に基づき、前記混合弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、
前記目標開度に基づき前記混合弁を開度制御する弁駆動部と、
を有することを特徴とする車載機器の温度調整装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記流量比算出部は、予め設定された前記第1ポンプ及び前記第2ポンプの回転速度比と前記混合弁の開度との関係に基づき、前記流量比を算出し、
前記第2流入温度算出部は、前記流量比をR、前記第1流入温度をTin1、前記第2流入温度をTin2、前記流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って前記第2流入温度Tin2を算出する
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2024174529000008.jpg
13
136
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項3】
前記流量比算出部は、前記第1ポンプの回転速度N1と前記第2ポンプの回転速度N2との比N1/N2をx、前記流量比をR、前記流量比Rと前記第1熱媒体及び前記第2熱媒体の流量が等しいときの理想流量比Ridealとの比R/Ridealをy、予め設定された係数をa,bとしたときに、次式(4)に従って前記yを算出すると共に、予め設定された前記混合弁の開度と前記理想流量比Ridealとの関係に基づき前記混合弁の開度から前記理想流量比Ridealを算出して、次式(5)従って前記流量比Rを算出し、
y=a×x+b ……(4)
R=y×Rideal ……(5)
前記第2流入温度算出部は、前記第1流入温度をTin1、前記第2流入温度をTin2、前記流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って前記第2流入温度Tin2を算出する
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13
136
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項4】
前記流量比算出部は、前記第1ポンプの回転速度N1と前記第2ポンプの回転速度N2との比N1/N2をx、前記流量比をR、前記流量比Rと前記第1熱媒体及び前記第2熱媒体の流量が等しいときの理想流量比Ridealとの比R/Ridealをy、予め設定された係数をc,d,eとしたときに、次式(7)に従って前記yを算出すると共に、予め設定された前記混合弁の開度と前記理想流量比Ridealとの関係に基づき前記混合弁の開度から前記理想流量比Ridealを算出して、次式(5)従って前記流量比Rを算出し、
y=cx
2
×dx+e ……(7)
R=y×Rideal ……(5)
前記第2流入温度算出部は、前記第1流入温度をTin1、前記第2流入温度をTin2、前記流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って前記第2流入温度Tin2を算出する
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2024174529000010.jpg
13
136
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項5】
前記流量比算出部は、前記xが1の場合には、前記理想流量比Ridealを前記流量比Rとし、前記xが1より小の場合と前記xが1より大の場合とでは、異なる前記係数a,bを前記式(4)に適用する
ことを特徴とする請求項3に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項6】
前記流量比算出部は、前記xが1の場合には、前記理想流量比Ridealを前記流量比Rとし、前記xが1より小の場合と前記xが1より大の場合とでは、異なる前記係数c,d,eを前記式(7)に適用する
ことを特徴とする請求項4に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項7】
前記流量比算出部は、前記第1ポンプの回転速度及び前記第2ポンプの回転速度を既存の外部装置から取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項8】
前記目標流出温度算出部、前記流量比算出部、前記第2流入温度算出部、前記開度補正係数算出部、前記目標流量比算出部、前記目標開度算出部、及び前記弁駆動部は、所定の制御インターバルでそれぞれの処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項9】
前記混合制御部は、
前記混合弁の開度制御に応じた前記第1熱媒体と前記第2熱媒体との混合状態が安定したか否かを判定する安定化判定部と、
前記流出温度と前記目標流出温度との偏差から求めた積分項と微分項との少なくとも何れか一方を含むフィードバック制御を実行するフィードバック制御部と、をさらに有し、
前記フィードバック制御部は、前記混合弁の開度制御を開始した後に前記安定化判定部により前記流出温度が安定した旨の判定が下されると、前記フィードバック制御を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器の温度調整装置。
【請求項10】
前記混合制御部は、前記流出温度が前記目標流出温度未満であり、且つ前記第1流入温度が前記目標流出温度以上である場合に、前記第2車載機器を暖機すべく前記混合弁を開度制御する
ことを特徴とする請求項9に記載の車載機器の温度調整装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器の温度調整装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
車載機器の温度調整装置として、例えば特許文献1には、エンジン及びモータを走行用動力源としたハイブリッド車両が開示されており、エンジンの停止中において、モータを駆動する走行用電池の暖機のためにエンジン冷却水の熱を利用している。
【0003】
温度調整装置は、エンジンの冷却水回路と走行用電池の冷却水回路との間に切替弁を介装してなり、切替弁の切替に応じて互いの冷却水をやり取り可能としている。例えば電池温度が暖機開始温度よりも低くて暖機を要し、エンジン冷却水温度が下限温度以上且つ上限温度以下のときには、切替弁を開いて双方の冷却水回路を連通させている。これによりエンジン冷却水が走行用電池まで導かれ、その熱により走行用電池が暖機される。
【0004】
また、エンジン冷却水温度が上限温度よりも高いときには、エンジン冷却水回路に備えられたラジエータで放熱させることも可能ではあるが、エンジン冷却水の熱を無駄にしてしまう。そこで、この場合には、エンジン冷却水と電池冷却水とを所定の割合で混合するように切替弁を切替制御する。電池冷却水との混合により温度低下したエンジン冷却水が走行用電池に導かれ、その暖機に供される。このときには切替弁の開度のみならず、各冷却水回路で冷却水を循環させるポンプの回転速度等も制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6079417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、エンジン冷却水と電池冷却水とを混合する際の具体的な制御内容、即ち、切替弁の開度制御やポンプの回転制御等の内容が記載されていないため実施不能であった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、第1温調回路と第2温調回路とをそれぞれ循環する熱媒体を混合弁により適切に混合して車載機器の温度調整に有効利用することができる車載機器の温度調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の車載機器の温度調整装置は、第1ポンプにより熱媒体を第1熱媒体として循環させて第1車載機器の温度を調整する第1温調回路と、第2ポンプにより熱媒体を第2熱媒体として循環させて第2車載機器の温度を調整する第2温調回路と、第1温調回路から流入した第1熱媒体と第2温調回路から流入した第2熱媒体とを開度に応じた割合で混合し、混合熱媒体として第1温調回路と第2温調回路とにそれぞれ流出させる混合弁と、混合弁の開度を検出する弁開度検出部と、第1温調回路から混合弁に流入する第1熱媒体の温度を第1流入温度として検出する第1流入温度検出部と、混合弁から第2温調回路に流出する混合熱媒体の温度を流出温度として検出する流出温度検出部と、第2車載機器の温度調整を要する場合に、混合弁を開度制御して第1熱媒体と第2熱媒体とを混合させる混合制御部と、を備え、混合制御部が、少なくとも第2車載機器の温度に基づき、流出温度の目標値を目標流出温度として算出する目標流出温度算出部と、第1ポンプの回転速度、第2ポンプの回転速度及び混合弁の開度に基づき、混合弁から第2温調回路に流出する混合熱媒体に含まれる第1熱媒体の割合を流量比として算出する流量比算出部と、第1流入温度、流出温度及び流量比に基づき、第2温調回路から混合弁に流入する第2熱媒体の温度を第2流入温度として算出する第2流入温度算出部と、流量比及び混合弁の開度に基づき、流量比と開度との関係を規定する開度補正係数を算出する開度補正係数算出部と、第1流入温度、第2流入温度及び目標流出温度に基づき、流量比の目標値を目標流量比として算出する目標流量比算出部と、開度補正係数及び目標流量比に基づき、混合弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、目標開度に基づき混合弁を開度制御する弁駆動部と、を有することを特徴とする。
その他の態様として、流量比算出部が、予め設定された第1ポンプ及び第2ポンプの回転速度比と混合弁の開度との関係に基づき、流量比を算出し、第2流入温度算出部が、流量比をR、第1流入温度をTin1、第2流入温度をTin2、流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って第2流入温度Tin2を算出するようにしてもよい。
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13
136
【0009】
その他の態様として、流量比算出部が、第1ポンプの回転速度N1と第2ポンプの回転速度N2との比N1/N2をx、流量比をR、流量比Rと第1熱媒体及び第2熱媒体の流量が等しいときの理想流量比Ridealとの比R/Ridealをy、予め設定された係数をa,bとしたときに、次式(4)に従ってyを算出すると共に、予め設定された混合弁の開度と理想流量比Ridealとの関係に基づき混合弁の開度から理想流量比Ridealを算出して、次式(5)従って流量比Rを算出し、y=a×x+b ……(4)、R=y×Rideal ……(5)、第2流入温度算出部が、第1流入温度をTin1、第2流入温度をTin2、流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って第2流入温度Tin2を算出するようにしてもよい。
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2024174529000003.jpg
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【0010】
その他の態様として、流量比算出部が、第1ポンプの回転速度N1と第2ポンプの回転速度N2との比N1/N2をx、流量比をR、流量比Rと第1熱媒体及び第2熱媒体の流量が等しいときの理想流量比Ridealとの比R/Ridealをy、予め設定された係数をc,d,eとしたときに、次式(7)に従ってyを算出すると共に、予め設定された混合弁の開度と理想流量比Ridealとの関係に基づき混合弁の開度から理想流量比Ridealを算出して、次式(5)従って流量比Rを算出し、y=cx
2
×dx+e ……(7)、R=y×Rideal ……(5)、第2流入温度算出部が、第1流入温度をTin1、第2流入温度をTin2、流出温度をToutとしたときに、次式(6)に従って第2流入温度Tin2を算出するようにしてもよい。
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13
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その他の態様として、流量比算出部が、xが1の場合には、理想流量比Ridealを流量比Rとし、xが1より小の場合とxが1より大の場合とでは、異なる係数a,bを式(4)に適用するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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