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公開番号
2024173224
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023091509
出願日
2023-06-02
発明の名称
泡沫分離処理装置および泡沫分離処理方法
出願人
清水建設株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C02F
1/24 20230101AFI20241205BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】被処理水に含まれる様々な界面活性物質の除去効率を高めることができる泡沫分離処理装置および泡沫分離処理方法を提供する。
【解決手段】被処理水Wに含まれる界面活性物質を泡沫として分離し、回収する泡沫分離処理装置10であって、被処理水Wを貯留する貯留手段12と、被処理水Wの中に気体を送り込んで気泡を生成する気泡生成手段14と、気泡の上昇によって水面WLの付近に生じる泡沫Bを回収するために水面WLの近傍に設けられ、水面WLに対して上向きに開口した開口部30を有する回収手段16とを備え、界面活性物質の炭素鎖長または空気-水界面への吸着力に応じて、水面WLに対する回収手段16の開口部30の高さHを設定することにより、炭素鎖長または空気-水界面への吸着力の異なる界面活性物質の泡沫Bを選択的に回収するようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被処理水に含まれる界面活性物質を泡沫として分離し、回収する泡沫分離処理装置であって、
前記被処理水を貯留する貯留手段と、前記被処理水の中に気体を送り込んで気泡を生成する気泡生成手段と、
前記気泡の上昇によって前記水面の付近に生じる泡沫を回収するために前記水面の近傍に設けられ、前記水面に対して上向きに開口した開口部を有する回収手段とを備え、
前記界面活性物質の炭素鎖長または空気-水界面への吸着力に応じて、前記水面に対する前記回収手段の前記開口部の高さを設定することにより、炭素鎖長または空気-水界面への吸着力の異なる前記界面活性物質の泡沫を選択的に回収することを特徴とする泡沫分離処理装置。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記回収手段の前記開口部の高さを前記水面の付近に形成される泡沫層の上部に設定して、炭素鎖長が8の有機フッ素化合物を含む前記界面活性物質の泡沫を回収することを特徴とする請求項1に記載の泡沫分離処理装置。
【請求項3】
前記回収手段の前記開口部の高さを前記水面の付近に形成される泡沫層の下部に設定して、炭素鎖長が6の有機フッ素化合物を含む前記界面活性物質の泡沫を回収することを特徴とする請求項1に記載の泡沫分離処理装置。
【請求項4】
被処理水に含まれる界面活性物質を泡沫として分離し、回収する泡沫分離処理方法であって、
前記被処理水の中に気体を送り込んで気泡を生成するステップと、
前記気泡の上昇によって前記水面の付近に生じる泡沫を回収するステップとを有し、
前記界面活性物質の炭素鎖長または空気-水界面への吸着力に応じて、泡沫の回収高さを設定することにより、炭素鎖長または空気-水界面への吸着力の異なる前記界面活性物質の泡沫を選択的に回収することを特徴とする泡沫分離処理方法。
【請求項5】
泡沫の回収高さを前記水面の付近に形成される泡沫層の上部に設定して、炭素鎖長が8の有機フッ素化合物を含む前記界面活性物質の泡沫を回収することを特徴とする請求項4に記載の泡沫分離処理方法。
【請求項6】
泡沫の回収高さを前記水面の付近に形成される泡沫層の下部に設定して、炭素鎖長が6の有機フッ素化合物を含む前記界面活性物質の泡沫を回収することを特徴とする請求項4に記載の泡沫分離処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡沫分離処理装置および泡沫分離処理方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、有機フッ素化合物(PFAS)に分類されるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)による環境汚染問題が顕在化している。PFOS/PFOAは泡消火薬剤等で大量かつ広範囲に使用されていることから国内外での規制が始まっている。泡消火の原理は燃焼に必要な空気を泡で遮断することであり、その成分には界面活性剤が用いられている。また、直近では、これまでにPFOS/PFOAの代替物質として使用されてきたPFHxSについても規制の対象に挙がってきており、その動向が注目される。
【0003】
これらの物質は、図4に示すように、水になじむ性質を持つ「親水基」と、油になじむ性質を持つ「疎水基」を有する構造を有しており、水中では界面活性物質としての挙動を示す。また、界面活性物質は、空気-水界面に濃縮される性質を持つことから、この現象を利用して水中に空気を送入し、空気-水界面に複数の気泡を生成させることで、界面に濃縮された界面活性物質を泡沫として回収する「泡沫分離法(Foam Fractionation)」が水処理の分野で用いられている。泡沫分離法は、加熱等のエネルギーを必要とせず、様々な物質が空気-水界面に吸着・濃縮される特性を利用して汚染物質を除去する安価で処理効率の高い方法として知られており、有機フッ素化合物(PFAS)を含む水処理に対しても有効と考えられている。
【0004】
図5(1)は、泡沫分離法を適用した泡沫分離装置の一例である。この図に示すように、この泡沫分離装置1は、界面活性剤水溶液などの被処理液が入れられた気液接触塔2と、コンプレッサーと接続したガス流量計3を備えるシリコンチューブ4と、分離された泡沫をビーカー5に回収するためのチューブ6とを備えている。コンプレッサーからのエアーをシリコンチューブ4を通じて気液接触塔2の底部のディフューザー7から被処理液内に送り込むと、図5(2)に示すように、被処理液内に気泡が発生する。発生した気泡は液界面に上昇して泡沫となる。この泡沫はチューブ6を介してビーカー5に排出される。
【0005】
一方、濃縮したPFOS/PFOAを泡沫として回収する従来の地下水浄化方法として、例えば特許文献1の方法が知られている。しかし、この特許文献1の方法では、地下水面から泡沫を真空吸引するため、泡沫が崩壊するおそれがあり、泡沫を効率良く回収することが難しいといった問題があった。
【0006】
このような問題を解決するための技術として、本特許出願人は特許文献2に記載の泡沫分離処理装置を既に提案している。この特許文献2の泡沫分離処理装置は、被処理水の水面の近傍に、水面に対して上向きに配置される開口部を有する泡沫回収部を備えており、水面に浮遊する微量の泡沫を効率よく回収することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許第10752521号明細書
特開2023-50657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、空気-水界面に界面活性物質が濃縮される現象は、界面活性物質が持つ疎水基(炭素鎖)の長さに深く関係しており、図6に示すように、炭素数がC6のPFHxSでは、PFOS/PFOA(炭素数がC8)よりも炭素鎖長が短いため空気-水界面への吸着力が弱くなる。このことが、吸着原理を用いた活性炭処理と同様に、泡沫分離処理においてもPFHxSの除去効率が低い原因となっている。したがって、上記の従来の特許文献2の泡沫分離処理装置をPFHxSの分離除去にそのまま適用すると、PFHxSの除去率は低くなると考えられる。このため、PFHxSのような空気-水界面への吸着力が弱い界面活性物質についても除去効率を高めることが求められていた。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被処理水に含まれる様々な界面活性物質の除去効率を高めることができる泡沫分離処理装置および泡沫分離処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る泡沫分離処理装置は、被処理水に含まれる界面活性物質を泡沫として分離し、回収する泡沫分離処理装置であって、前記被処理水を貯留する貯留手段と、前記被処理水の中に気体を送り込んで気泡を生成する気泡生成手段と、前記気泡の上昇によって前記水面の付近に生じる泡沫を回収するために前記水面の近傍に設けられ、前記水面に対して上向きに開口した開口部を有する回収手段とを備え、前記界面活性物質の炭素鎖長または空気-水界面への吸着力に応じて、前記水面に対する前記回収手段の前記開口部の高さを設定することにより、炭素鎖長または空気-水界面への吸着力の異なる前記界面活性物質の泡沫を選択的に回収することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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