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公開番号
2024170927
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2023087698
出願日
2023-05-29
発明の名称
雨水より安全な純水の製造方法
出願人
日本特殊膜開発株式会社
代理人
主分類
C02F
1/44 20230101AFI20241204BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】降雨中の雨水を回収し、回収された雨水の電気伝導度が10μS/cm以下でかつ0.2μm以上の径を持つ微粒子の濃度が規定値以下である純水を製造する方法を提供する。
【解決手段】天空より降る雨で、海岸線より15km内陸部で、初期降雨が除外された雨を採取し、該雨を平均孔径20nm以上で200nm未満のセルロース製の平膜状の複合膜を充填した全プラスチック製の孔拡散モジュールを用いて、膜間差圧が0.05気圧以下の特定条件下で該モジュールで膜処理することで純水を製造する方法。
【選択図】図3(a)
特許請求の範囲
【請求項1】
下記過程(1)~(4)を通して雨水より省エネルギー的に純水を製造する方法。すなわち、過程(1)、天空より降る雨で海岸線より15km 内陸部で採取される降雨で、初期降雨より降雨量2mm以内の雨が除外された降雨を採集し、過程(2)、該降雨を平均孔径20nm以上200nm未満で膜厚が200μm以上で600μm未満の平膜状セルロース製の複合膜を装填した全プラスチック製の孔拡散膜モジュールを用いて、過程(3)、膜間差圧が0.05気圧以下で該膜表面での一次流体の流れが2/秒以上の層流となる条件で該モジュールを運転し、過程(4)、膜を介して通過する降雨成分のみを回収することによって安全な純水を製造することを特徴とする製造方法。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
請求項1において、過程(1)の初期降雨より降雨量2mm以内の雨を除外する方法として、屋根などの平面状の物体上に降雨を集めこれを雨樋等より導管に導き、該導管に直列的に連結した一定容量のタンク(これをタンクAと略称)へ初期降雨を導き、タンクAの容量をこえた後続する降雨をオーバーフローさせてこれを該導管に並列的に連結したタンク(タンクBと略称)で採取することで初期降雨のみを除去する方法を採用することを特徴とする純水の製造方法。
【請求項3】
請求項1あるいは2において、過程(1)において選定される雨水として11月から翌年2月までの冬期以外の降雨を採取し、該降雨を過程(2)において平均孔径80nm以上で160nm未満のセルロース製の平膜状の複合膜を装填したポリカーボネート製のプラスチック段ボール型の孔拡散膜モジュールを用いて、過程(4)において膜を介して通過する成分を常圧下で回収することを特徴とする純水の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は特定された雨水を採集し、この雨水中に溶解または分散している微粒子成分を除去することにより安全な純水を省エネルギー的製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【0002】
特定された雨水とは、落下した雨水で地上成分(土壌や田畑、道路、湖、河川、沼等の地表上の物体)と接触することがなく降雨として採集される雨水であり、地表
上の陸地に落下していない降雨を意味する。該雨水中に溶解する微粒子成分として黄砂などの土壌由来の成分(砂,塵など)、火山灰、海水由来の海塩成分、火山ガスや排
気ガス由来の硫酸塩粒子、有機成分(バクテリアなど)を含むバイオエアゾルなどがあり、主成分はエアロゾルと呼称される微粒子と考えられる。
【0003】
本発明でいう純水とは0.2μm以上の径を持つ微粒子成分が除去されかつ、電気伝導度が10μS/cm以下の水を意味する。この定義の純水は本発明の独自のものである。通常地上に落下する雨水の電気伝導度は20μS/cm以上であり、かつ雨水には電気伝導度に寄与しない細菌や花粉などの有機性の微粒子としてエアロゾル等の微粒子を含む場合が多い。そのため雨水としては安全とはいえない。
【背景技術】
【0004】
地下水などの水を原料としてその精製度に対応して農業用水や工業用水等の種々の用途に精製後の水は利用される。資源としての水には自然に産生する水あるいは高
度に精製した水(例、超純水など)など多種類ある。最も高度な精製度を持つ水として半導体の製造に用いられる超純水が位置付けられる。ただし、化学構造としてのH
2
Oに近い水が精製度が高い水とみなす。超純水からの精製度を低めると精製水、蒸留水、雨水、水道水、河川の水、湖沼の水、地下水、海水、生活排水と位置付けられる。これ等の位置づけには対象とする水の電気伝導度の大きさがほぼ対応している。
【0005】
水に高度な精製処理を施したことに対応する水、すなわち精製水は天然に産生する水(例、地下水としての湧き水)に対して蒸留等の精製を施すことによって作製できる。しかし、この精製には外部からのエネルギーと蒸留などの装置を必要とする。蒸留という精製手段を採用するのは安価な省エネルギー的とはいえない。
【0006】
原水として地下水や水道水を用いて、これらに砂濾過や薬品処理、膜処理によって原水から不純物や感染性微生物を除去し、精製度の高い水を作製することも試みら
れる。このような方法で作製された精製水は原水の段階において既に一種の加工すなわち、地層による吸着と溶出や水道水の作製の際の滅菌加工が加わっている。そのため
地下水や水道水はもはや自然に得られた安全な水とはいえない。そのためこれらの水は医薬品の原料水や洗浄水との用途にも加工に伴う不確実な要素を内在する。安価で安
全な水を高圧力や加熱処理や薬品処理に頼らず自然な状態で入手する方法が求められる。
【0007】
雨水は原水としては精製度が高い水と一般には考えられている。しかし、雨水には、バイオエアゾルに分類されるバクテリアやウイルスの一部が混入している可能性がある。さらに黄砂や花粉の分解物等の自然界で発生した微粒子や人工的な建設物の摩耗物が混入している可能性もあり安全面での危うさを持つ。
【0008】
前述のように天然の雨水として原水を収集した場合には、種々の汚染物質が原水に混入する。混入する汚染物質を避ける方法、あるいは汚染物質の混入の可能性を下げると考えられる雨水の入手方法が提案されている。例えば非特許文献1によれば、酸性雨においてはその人体被害例の多くが雨の降り始め(本発明では初期降雨に対応)に生じている。このことより降雨を初期降雨と後続降雨と分類し、初期の降雨による雨水を初期雨水、後者の雨水を後期雨水と大別する。初期雨水/後続雨水の比は大気汚染の指標となりえるとこの文献では指摘している。この研究例より雨水を利用する際には大気汚染の影響を避けるのに初期雨水を除外することが重要であることがわかる。しかし該文献では雨水を産業の原料として利用しようとする意図は全くなく初期雨水の判断方法の提案もない。雨水を資源と考えると除去する初期雨水の量は少ないほど望ましいが、具体的に初期雨水を指定することが出来ない。
【0009】
降雨が大気汚染物質で汚染されている。すなわち、降雨は地域環境の汚染を反映する。そのため降雨の汚染防止は地球環境の汚染問題としてとらえる研究開発が大部
分である。例えば非特許文献2には日本における1975年~1985年の約10年間における雨水実態調査が示されている。雨水性状の質的変化が酸性雨現象を引き起こ
して大きな社会問題となっていることの指摘がなされている。しかし、それらの実態調査では大気汚染の高まりは雨水の産業用途の原料としての適性に問題点を指摘
するものでもある。雨水を水資源として利用する立場からは酸性雨現象の研究からは具体的な対策はほとんど生まれない。
【0010】
一方、産業界では種々のレベルの精製度を持つ水が求められている。例示すれば工業用水の水源レベルとしての水、農業用水のレベルの水などである。工
業用水、水道水、さらに飲料原料の水、化学製品製造用の水、医薬品製造の水、半導体の集積回路の洗浄用水などに利用される超純水などである。本発明では原
料水として雨水を利用する。原料水としての雨水の精製度のレベルは現状不明であるが非特許文献2の調査を参照すると、工業用水から水道水のレベルあるいは
それら以上の精製度と位置付けられる。雨水のこの高いレベルの精製度を確実なものにする。すなわち、この高いレベルの精製度を確実にする方法としてより安
全性を高める方法を本発明で提案する。
(【0011】以降は省略されています)
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