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公開番号
2025105190
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223558
出願日
2023-12-28
発明の名称
廃棄物処理システムおよび廃棄物をエネルギーに変換する方法
出願人
財團法人工業技術研究院
,
INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
代理人
前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類
C02F
11/04 20060101AFI20250703BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】環境汚染および電力消費量の少ない、廃棄物をエネルギーに変換する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】(a)油脂含有ベースを準備し、生体触媒と反応させて界面活性分子液体を生じさせるステップと、(b)界面活性分子液体で有機廃棄物に前処理を行って第1の有機液体を生じさせるステップと、(c)第1の有機液体に超音波処理を行って第2の有機液体を生じさせるステップと、(d)第2の有機液体に嫌気性生物処理を行ってメタンに変換するステップと、を含む。生体触媒は少なくとも1つのリパーゼを含む。また、界面活性分子液体はモノグリセリドおよびジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む。廃棄物をエネルギーに変換する廃棄物処理システムも提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
廃棄物をエネルギーに変換する方法であって、
(a)油脂含有ベースを準備し、それを生体触媒と反応させて界面活性分子液体を生じさせるステップと、
(b)前記界面活性分子液体で有機廃棄物に前処理を行って第1の有機液体を生じさせるステップと、
(c)前記第1の有機液体に超音波処理を行って第2の有機液体を生じさせるステップと、
(d)前記第2の有機液体に嫌気性生物処理を行ってメタンに変換するステップと、
を含み、
前記生体触媒が少なくとも1つのリパーゼを含み、前記生体触媒と前記油脂含有ベースとの重量百分率(wt%)が0.005~0.02:1であり、かつ前記界面活性分子液体がモノグリセリドおよびジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、廃棄物をエネルギーに変換する方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記油脂含有ベースには食品業廃水、製造業廃水、食用油、飼料用油、前述した油の再生油または前述の組み合わせが含まれ、かつ前記有機廃棄物には製造業廃棄物、石油化学産業廃棄物、農業廃棄物、畜産業廃棄物、食品廃棄物または前述の組み合わせが含まれる、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項3】
前記油脂含有ベースが炭素数C12-C20のトリグリセリド(medium-and-long chain triglyceride,MLCT)を含む、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項4】
ステップ(a)が、前記油脂含有ベースの油脂含量を30wt%から50wt%に調整することをさらに含む、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項5】
ステップ(a)が、温度25℃から45℃、pH6.5からpH7.5の条件下、1時間から9時間反応させる、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項6】
前記リパーゼがトリグリセリドリパーゼ(EC 3.1.1.3)を含む、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項7】
前記リパーゼが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、枯草菌(Bacillus subtilis)のうちの少なくとも1つに由来する、請求項6に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項8】
前記リパーゼがアスペルギルス・ニガー、ヤロウイア・リポリティカおよび枯草菌に由来し、かつアスペルギルス・ニガー、ヤロウイア・リポリティカおよび枯草菌にそれぞれ由来するリパーゼの重量百分率が1~3:1~3:1~3である、請求項7に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項9】
ステップ(b)において、前記界面活性分子液体と前記有機廃棄物との体積百分率が0.005~0.05:1である、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
【請求項10】
ステップ(c)において、前記超音波処理の出力電力が300ワットから1200ワットであり、かつ周波数が20kHzから100kHzである、請求項1に記載の廃棄物をエネルギーに変換する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、廃棄物処理システムおよび廃棄物をエネルギーに変換する方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
現在の製造業は、世界経済において相当程度の生産物の総量に寄与しているが、大量の廃棄物を生じさせてもいる。循環経済が主流になるのに伴って、如何にして廃棄物を資源に変え炭素排出量を減少するかについて、産業界および政府はより重視するようになってきている。
【0003】
環境保護の目指すところは持続可能な環境となっているが、大量の有機廃棄物を含む製造産業による汚泥は、リサイクル可能な資源であるとみなされており、如何に有効に処理し、廃棄汚泥を利用するかが、目下、製造産業における重要課題となっている。現行の汚泥処理技術のうち、超音波をベースとした物理的な前処理の方法は環境汚染を減らすという点では優れているが、電力消費面は依然大きな課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、既存の廃棄汚泥処理技術は、もともと見込んでいた用途を大方満たしてはいるが、各種方面全てにおいて完全に要求を満たしているわけではない。よって、超音波処理の効率を維持しながら、処理時間を短縮または処理効率を向上させた省エネルギーの廃棄汚泥処理方式を開発することが、関連分野において注視されている課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態により、(a)油脂含有ベースを準備し、それを生体触媒と反応させて界面活性分子液体を生じさせるステップと、(b)界面活性分子液体で有機廃棄物に前処理を行って第1の有機液体を生じさせるステップと、(c)第1の有機液体に超音波処理を行って第2の有機液体を生じさせるステップと、(d)第2の有機液体に嫌気性生物処理を行ってメタンに変換するステップと、を含む廃棄物をエネルギーに変換する方法を提供する。生体触媒は少なくとも1つのリパーゼを含み、生体触媒と油脂含有ベースとの重量百分率は0.005~0.02:1であり、かつ界面活性分子液体はモノグリセリドおよびジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、
【0006】
本開示のいくつかの実施形態により、界面活性分子液体生成器、超音波発生器および嫌気性生物リアクターを含む廃棄物処理システムも提供する。界面活性分子液体生成器は、生体触媒を含み、生体触媒は、油脂含有ベースを処理して界面活性分子液体を生じさせるのに用いられる。超音波発生器は界面活性分子液体生成器と接続し、有機廃棄物および界面活性分子液体を混合して生じた有機液体を処理するのに用いられる。嫌気性生物リアクターは超音波発生器と接続し、有機液体を処理してメタンを生成するのに用いられる。生体触媒は少なくとも1つのリパーゼを含み、生体触媒と油脂含有ベースとの重量百分率(wt%)は0.005~0.02:1であり、かつ界面活性分子液体はモノグリセリドおよびジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
添付の図面を参照にしながら、以下の実施形態において詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面を参照にして、以下の詳細な説明および例を読むことにより、本発明をより充分に理解することができる。
本開示のいくつかの実施形態による廃棄物処理システムの説明図を示している。
リパーゼ(lipase)(EC 3.1.1.3)がトリグリセリド加水分解反応を触媒するのを説明する説明図を示している。
本開示のいくつかの実施形態による廃棄物をエネルギーに変換する方法のステップフロー図を示している。
本開示のいくつかの実施形態による、各種菌株由来のリパーゼおよび各種組成配合比の生体触媒の油脂変換率試験の結果を示しており、BSLは枯草菌(Bacillus subtilis)に由来するリパーゼの群、YLLはヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)に由来するリパーゼの群、ANLはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)に由来するリパーゼの群、BSL+YLL+ANL(1:1:1)は枯草菌、ヤロウイア・リポリティカおよびアスペルギルス・ニガーに由来するリパーゼの群であり、かつ枯草菌、ヤロウイア・リポリティカおよびアスペルギルス・ニガーにそれぞれ由来するリパーゼに使用する重量百分率は1:1:1であり、BSL+YLL+ANL(1:2:3)は枯草菌、ヤロウイア・リポリティカおよびアスペルギルス・ニガーに由来するリパーゼの群であり、かつ枯草菌、ヤロウイア・リポリティカおよびアスペルギルス・ニガーにそれぞれ由来するリパーゼに使用する重量百分率は1:2:3である。
本開示のいくつかの実施形態による、界面活性分子液体の添加による有機廃棄物の超音波処理に対する影響を試験した分析結果を示している。
本開示のいくつかの実施形態による、界面活性分子液体の添加による有機廃棄物の超音波処理に対する影響を試験した分析結果を示している。
本開示のいくつかの実施形態による、界面活性分子液体の添加による有機廃棄物の嫌気性生物処理(メタン生成能)に対する影響を試験した分析結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、本開示の廃棄物処理システムおよび廃棄物をエネルギーに変換する方法が詳細に記載される。以下の詳細な説明においては、説明の目的で、本開示がより充分に理解されるよう多数の特定の詳細および実施形態が示される、ということが理解されなければならない。以下の詳細な説明において記載される特定の要素および構成は、本開示を明瞭にするために示されるものである。ここに示される例示的な実施形態が単に説明の目的で用いられ、本開示を限定するものではないということは、明らかであろう。
【0010】
例示的な実施形態の記載は添付の図面と関連して読まれるよう意図されており、それらは全体の記載の一部であるとみなされる。図は正確な縮尺で描かれていないという点を理解しなければならない。実際に、本開示の特徴を明瞭に表すために、要素のサイズは任意に拡大または縮小されることがある。
(【0011】以降は省略されています)
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