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公開番号2025112279
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2025006340
出願日2025-01-16
発明の名称塩素剤注入量演算方法、塩素剤注入量演算装置及び水処理システム
出願人株式会社水みらい広島,水ing株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C02F 1/00 20230101AFI20250724BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】被処理水へ注入する塩素剤注入量を簡易な手法で演算でき、管理を担当する運転員の負担を軽減することが可能な塩素剤注入量演算方法、塩素剤注入量演算装置及び水処理システムを提供する。
【解決手段】被処理水に塩素剤を注入する工程を有する浄水場において、被処理水への塩素剤の注入後に日射を受ける水槽の水面積を取得する水面積取得工程と、水槽の近傍の気温を取得する気温取得工程と、水面積と気温との積と、塩素剤を注入する箇所の被処理水の流量とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、被処理水への塩素剤注入量を演算する塩素剤注入量演算工程とを有する塩素剤注入量演算方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水に塩素剤を注入する工程を有する浄水場において、
前記被処理水への前記塩素剤の注入後に日射を受ける水槽の水面積を取得する水面積取得工程と、
前記水槽の近傍の気温を取得する気温取得工程と、
前記水面積と前記気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、前記被処理水への塩素剤注入量を演算する塩素剤注入量演算工程と
を有する塩素剤注入量演算方法。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記塩素剤注入量演算工程が、
前記水面積と前記気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量と、前記被処理水の水温と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、前記被処理水への塩素剤注入量を演算することを含む請求項1に記載の塩素剤注入量演算方法。
【請求項3】
前記塩素剤注入量演算工程が、
前記水面積と前記気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量と、前記被処理水の水温と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、前記被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、前記被処理水への塩素剤注入量を演算することを含む請求項1に記載の塩素剤注入量演算方法。
【請求項4】
前記塩素剤注入量演算工程が、
前記水面積と前記気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量と、前記被処理水の水温と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、前記被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、前記被処理水中の塩素剤濃度と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、前記被処理水への塩素剤注入量を演算することを含む請求項1に記載の塩素剤注入量演算方法。
【請求項5】
前記塩素剤注入量演算工程が、
前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量と、前記被処理水の水温と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより作製された回帰式を用いて、前記被処理水への塩素剤注入量を演算することを含む請求項1に記載の塩素剤注入量演算方法。
【請求項6】
被処理水に塩素剤を注入する工程を有する浄水場において、
・前記被処理水中の塩素剤濃度と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、
・前記被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、
・前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量と、
・前記被処理水の水温と前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量との積と、
・前記塩素剤の注入後に日射を受ける水槽の水面積と気温との積と
を説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数とする回帰分析により、
以下の回帰式(X);
[塩素剤注入量]=A[被処理水中の塩素剤濃度×塩素剤を注入する箇所の被処理水の流量]+B[被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度×塩素剤を注入する箇所の被処理水の流量]+C[塩素剤を注入する箇所の被処理水の流量]+D[被処理水の水温×塩素剤を注入する箇所の被処理水の流量]+E[塩素剤の注入後に日射を受ける水槽の水面積×気温]・・・(X)
を作製し、前記回帰式(X)を用いて前記被処理水への塩素剤注入量を演算する塩素剤注入量演算工程を有することを特徴とする塩素剤注入量演算方法。
(ここでA、B、C、D、Eは係数であり、前記係数は、
・浄水場固有の前記水面積、
・過去に取得した前記被処理水への塩素剤注入量、
・過去に取得した前記被処理水の塩素剤濃度、
・過去に取得した前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量、
・過去に取得した前記被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度、
・過去に取得した前記被処理水の水温、
・過去に取得した前記気温、
のデータセットを用いて回帰分析を行うことにより導出される値である。)
【請求項7】
前記被処理水中に予め含まれる塩素剤を消費する成分の濃度が、アンモニア性窒素、還元性無機物質、還元性有機物質の少なくともいずれかの濃度を含む請求項3、4、6のいずれか1項に記載の塩素剤注入量演算方法。
【請求項8】
被処理水へ注入する塩素剤の注入量を演算する塩素剤注入量演算装置であって、
前記被処理水への前記塩素剤の注入後に日射を受ける水槽の水面積を取得する水面積取得部と、
前記水槽の近傍の気温を取得する気温取得部と、
前記水槽を備える浄水場の過去の運転データセットを記憶する記憶装置と、
前記水面積と前記気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量とを説明変数とし、塩素剤注入量を目的変数として、前記浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより回帰式を作製する回帰式作製部と、
前記回帰式を用いて前記被処理水への塩素剤注入量を演算する塩素剤注入量演算部と
を備える塩素剤注入量演算装置。
【請求項9】
被処理水に塩素剤を注入する塩素剤注入装置と、
前記塩素剤が注入された前記被処理水を収容する水槽と、
前記水槽の日射を受ける面積である水面積と前記水槽の近傍の気温との積と、前記塩素剤を注入する箇所の前記被処理水の流量とを説明変数とし、前記塩素剤注入装置の塩素剤注入量を目的変数として、前記水槽を備える浄水場の過去の運転データセットを用いて回帰分析を行うことにより回帰式を作製し、前記回帰式に基づいて、前記塩素剤注入装置が前記被処理水へ注入する前記塩素剤注入量を演算する塩素剤注入量演算部を備える塩素剤注入制御装置と
を備える水処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素剤注入量演算方法、塩素剤注入量演算装置及び水処理システムに関し、特に、浄水場で塩素剤の注入制御に好適な塩素剤注入量演算方法、塩素剤注入量演算装置及び水処理システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水処理プロセスでは、被処理水の性状調整等の目的で塩素剤を被処理水に添加する処理が行われている。例えば浄水場では、被処理水に塩素剤を注入する工程として、前次亜、中次亜、後次亜と呼ばれる3つの注入工程がある。
【0003】
前次亜は、原水の性状調整、例えば殺藻を目的とするものであり、運転員らの注入の可否判断に基づいて手動で注入制御している場合が多い。後次亜は、主として浄水場外へ浄水を配水する際に、浄水中の次亜塩素濃度を目標設定値に仕上げ調整することが目的であり、フィードバック自動制御等によって自動調整することができる。
【0004】
一方、中次亜は、後次亜での浄水の仕上げ調整が行いやすい濃度範囲となるように、被処理水中の次亜塩素濃度を事前に調整することを目的とするものであり、主に沈殿池での処理後に行われる塩素剤注入処理である。しかしながら、この目的を十分に達成できる既存のシステムは多くなく、多くの浄水場では、運転員らによる連続監視と断続制御とが行われている。
【0005】
被処理水への塩素剤注入制御は従来から種々の検討がなされている。例えば、特開2022-41456号公報(特許文献1)には、被処理水に塩素剤を注入する工程を有する水処理プロセスの上部開放槽近傍の気相に関するデータを取得する第1取得部と、気相に関するデータを用いて、被処理水に含まれる塩素が、単位時間及び単位面積あたりにおいて気相へ移動する移動量を演算する塩素移動量演算部と、移動量に基づいて、被処理水の塩素低下量を演算する塩素低下量演算部とを備えた塩素低下量演算装置の例が記載されている。
【0006】
特許第7234012号公報(特許文献2)には、被処理剤に塩素剤を注入する工程を有する浄水処理プロセスに関して、被処理水に照射する紫外線の線量に関する線量データとして紫外線インデックスを取得する取得部と、被処理水の塩素分解量を、線量データをもとに取得される波長ごとの紫外線量に基づいて推定する推定部とを備え、推定部が、紫外線インデックスにより示される紫外線の強度に基づいて、被処理水に照射する紫外線の線量の総量を取得し、その総量を紫外線のスペクトル分布に当てはめることで、波長ごとの紫外線量を推定する塩素注入制御装置の例が記載されている。
【0007】
特開2023-23742号公報(特許文献3)には、処理すべき水の水質の過去の第1測定データと、薬品が添加された後の水の水質の過去の第2測定データと、過去の第1測定データおよび過去の第2測定データに関連付けられた薬品の実際の添加率を少なくとも含む訓練データを使用した機械学習によって構築されたモデルに、処理すべき水の水質の第1測定値と、薬品が添加された後の水の水質の第2測定値を少なくとも含む予測条件データを入力し、モデルから薬品の添加率を出力する水処理のための薬品の添加率を決定する方法の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-41456号公報
特許第7234012号公報
特開2023-23742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~3に記載されるように、浄水場における被処理水への塩素剤注入に関する技術は従来から種々検討されてきている。しかしながら、被処理水に注入された塩素は、複数の要因によって分解されるため、被処理水中の塩素の分解量を、特許文献1~3のような理論に基づき推定することが難しい場合がある。また、原水の性状変動により被処理水中の塩素濃度を安定的に維持することが難しい問題もある。そのため、塩素剤注入量の管理は、受託した浄水場の特性を踏まえ、運転員の経験則又は暗黙知により手動で調整する場合が多いが、管理を担当する運転員の負担が大きくなるという問題がある。
【0010】
上記課題に鑑み、本発明は、被処理水へ注入する塩素剤注入量を簡易な手法で演算でき、管理を担当する運転員の負担を軽減することが可能な塩素剤注入量演算方法、塩素剤注入量演算装置及び水処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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