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公開番号
2024177739
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-24
出願番号
2023096045
出願日
2023-06-12
発明の名称
スケール防止剤
出願人
ミヨシ油脂株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C02F
5/00 20230101AFI20241217BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】スケールの発生や成長を抑制するスケール防止剤を提供する。
【解決手段】本発明のスケール防止剤は、油剤と、界面活性剤とを含有することを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
油剤と、界面活性剤とを含有する、スケール防止剤。
続きを表示(約 130 文字)
【請求項2】
界面活性剤が、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のスケール防止剤。
【請求項3】
油剤と界面活性剤の質量比が99:1~60:40である、請求項1又は2に記載のスケール防止剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケール防止剤に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
パルプの製造においては、世界でも国内でもクラフト法(KP法)が主体である。これは、KP法が種々の材種でも対応でき、製造されるパルプ強度が他のパルプよりも高いだけでなく、効率的な回収ボイラーや連続蒸解釜による生産性の上昇に加え、連続式の苛性化設備の開発による薬品及びエネルギー回収率の飛躍的向上と製造コストの大幅な減少に起因する。
【0003】
しかし、材種や産地の違いによって樹脂や無機物等の種類や比率が異なり、加えて蒸解時にアルカリ薬剤等を使用しているため、薬剤回収工程のうち特に黒液濃縮工程等で水に不溶なスケールが発生し、タンクやエバポレーター内の伝熱プレートに付着することでトラブルが発生する。
【0004】
パルプ洗浄工程で生成する黒液が貯蔵される稀黒液タンク内で、軽いカルシウム塩が静置すると浮いてくる上、タンク内の温度が80~90℃程度であるため水が蒸発する。するとカルシウム塩を核としてリグニン等が凝集してスケールが成長し、濃縮された塊が次々に発生する。その上から黒液が流れ込んでくることで次の濃縮工程にスケールが送り込まれると、配管への詰まりを引き起こしてしまう。
【0005】
従来、スケール発生に伴う上記のような問題点への対策として、無機物を対象とするスケール防止剤の添加、エバポレーター洗浄方法の改良、減粘剤の添加等が知られている。従来品のスケール防止剤は、水溶性成分を用いてスケールを分散させることを目的とするものである。
【0006】
スケール防止剤として、特許文献1には、ポリエーテル化合物にモノエチレン性不飽和単量体成分をグラフト重合した水溶性グラフト重合体、特許文献2には、ポリイタコン酸又はその塩と、アミノポリ酢酸又はその塩とを用いた組成物が提案されている。特許文献3には、黒液濃縮工程におけるエバポレーターのスケール洗浄において、アルカリ性条件下の水系で多塩基酸型アミノカルボン酸化合物を用いることが提案されている。黒液濃縮工程で添加する減粘剤として、特許文献4には、尿素、第4級アンモニウム塩、又はアルカノールアミン、特許文献5には、ラジカル捕捉剤を含有する組成物が提案されている。特許文献6には、パルプミルエバポレータ又は濃縮器中のスケール堆積レベルを判定し、判定されたスケール堆積レベルが所定のレベルよりも高い場合、有効量のスケール阻害組成物として、モノカルボン酸;ポリカルボン酸;脂肪酸;低分子量及び高分子量の芳香族脂肪族化合物及び芳香族スルホン酸;これらのエステル、無水物及びアミド;低分子量及び高分子量のアミン;及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される1又はそれ以上の化合物を用いて、不活性蛍光トレーサを用いることによって、パルプ廃液中のスケール阻害組成物濃度をモニタリングする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平9-192691号公報
特開平7-119064号公報
特開2007-63696号公報
特開2014-19993号公報
特開2019-11543号公報
特表2010-527749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2では、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ等の無機スケールには有効であるが、リグニンや、脂肪酸等の有機塩に対する有効性は明らかとされていない。特許文献3では、スケール発生後に運転を停止させずにスケールを除去できるが、スケールの発生は抑制できていない。特許文献4、5では、黒液粘度の低下により濃縮工程での操業性は向上するが、スケール防止剤やピッチコントロール剤等の添加が必要である。特許文献6では、パルプ廃液である黒液中にスケール阻害組成物を溶解又は分散させることで、スケールになる前に炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等を捕捉し分散させ、スケールの発生を阻害しているが、スケール堆積レベルの判定や、パルプ廃液中のスケール阻害組成物濃度をモニタリングすることを要する。
【0009】
近年、パルプの製造に低コスト化が求められている背景から、アカシア等の木材が使用されるようになったが、アカシア等の低コストの木材はカルシウム塩が発生する。このカルシウム塩は、主に樹脂脂肪酸塩等の有機カルシウム塩であるが、そのような木材を用いた場合にスケールの発生が多く見られるようになった。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、スケールの発生や成長を抑制するスケール防止剤を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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