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公開番号2024171543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088608
出願日2023-05-30
発明の名称電力変換装置の制御方法及び電力変換システム
出願人日産自動車株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20241205BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】負荷変動時における応答性を向上させることのできる電力変換装置の制御方法を提供する。
【解決手段】電力変換装置10は、第1スイッチSSを有する第1回路11と、第1コイル121と第2コイル122と第3コイル123とを有するトランス12と、第2回路13と、第2スイッチQQを有する第3回路14とを備え、第1負荷3を流れる負荷電流I1と第2負荷4を流れる負荷電流I2の増減に応じて、第1スイッチSSの位相θ1の変位方向と、第1スイッチSSと第2スイッチQQとの位相差θ31の変位方向とが予め設定され、制御部20は、負荷電流I1と負荷電流I2が変動したときには、第1スイッチSSの位相θ1と、第1スイッチSSと第2スイッチQQとの位相差θ31とを予め設定されている変位方向に変位させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
制御部が電力変換装置を制御する方法であって、
前記電力変換装置は、
入力される電力を変換する第1スイッチを有する第1回路と、
前記第1回路により変換された電力が入力される第1コイルと、前記第1コイルに入力される電圧を変換して出力する第2コイルと、前記第1コイルに入力される電圧を変換して出力する第3コイルとを有するトランスと、
前記第2コイルから出力される電力を変換する第2回路と、
前記第3コイルから出力される電力を変換する第3回路と、を備え、
前記第2回路及び前記第3回路の一方は、第2スイッチを有し、
前記第2回路の出力に接続される第1負荷を流れる第1負荷電流と前記第3回路の出力に接続される第2負荷を流れる第2負荷電流の増減に応じて、前記第1スイッチの位相の変位方向と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差の変位方向とが予め設定され、
前記制御部は、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が変動したときには、前記第1スイッチの位相と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差とを予め設定されている変位方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第3回路が前記第2スイッチを有し、前記第1負荷電流のみが増減する場合に、
前記第1負荷電流の増減に応じて、前記第1スイッチの位相の変位方向と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差の変位方向とが予め設定されている、
電力変換装置の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記制御部は、
前記第1負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチの位相を小さくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第1負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチの位相を大きくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第3回路が前記第2スイッチを有し、前記第2負荷電流のみが増減する場合に、
前記第2負荷電流の増減に応じて、前記第1スイッチの位相の変位方向と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差の変位方向とが予め設定されている、
電力変換装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1スイッチの位相が前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差以上である場合に、
前記制御部は、
前記第2負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチの位相を大きくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第2負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチの位相を小さくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
【請求項6】
請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1スイッチの位相が前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差以上である場合に、
前記制御部は、
前記第1スイッチの位相を所定値に設定し、
前記第2負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第2負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
【請求項7】
請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1スイッチの位相が前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差より小さい場合に、
前記制御部は、
前記第2負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチの位相を小さくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第2負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチの位相を大きくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が同じ方向に増減する場合に、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流の増減に応じて、前記第1スイッチの位相の変位方向と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差の変位方向とが予め設定されている、
電力変換装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1スイッチの位相が前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差以上である場合に、
前記制御部は、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
【請求項10】
請求項8に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記第1スイッチの位相が前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差より小さい場合に、
前記制御部は、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が増加するほど、前記第1スイッチの位相を小さくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を大きくする方向に変位させ、
前記第1負荷電流と前記第2負荷電流が減少するほど、前記第1スイッチの位相を大きくし、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの位相差を小さくする方向に変位させる、
電力変換装置の制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置の制御方法及び電力変換システムに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
1つの入力と2つの出力を有するトリプルアクティブブリッジ(TAB)電力コンバータが知られている(特許文献1参照)。電力コンバータは、3つの巻線を備えた変圧器を有する。3つの巻線には、第1のブリッジ回路乃至第3のブリッジ回路がそれぞれ接続され、第1乃至第3の交流電圧が入出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2008-543271号公報
特開2008-109754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、出力側の負荷に流れる負荷電流が変動したときに、出力電圧を目標電圧へ収束させるための制御が考慮されていなかった。そのため、特許文献1では、負荷変動時における応答性が悪化する場合があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、負荷変動時における応答性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、制御部が電力変換装置を制御する方法である。電力変換装置は、第1回路と、トランスと、第2回路と、第3回路と、を備える。第1回路は、入力される電力を変換する第1スイッチを有する。トランスは、第1回路により変換された電力が入力される第1コイルと、第1コイルに入力される電圧を変換して出力する第2コイルと、第1コイルに入力される電圧を変換して出力する第3コイルとを有する。第2回路は、第2コイルから出力される電力を変換する。第3回路は、第3コイルから出力される電力を変換する。第2回路及び第3回路の一方は、第2スイッチを有する。第2回路の出力に接続される第1負荷を流れる第1負荷電流と第3回路の出力に接続される第2負荷を流れる第2負荷電流の増減に応じて、第1スイッチの位相の変位方向と、第1スイッチと第2スイッチとの位相差の変位方向とが予め設定されている。制御部は、第1負荷電流と第2負荷電流が変動したときには、第1スイッチの位相と、第1スイッチと第2スイッチとの位相差とを予め設定されている変位方向に変位させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、負荷変動時における応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、第1実施形態に係わる電力変換装置10を含む電力変換システム1、及び電力変換装置10に接続された周辺機器2~4を示すブロック図である。
図2は、第1実施形態に係わる電力変換システム1に接続された電圧検出部31、33a、33bと電流検出部35a、35bを示すブロック図である。
図3は、第1実施形態に係わる電力変換装置10を含む電力変換システム1、及び電力変換装置10に接続された周辺機器2~4を示す回路図である。
図4は、図3の第1スイッチ素子S1~S4、第2スイッチ素子Q1~Q4のスイッチングパターンの一例を示すタイミングチャートである。
図5は、第1実施形態に係わる電力変換システム1の制御部20による出力電圧制御の処理手順を示すフローチャートである。
図6は、第1実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI1のみが増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、第1実施形態に係わる電力変換システム1の負荷電流I1と位相θ1及び位相差θ31との間の関係の一例を示す図である。
図8は、第1実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI2のみが増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、第1実施形態に係わる電力変換システム1の負荷電流I2と位相θ1及び位相差θ31との間の関係の一例を示す図である。
図10は、第1実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI1、I2が同じ方向に増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図11は、第1実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI1、I2が異なる方向に増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図12は、第2実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI2のみが増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、第2実施形態に係わる電力変換システム1の負荷電流I2と位相θ1及び位相差θ31との間の関係の一例を示す図である。
図14は、第3実施形態に係わる制御部20による出力電圧制御のI1、I2が異なる方向に増減する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図15は、第4実施形態に係わる電力変換装置10を含む電力変換システム1、及び電力変換装置10に接続された周辺機器2~4を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1を参照して、実施形態に係わる電力変換装置10を含む電力変換システム1、及び電力変換装置10に接続された周辺機器2~4を説明する。電力変換システム1は、1つの入力と2つの出力を有する電力変換装置10と、電力変換装置10を制御する制御部20とを備える。電力変換装置10は、第1回路11と、トランス12と、第2回路13と、第3回路14と、を備える。周辺機器2~4は、直流電圧源2と、第1負荷3と、第2負荷4である。第1回路11は、入力される電力を変換する第1スイッチSSを有する。トランス12は、第1回路11により変換された電力が入力される第1コイル121と、第1コイル121に入力される電圧を変換して出力する第2コイル122と、第1コイル121に入力される電圧を変換して出力する第3コイル123とを有する。第2回路13は、第2コイル122から出力される電力を変換する。第3回路14は、第3コイル123から出力される電力を変換する。第2回路13及び第3回路14の一方は、第2スイッチQQを有する。図1に示す一例では、第3回路14が第2スイッチQQを有するが、第2回路13が第2スイッチQQを有していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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