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公開番号2024169205
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086471
出願日2023-05-25
発明の名称変性アルミノシリケートの製造方法、および変性アルミノシリケートを用いた芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法
出願人国立大学法人横浜国立大学,三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C01B 39/46 20060101AFI20241128BHJP(無機化学)
要約【課題】工業的に有利な条件で、フェノール類と過酸化水素との反応によりハイドロキノン類を高選択的に製造する、変性アルミノシリケートの製造方法、変性アルミノシリケートおよびこれを用いた芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の変性アルミノシリケートの製造方法は、特定の方法でアルミノシリケート(A1)を製造する工程1と、前記アルミノシリケート(A1)と酸とを2回以上接触させてアルミノシリケート(A2)を製造する工程2と、前記アルミノシリケート(A2)と、周期表の4族元素および5族元素からなる群より選ばれる1つ以上の元素を含む化合物(B)とを接触、焼成して変性アルミノシリケート(A3)を製造する工程3とを含む。
また本発明は、前記変性アルミノシリケート(A3)の存在下、フェノール類と過酸化水素とを反応させて芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程1~工程3を含む変性アルミノシリケートの製造方法。
(工程1)
(α)ケイ素酸化物、(β)アルミニウム酸化物、(γ)アルカリ金属化合物、(δ)水、(ε)アルミノシリケート結晶を、下記iv)~v)を満たす条件下、100~200℃で接触させて、Si/Al:3~12.5(モル比)のアルミノシリケート(A1)を調製する工程
iv)成分(ε)が、Si/Al(モル比):4~15のアルミノシリケート結晶である。
v)成分(ε)/成分(α):0.1~20重量%
(工程2)
前記アルミノシリケート(A1)を酸と2回以上接触させた後に、焼成してアルミノシリケート(A2)を調製する工程
(工程3)
前記アルミノシリケート(A2)を周期表の4族元素および5族元素からなる群より選ばれる1つ以上の元素を含む化合物(B)と接触させ、焼成して変性アルミノシリケート(A3)を調製する工程
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記化合物(B)が液状化合物である、請求項1に記載の変性アルミノシリケートの製造方法。
【請求項3】
前記アルミノシリケート(A1)と酸とを2回以上接触させる際に、異なる酸の濃度とする、請求項1に記載の変性アルミノシリケートの製造方法。
【請求項4】
前記工程1が構造規定剤の非存在下で行う工程である、請求項1に記載の変性アルミノシリケートの製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の変性アルミノシリケート(A3)とフェノール類と過酸化水素とを接触させる工程を含む芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変性アルミノシリケートの製造方法、および変性アルミノシリケートを用いた芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
芳香族ジヒドロキシ化合物は、種々の有機合成中間体または原料物質として重要であり、還元剤、ゴム薬、染料、医薬、農薬、重合禁止剤、酸化抑制剤等の分野に利用される。
フェノール類を過酸化水素と反応させて得られる芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えばハイドロキノンやカテコールなどであり、製造方法によりハイドロキノンとカテコールの生成比が異なる。近年、ハイドロキノンとカテコールの需要バランスから、特にハイドロキノンを高選択的に製造する方法が切望されている。
【0003】
フェノール類を過酸化水素と反応させて芳香族ジヒドロキシ化合物を製造するために、結晶性多孔質シリケートの一つであるチタノシリケートを触媒として使用する方法が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。また、特許文献3は、酸処理したアルミノシリケートを気相の塩化チタンやチタンアルコキシドで処理して得られるチタノシリケートを開示している。
【0004】
また、特許文献4は、アルミノシリケートの鋳型原料、アルミニウム源、チタン源、ケイ素源、ヨウ化物、水とともに混合してゲルを調製し、これを加熱して結晶化させた後、焼成して得られるチタノシリケートの製造方法を開示している。
【0005】
本発明者らは、アルミノシリケート化合物と液状のハロゲン化チタン化合物とを接触させてアルミノチタノシリケート等の変性アルミノシリケートを製造する方法と、当該変性アルミノシリケートがフェノール類を過酸化水素と反応させて芳香族ジヒドロキシ化合物を得る触媒として好適であること等を開示している(特許文献5、特許文献6)。
【0006】
一方、前記の様なアルミノシリケートの鋳型原料(以下、「構造規定剤」ということがある)は比較的高価な材料であり、当該変性アルミノシリケート製造工程が焼成工程を含むため、回収、再利用が出来ないことから前記アルミノシリケートの製造方法は高コストの傾向がある様である。この為、前記の様な鋳型原料を用いないアルミノシリケートの製造方法も報告されている。(特許文献7、特許文献8)当該文献で得られるアルミノシリケートは、自動車などの排ガス分解触媒や、ナフサなどのパラフィンの分解触媒の原料となる事が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4254009号公報
国際公開第2015/041137号
特開2008-050186号公報
特開2017-057126号公報
国際公開第2019/225549号
国際公開第2022/225050号
国際公開第2011/013560号
特開2013-237613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献7および8の実施例で開示される前記の様な鋳型原料を用いずに製造されるアルミノシリケートは、前記鋳型原料を用いて得られるアルミノシリケートよりも、比較的Si/Alモル比が低い結果となっている。具体的には、前記の様な鋳型原料を用いなかった場合はSi/Alモル比が6.4、同鋳型原料を用いた場合はSi/Alモル比が13.1との開示がある。また、前記アルミノシリケートを用いて各種触媒を製造する際には、特許文献7ではイオン交換工程、スチーム処理工程を行っている。特許文献8では、前記2工程に加えて酸処理工程を行っている。前記イオン交換工程はナトリウムなどのアルカリ金属イオンをアンモニウムイオンに変換する工程であり、スチーム処理工程、および酸処理工程は、アルミニウム脱離を目的とする工程であると開示されている。その結果、前記アルミノシリケートから一部のアルミニウムが除去され、Si/Al比の高いアルミノシリケートを得ている。
【0009】
前記の様なアルミノシリケートの鋳型原料を用いずに製造される(イオン交換処理などを行う前の)アルミノシリケートは比較的低コストで製造できることは自明であり、事業化等の観点で魅力的である。一方で、本発明者の検討によれば、前記アルミノシリケートの鋳型原料を用いずに得られたアルミノシリケートを用いて調製したアルミノチタノシリケートは、フェノール類を過酸化水素と反応させて芳香族ジヒドロキシ化合物を得る触媒としては、性能が十分とは言えない結果を得た。
【0010】
従って、本発明は、例えば前記の様な鋳型原料を用いずに得られる様なアルミノシリケートやSi/Alモル比が低めのアルミノシリケートを用いても、フェノール類と過酸化水素との反応により芳香族ジヒドロキシ化合物(例えばハイドロキノン)を製造する際に用いられる触媒として好適な変性アルミノシリケートの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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