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公開番号2024168415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085089
出願日2023-05-24
発明の名称酸化中和処理方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類C22B 23/00 20060101AFI20241128BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】塩素が水を酸化して塩酸および酸素を発生させる副反応がどの程度生じているか監視できる酸化中和処理方法を提供する。
【解決手段】酸化中和処理方法は、反応槽内の不純物を含む被処理水に、酸化剤として塩素ガスを吹き込み、中和剤を添加して、酸化中和反応により不純物を含む中和澱物を生成する酸化中和工程と、反応槽の環集ガスの酸素濃度および窒素濃度を測定する測定工程と、環集ガスの窒素濃度から求められる大気由来の酸素濃度を環集ガスの酸素濃度から差し引いて反応由来の酸素濃度を求め、反応由来の酸素濃度に環集ガスの物量を乗じて酸素発生量を求める酸素発生量推定工程とを有する。酸素発生量に基づき副反応がどの程度生じているか監視できる。また、酸素発生量が少なくなるように酸化中和工程の条件を調整することで、酸化剤および中和剤の消費量を低減でき、薬剤コストを抑制できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
反応槽内の不純物を含む被処理水に、酸化剤として塩素ガスを吹き込み、中和剤を添加して、酸化中和反応により前記不純物を含む中和澱物を生成する酸化中和工程と、
前記反応槽の環集ガスの酸素濃度および窒素濃度を測定する測定工程と、
前記環集ガスの前記窒素濃度から求められる大気由来の酸素濃度を前記環集ガスの前記酸素濃度から差し引いて反応由来の酸素濃度を求め、該反応由来の該酸素濃度に前記環集ガスの物量を乗じて酸素発生量を求める酸素発生量推定工程と、を備える
ことを特徴とする酸化中和処理方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記中和剤は炭酸塩であり、
前記測定工程において、前記環集ガスの前記窒素濃度は、前記環集ガスの前記酸素濃度および二酸化炭素濃度から特定される
ことを特徴とする請求項1記載の酸化中和処理方法。
【請求項3】
前記酸素発生量を指標として前記酸化中和工程の条件を調整する調整工程を備える
ことを特徴とする請求項1記載の酸化中和処理方法。
【請求項4】
前記被処理水は塩化ニッケル水溶液であり、
前記調整工程において、前記塩化ニッケル水溶液のニッケル濃度を調整する
ことを特徴とする請求項3記載の酸化中和処理方法。
【請求項5】
前記調整工程において、前記塩素ガスの吹き込み量を調整する
ことを特徴とする請求項3記載の酸化中和処理方法。
【請求項6】
前記被処理水は塩化ニッケル水溶液である
ことを特徴とする請求項1~3、5のいずれかに記載の酸化中和処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化中和処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、塩化ニッケル水溶液などの被処理水に含まれる不純物を酸化中和法により除去する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケルの湿式製錬プロセスでは、ニッケル硫化物を塩素浸出し、得られた塩化ニッケル水溶液から不純物を除去して、電解採取により電気ニッケルを回収することが行われる。塩化ニッケル水溶液から不純物を除去する方法として酸化中和法が知られている。例えば、特許文献1には、酸化中和法により塩化ニッケル水溶液に含まれる鉛などの不純物を除去することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-171972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塩化ニッケル水溶液に酸化剤として塩素ガスを吹き込み、中和剤として塩基性炭酸ニッケルを添加すると、次の主反応によりニッケル澱物が生成される。これと同時に、塩化ニッケル水溶液に含まれる鉛、マンガンなどの不純物が水酸化物または酸化物として沈澱する。これらの中和澱物を固液分離により除去すれば、清澄な塩化ニッケル水溶液が得られる。
(主反応)
3NiCl

+Cl

+(4/3)Ni

(CO

)(OH)

・4H


→Ni



(OH)

+4NiCl

+(4/3)CO

+6H


【0005】
しかし、酸化剤として塩素を用いた酸化中和処理においては、前記の主反応だけでなく、塩素が水を酸化して塩酸および酸素を発生させる次の副反応も生じることがある。
(副反応)
Cl

+H

O→2HCl+(1/2)O

【0006】
副反応により酸化剤である塩素が消費されるとともに、副反応により生じた塩酸が中和剤を消費する。すなわち、酸化剤および中和剤の一部が中和澱物の生成に寄与せず、薬剤ロスとなる。そのため、副反応は酸化剤および中和剤の消費量が増加する原因となり、薬剤コストの増加を招いている。
【0007】
そこで、副反応が抑制されるような操業条件を選択し、酸化剤および中和剤の消費量を低減することが考えられる。そのためには、副反応がどの程度生じているか監視する必要があるが、その方法は知られていない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、塩素が水を酸化して塩酸および酸素を発生させる副反応がどの程度生じているか監視できる酸化中和処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様の酸化中和処理方法は、反応槽内の不純物を含む被処理水に、酸化剤として塩素ガスを吹き込み、中和剤を添加して、酸化中和反応により前記不純物を含む中和澱物を生成する酸化中和工程と、前記反応槽の環集ガスの酸素濃度および窒素濃度を測定する測定工程と、前記環集ガスの前記窒素濃度から求められる大気由来の酸素濃度を前記環集ガスの前記酸素濃度から差し引いて反応由来の酸素濃度を求め、該反応由来の該酸素濃度に前記環集ガスの物量を乗じて酸素発生量を求める酸素発生量推定工程と、を備えることを特徴とする。
第2態様の酸化中和処理方法は、第1態様において、前記中和剤は炭酸塩であり、前記測定工程において、前記環集ガスの前記窒素濃度は、前記環集ガスの前記酸素濃度および二酸化炭素濃度から特定されることを特徴とする。
第3態様の酸化中和処理方法は、第1または第2態様において、前記酸素発生量を指標として前記酸化中和工程の条件を調整する調整工程を備えることを特徴とする。
第4態様の酸化中和処理方法は、第3態様において、前記被処理水は塩化ニッケル水溶液であり、前記調整工程において、前記塩化ニッケル水溶液のニッケル濃度を調整することを特徴とする。
第5態様の酸化中和処理方法は、第3または第4態様において、前記調整工程において、前記塩素ガスの吹き込み量を調整することを特徴とする。
第6態様の酸化中和処理方法は、第1~第3、第5態様のいずれかにおいて、前記被処理水は塩化ニッケル水溶液であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、酸素発生量に基づき、塩素が水を酸化して塩酸および酸素を発生させる副反応がどの程度生じているか監視できる。また、酸素発生量が少なくなるように酸化中和工程の条件を調整することで、酸化剤および中和剤の消費量を低減でき、薬剤コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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