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公開番号2024168232
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084725
出願日2023-05-23
発明の名称排気室、蒸気タービン及び排気室の改造方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F01D 25/30 20060101AFI20241128BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】低コストで蒸気の圧力損失を低減させて圧力回復量を大きくすることができる排気室を提供する。
【解決手段】軸線回りに回転するタービンロータの出口から軸線方向下流側に流出する蒸気を外部に導く排気室であって、排気ケーシング内における排気口側とは軸線を挟んで反対側の反排気側のみに設けられて、軸線を中心とした円弧状をなす軸線方向上流側の端部が内側ディフューザの外周面に接続されているとともに、軸線方向下流側に向かうに従って円弧が拡径するように延びる内貼り部材を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸線回りに回転するタービンロータの出口から軸線方向下流側に流出する蒸気を外部に導く排気室であって、
前記出口の外周縁部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径する外側ディフューザ、及び、前記出口の内周縁部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するとともに前記外側ディフューザとの間にディフューザ空間を区画する内側ディフューザを有するディフューザと、
前記内側ディフューザの前記軸線方向下流側の端部から径方向外側に向かって広がるように延びる端板、前記端板とともに前記ディフューザ空間を外周側から囲う排気空間を区画するとともに径方向外側の一方向に向かって開口する排気口が形成された外周板を有する排気ケーシングと、
前記排気ケーシング内における前記排気口側とは前記軸線を挟んで反対側に位置する反排気側のみに設けられて、前記軸線方向上流側の端部が前記内側ディフューザの外周面に接続されているとともに、前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するように延びる板状をなす内貼り部材と、
を備える排気室。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記内貼り部材の前記軸線方向下流側の端部が、前記端板に対して周方向にわたって接続されている請求項1に記載の排気室。
【請求項3】
前記内貼り部材の前記軸線方向下流側の端部が、前記端板に対して周方向にわたって隙間を介して離間して請求項1に記載の排気室。
【請求項4】
前記排気口は、下方に向かって開口しており、
前記排気ケーシングは、水平分割面を介して上半部と下半部とに分割可能とされている請求項1に記載の排気室。
【請求項5】
前記内貼り部材は、
前記軸線方向視で前記軸線から前記反排気側に向かう基準線を中心とした前記軸線の周方向の90°~180°の領域に設けられている請求項1に記載の排気室。
【請求項6】
前記内貼り部材は、
前記軸線方向視で前記軸線から前記反排気側に向かう基準線を中心とした前記軸線の周方向の120°~180°の範囲に設けられている請求項1に記載の排気室。
【請求項7】
前記内貼り部材は、
前記軸線方向視で前記軸線から前記反排気側に向かう基準線を中心とした前記軸線の周方向の150°~180°の範囲に設けられている請求項1に記載の排気室。
【請求項8】
前記内貼り部材の裏面を前記軸線方向下流側から支持する支持部材をさらに備える請求項1に記載の排気室。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の排気室と、
前記タービンロータを有する蒸気タービン本体と、
を備える蒸気タービン。
【請求項10】
軸線回りに回転するタービンロータの出口から軸線方向下流側に流出する蒸気を外部に導く排気室の改造方法であって
前記排気室は、
前記出口の外周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径する外側ディフューザ、及び、前記出口の内周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するとともに前記外側ディフューザとの間にディフューザ空間を区画する内側ディフューザを有するディフューザと、
前記内側ディフューザの前記軸線方向下流側の端部から軸線に直交する面に沿って径方向外側に向かって広がるように延びる端板、前記端板とともに前記ディフューザ空間を外外周側から囲う排気空間を画成するとともに径方向外側の一方向に向かって開口する排気口が形成された外周板を有する排気ケーシングと、
を備えており、
前記排気ケーシング内における前記排気口側とは前記軸線を挟んで反対側の反排気側のみに、前記軸線方向上流側の端部が前記内側ディフューザの外周面に接続されているとともに、前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するように延びる板状をなす内貼り部材を設ける追設工程を含む排気室の改造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、排気室、蒸気タービン及び排気室の改造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、排気室を有する蒸気タービンが開示されている。排気室は、タービンロータの最終動翼列から流出した蒸気を外部に導く役割を有している。
この排気室は、ディフューザ及び排気ケーシングを有する。ディフューザは、軸線に対して環状をなし、軸線方向下流側に向うに連れて次第に径方向外側に向かうディフューザ空間を形成する。ディフューザは、径方向外側の外側ディフューザ及び径方向外側の内側ディフューザによって構成されている。
ディフューザ空間内には、タービンロータの最終動翼列から流出した蒸気が流入する。排気ケーシングは、ディフューザに連通し、ディフューザの外周を軸線に対する周方向に広がって、ディフューザ空間から流入した蒸気を外部に導く排気空間を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-329148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気室内では、最終動翼列から流出した蒸気の圧力回復が図られる。この圧力回復量が大きいほど、最終動翼列から流出した直後の蒸気の圧力が低くなり、タービン効率が向上する。
また、近年火力発電プラントでは負荷変動吸収のためのフレキシブルな運転が求められている。このようなフレキシブルな運転を実行する場合、設計点での運転、つまり定格運転以外での部分負荷での運転を実行する必要がある。部分負荷での運転を実行すると、排気室内で剥離や逆流が発生し、排気室内で圧力損失が大きくなり、圧力回復量が低下する。
【0005】
さらに、圧力回復量の増大を図るために何等かの施工をする際には、低コストで実施できることが好ましい。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、低コストで蒸気の圧力損失を低減させて圧力回復量を大きくすることができる排気室、蒸気タービン、及び、蒸気タービンの改造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る排気室は、軸線回りに回転するタービンロータの出口から軸線方向下流側に流出する蒸気を外部に導く排気室であって、前記出口の外周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径する外側ディフューザ、及び、前記出口の内周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するとともに前記外側ディフューザとの間にディフューザ空間を区画する内側ディフューザを有するディフューザと、前記内側ディフューザの前記軸線方向下流側の端部から軸線に直交する面に沿って径方向外側に向かって広がるように延びる端板、前記端板とともに前記ディフューザ空間を外外周側から囲う排気空間を画成するとともに径方向外側の一方向に向かって開口する排気口が形成された外周板を有する排気ケーシングと、前記排気ケーシング内における前記排気口側とは前記軸線を挟んで反対側の反排気側のみに設けられて、前記軸線を中心とした円弧状をなす前記軸線方向上流側の端部が前記内側ディフューザの外周面に接続されているとともに、前記軸線方向下流側に向かうに従って前記円弧が拡径するように延びる内貼り部材と、を備える。
【0008】
本開示に係る蒸気タービンは、上記の排気室と、前記タービンロータを有する蒸気タービン本体と、を備える。
【0009】
本開示に係る排気室の改造方法は、軸線回りに回転するタービンロータの出口から軸線方向下流側に流出する蒸気を外部に導く排気室の改造方法であって前記排気室は、前記出口の外周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径する外側ディフューザ、及び、前記出口の内周部に連なる環状をなして前記軸線方向下流側に向かうに従って拡径するとともに前記外側ディフューザとの間にディフューザ空間を区画する内側ディフューザを有するディフューザと、前記内側ディフューザの前記軸線方向下流側の端部から径方向外側に向かって広がるように延びる端板、前記端板とともに前記ディフューザ空間を外外周側から囲う排気空間を画成するとともに径方向外側の一方向に向かって開口する排気口が形成された外周板を有する排気ケーシングと、
を備えており、前記排気ケーシング内における前記排気口側とは前記軸線を挟んで反対側の反排気側のみに、前記軸線を中心とした円弧状をなす前記軸線方向上流側の端部が前記内側ディフューザの外周面に接続されているとともに、前記軸線方向下流側に向かうに従って前記円弧が拡径するように延びる内貼り部材を設ける追設工程を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の排気室、蒸気タービン及び排気室の改造方法によれば、低コストで蒸気の圧力損失を低減させて圧力回復量を大きくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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