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公開番号2024167010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083517
出願日2023-05-19
発明の名称柱構造およびその構築方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人
主分類E04B 1/21 20060101AFI20241122BHJP(建築物)
要約【課題】基部の上に柱部材を建て込む際に、柱部材の鉛直性を確保しつつ安全に作業を進めることができる柱構造を提供すること。
【解決手段】建物の柱梁架構1は、床面2の上に第2柱部材10Bを建て込んで構築される。床面2には、上端部にスリーブ40が設けられ、第2柱部材10Bには、上端部に支圧板41が設けられるとともに、支圧板41から第2柱部材10Bの下端部に至る貫通孔43が形成される。第2柱部材10Bの貫通孔43内には、PC鋼材44が挿通されて、PC鋼材44の下端部は、床面2のスリーブ40に固定され、PC鋼材44の上端部は、ナット45で第2柱部材10Bの支圧板41に固定されるとともに、PC鋼材44には、引張力が導入されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート造の基部の上に鉄筋コンクリート造の柱部材を建て込んで構築された柱構造であって、
前記基部には、上端部に第1固定部が設けられ、
前記柱部材には、上端部に第2固定部が設けられるとともに、前記第2固定部から前記柱部材の下端部に至る貫通孔が形成され、
前記柱部材は、前記基部の上に配置されており、
前記柱部材の貫通孔内には、緊張材が挿通されて、前記緊張材の下端部は、前記第1固定部に固定され、前記緊張材の上端部は、前記第2固定部に固定されるとともに、前記緊張材には、引張力が導入されていることを特徴とする柱構造。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記柱部材は、上下方向に延びる下側柱部と、前記下側柱部の上に設けられて梁部材が接合される柱梁接合部と、前記柱梁接合部の上に設けられて上下方向に延びる上側柱部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の柱構造。
【請求項3】
鉄筋コンクリート造の基部の上に鉄筋コンクリート造の柱部材を建て込む柱構造の構築方法であって、
前記基部には、上端部に第1固定部が設けられ、
前記柱部材には、上端部に第2固定部が設けられるとともに、前記第2固定部から前記柱部材の下端部に至る貫通孔が形成され、
前記基部の上に前記柱部材を配置する第1工程と、
前記柱部材の貫通孔内に緊張材を挿入し、前記緊張材の下端部を前記第1固定部に固定する工程と、
前記緊張材を上方に引っ張って、前記緊張材の上端部を前記第2固定部に固定する工程と、を備えることを特徴とする柱構造の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基部の上に柱部材を建て込んで構築された柱構造、および、その柱構造の構築方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、アンボンドのプレストレストコンクリート柱が知られている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、アンボンドプレキャストプレストレストコンクリート柱は、鉛直方向に配置された複数のプレキャストコンクリート柱体と、アンボンド状態でプレキャストコンクリート柱体に挿通された緊張材と、プレキャストコンクリート柱体に埋設された組立筋と、を含み、組立筋は、プレキャストコンクリート柱体内においてコンクリートと付着しない未付着部を含む。
【0003】
特許文献2には、アンボンドPCaPC構造体は、柱状に成型された第1のコンクリート部材と第1のコンクリート部材にアンボンド状態で挿通され張力が印加された緊張材とを含む第1のアンボンドPCaPC柱体と、柱状に成型された第2のコンクリート部材と第2のコンクリート部材にアンボンド状態で挿通され張力が印加された緊張材とを含む第2のアンボンドPCaPC柱体と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-150677号公報
特開2021-156152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、基部の上に柱部材を建て込む際に、柱部材の鉛直性を確保しつつ安全に作業を進めることができるとともに、優れた耐震性を有する柱構造およびその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、1層以上の高さを有するプレキャストコンクリート造の柱部材を形成し、その柱部材の中心軸上にPC鋼材を配置して、そのPC鋼材の下端部を基部に設けた第1固定部に固定するとともに、PC鋼材の上端部を柱部材の第2固定部に固定することで、柱部材をアンボント状態でプレストレスが導入されたプレストレストコンクリート柱として自立させることができる点に着眼し、本発明に至った。
第1の発明の柱構造(例えば、後述の建物の柱梁架構1、1A)は、鉄筋コンクリート造の基部(例えば、後述の床面2、第1柱部材10A、第2柱部材10B、第3柱部材10C)の上に鉄筋コンクリート造の柱部材(例えば、後述の第1柱部材10A、第2柱部材10B、第3柱部材10C)を建て込んで構築された柱構造であって、前記基部には、上端部に第1固定部(例えば、後述のスリーブ40)が設けられ、前記柱部材には、上端部に第2固定部(例えば、後述の支圧板41)が設けられるとともに、前記第2固定部から前記柱部材の下端部に至る貫通孔(例えば、後述の貫通孔43)が形成され、前記柱部材は、前記基部の上に配置されており、前記柱部材の貫通孔内には、緊張材(例えば、後述のPC鋼材44)が挿通されて、前記緊張材の下端部は、前記第1固定部に固定され、前記緊張材の上端部は、前記第2固定部に固定されるとともに、前記緊張材には、引張力が導入されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、基部の上に柱部材を配置し、次に、この柱部材の貫通孔内に緊張材を挿入し、緊張材の下端部を第1固定部に固定して、この状態で、緊張材を上方に引っ張って、緊張材の上端部を第2固定部に固定する。これにより、柱部材は、アンボント状態でプレストレスが導入されたプレストレストコンクリート柱となり、基部上に鉛直性が確保された状態で自立する。また、このプレストレスが導入された柱部材は、プレストレスが導入されていない柱部材と比べて、優れた初期剛性および耐震性を有する。
よって、従来のように、柱部材を建て込んでから柱部材の柱主筋と基部の柱主筋とを接合するまでの期間、控え部材で柱部材の側面を仮支持しなくても、安全に作業を進めることができる。
また、柱部材を建て込んだ後、基部の柱主筋に柱部材の柱主筋を接合しなくても、直ちに、この柱部材に対して作業を行うことができるので、柱構造の工期を短縮できる。
【0008】
第2の発明の柱構造は、前記柱部材(例えば、後述の第2柱部材10B、第3柱部材10C)は、上下方向に延びる下側柱部(例えば、後述の下側柱部11)と、前記下側柱部の上に設けられて梁部材が接合される柱梁接合部(例えば、後述の柱梁接合部12)と、前記柱梁接合部の上に設けられて上下方向に延びる上側柱部(例えば、後述の上側柱部13)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、柱部材を、柱梁接合部を挟んで下側柱部および上側柱部を含む構成とした。つまり、1層を超える高さを1節とした。よって、1層毎に鉄筋コンクリート造の柱部材を接合する場合と比べて、工期を短縮できるうえに建設費用を低減できる。
【0010】
第3の発明の柱構造の構築方法は、鉄筋コンクリート造の基部(例えば、後述の床面2、第1柱部材10A、第2柱部材10B、第3柱部材10C)の上に鉄筋コンクリート造の柱部材(例えば、後述の第1柱部材10A、第2柱部材10B、第3柱部材10C)を建て込む柱構造の構築方法であって、前記基部には、上端部に第1固定部(例えば、後述のスリーブ40)が設けられ、前記柱部材には、上端部に第2固定部(例えば、後述の支圧板41)が設けられるとともに、前記第2固定部から前記柱部材の下端部に至る貫通孔(例えば、後述の貫通孔43)が形成され、前記基部の上に前記柱部材を配置する第1工程(例えば、後述のステップS1)と、前記柱部材の貫通孔内に緊張材(例えば、後述のPC鋼材44)を挿入し、前記緊張材の下端部を前記第1固定部に固定する工程(例えば、後述のステップS2)と、前記緊張材を上方に引っ張って、前記緊張材の上端部を前記第2固定部に固定する工程(例えば、後述のステップS3)と、を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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