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公開番号
2024166755
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083076
出願日
2023-05-19
発明の名称
電解反応装置および電解反応方法
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類
C25B
1/23 20210101AFI20241122BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】電解による含炭素化合物の取出効率を向上することができる電解反応装置および電解反応方法を提供する。
【解決手段】アノード12とカソード28との間に電圧を印加することによって、アルカリ金属イオン(M
+
)と炭酸イオン(CO
3
2-
)および炭酸水素イオン(HCO
3
-
)のうちの少なくとも1つとを含む第1含炭酸液中の炭酸イオン種を酸性化して二酸化炭素(CO
2
(g))とし、さらにその二酸化炭素(CO
2
(g))と水(H
2
O)とを還元して二酸化炭素還元物を生成する手段を有する電解反応装置であって、さらに、第1含炭酸液から二酸化炭素(CO
2
(g))を取り出してアルカリ液を生成するアルカリ液生成手段と、カソードにおいて炭酸イオン種の形で吸収された二酸化炭素(CO
2
)を再生する二酸化炭素再生手段と、を有する、電解反応装置1である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アノードとカソードとの間に電圧を印加することによって、アルカリ金属イオン(M
+
)と炭酸イオン(CO
3
2-
)および炭酸水素イオン(HCO
3
-
)のうちの少なくとも1つとを含む第1含炭酸液中の炭酸イオン種を酸性化して二酸化炭素(CO
2
(g))とし、さらにその二酸化炭素(CO
2
(g))と水(H
2
O)とを還元して二酸化炭素還元物を生成する手段を有する電解反応装置であって、
さらに、
前記第1含炭酸液から二酸化炭素(CO
2
(g))を取り出してアルカリ液を生成するアルカリ液生成手段と、
前記カソードにおいて炭酸イオン種の形で吸収された二酸化炭素(CO
2
)を再生する二酸化炭素再生手段と、
を有することを特徴とする電解反応装置。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電解反応装置であって、
アノード室と、
酸性化室と、
アルカリ性化室と、
二酸化炭素再生化室と、
カソード室と、
前記アノード室と前記酸性化室との間に、前記アノード室側から順に設けられた前記アノードと、第1カチオン交換膜と、
前記酸性化室と前記アルカリ性化室との間に設けられた第2カチオン交換膜と、
前記アルカリ性化室と前記二酸化炭素再生化室との間に設けられたバイポーラ膜と、
前記二酸化炭素再生化室と前記カソード室との間に、前記二酸化炭素再生化室側から順に設けられたアニオン交換膜と、前記カソードと、
第1気液分離器と、
第2気液分離器と、
を備え、
アノード反応物が前記アノード室に流入し、前記アノード室において前記アノード反応物の前記アノードによる酸化反応によって水素イオン(H
+
)が生成し、
前記第1含炭酸液が前記酸性化室に流入し、前記アノードまたは前記バイポーラ膜によって生成した水素イオン(H
+
)が前記酸性化室に供給され、前記酸性化室において前記第1含炭酸液中の炭酸イオン種が酸性化されて二酸化炭素(CO
2
)が生成し、
前記酸性化室で生成した二酸化炭素(CO
2
)を含む含二酸化炭素液が前記第2気液分離器に流入し、前記第2気液分離器において気液分離されて二酸化炭素(CO
2
(g))が取り出され、
前記第2気液分離器で取り出された二酸化炭素(CO
2
(g))を含む気体が前記カソード室に流入し、前記カソード室において前記二酸化炭素(CO
2
(g))を含む気体の前記カソードによる還元反応によって二酸化炭素還元物が生成し、
前記第2気液分離器で二酸化炭素(CO
2
)が気液分離された分離液が前記アルカリ性化室に流入し、前記第1含炭酸液に含まれる前記アルカリ金属イオン(M
+
)が前記アルカリ性化室に供給され、前記バイポーラ膜によって生成した水酸化物イオン(OH
-
)が前記アルカリ性化室に供給され、アルカリ(MOH)液が生成し、
前記カソード室で生成した水酸化物イオン(OH
-
)と二酸化炭素(CO
2
)との相互作用によって生成した炭酸イオン種が前記二酸化炭素再生化室に供給され、前記バイポーラ膜によって生成した水素イオン(H
+
)が前記二酸化炭素再生化室に供給され、前記二酸化炭素再生化室においてその炭酸イオン種が酸性化されて二酸化炭素(CO
2
)が再生し、
前記二酸化炭素再生化室で再生した二酸化炭素(CO
2
)を含む第2含炭酸液が前記第1気液分離器に流入し、前記第1気液分離器において気液分離されて二酸化炭素(CO
2
(g))が取り出され、
前記第1気液分離器で取り出された二酸化炭素(CO
2
(g))を含む気体が前記カソード室に流入することを特徴とする電解反応装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記バイポーラ膜と前記二酸化炭素再生化室との間に、前記バイポーラ膜側から順に、酸性化室と、第2カチオン交換膜と、アルカリ性化室と、アルカリ性化室と、バイポーラ膜と、を有する追加の透析領域をさらに備えることを特徴とする電解反応装置。
【請求項4】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記生成したアルカリ液に二酸化炭素(CO
2
)を補填して含炭酸液を生成する二酸化炭素補填器をさらに備えることを特徴とする電解反応装置。
【請求項5】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記アノードおよび前記第1カチオン交換膜は、前記第1カチオン交換膜にアノード触媒粒子を塗工した膜-電極接合体であることを特徴とする電解反応装置。
【請求項6】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記アノードと前記カソードとが対向する方向における前記酸性化室、前記アルカリ性化室、および前記二酸化炭素再生化室のそれぞれの厚みは、5mm以下であることを特徴とする電解反応装置。
【請求項7】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記酸性化室、前記アルカリ性化室、および前記二酸化炭素再生化室に空隙のあるスペーサが挿入されていることを特徴とする電解反応装置。
【請求項8】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記カソード室が加圧されることを特徴とする電解反応装置。
【請求項9】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記カソードは、電子伝導性およびガス拡散性を有する基材にナノ構造を有する金属触媒粒子を担持したカソード触媒シートであることを特徴とする電解反応装置。
【請求項10】
請求項2に記載の電解反応装置であって、
前記第1気液分離器で二酸化炭素(CO
2
)が気液分離された第2含炭酸液が前記二酸化炭素再生化室に循環供給され、
前記二酸化炭素再生化室に循環供給される第2含炭酸液は、作動時において二酸化炭素が飽和したアルカリ金属イオンを含む炭酸水素イオン水溶液であることを特徴とする電解反応装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解反応装置および電解反応方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
炭酸イオン種(炭酸イオン(CO
3
2-
)および炭酸水素イオン(HCO
3
-
))の直接電解(直接電気分解)による一酸化炭素(CO)を生成する技術が知られている(例えば、特許文献1~3および非特許文献1,2参照)。
【0003】
この技術における電解反応装置の構成は、例えば、カソード/カソード液/隔膜(バイポーラ膜、カチオン交換膜)/アノード液/アノードであり、電解反応装置に供給する電解液(カソード液)は、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンのうち少なくとも1つを含む水溶液である。カソード液として、特許文献1,2では、3M KHCO
3
水溶液を標準使用しており、特許文献3では、は2M KOH水溶液に100%CO
2
ガスをバブリングすることによって生成した水溶液(すなわち、2M CO
2
飽和KHCO
3
水溶液)を標準使用している。電解反応装置から排出される生成物は、水素(H
2
)と、二酸化炭素(CO
2
)および一酸化炭素(CO)のうちの少なくとも1つである。
【0004】
反応機構は、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンのうち少なくとも1つを含む水溶液をカソード室に流し、バイポーラ膜で隔てられたカソード-アノード間に電圧を印加することによって、(1)隔膜であるバイポーラ膜、カチオン交換膜からカソード室に対して水素イオン(H
+
)が供給され、(2)炭酸イオン、炭酸水素イオンがカソード近傍で中性の二酸化炭素分子に化学変換され、(3)この二酸化炭素分子が一酸化炭素等の二酸化炭素還元物に電気化学変換されるというものである。
【0005】
この技術では、1気圧100%二酸化炭素(CO
2
)と平衡状態にある2M CO
2
飽和KHCO
3
水溶液、または3M KHCO
3
水溶液を供給する条件において、高い含炭素化合物/H
2
物質量比(約10)を実現している。
【0006】
しかし、大気中の二酸化炭素と平衡状態にあるような低炭酸イオン種濃度条件(<0.5M)では、低い含炭素化合物/H
2
物質量比(<0.16)となる。これは、カソードにおいては、所望反応の前駆体COx(炭酸イオン種)よりも競合反応の前駆体H
2
Oの方がはるかに多く存在し、活量の高い状態にあるので、競合反応が優先的に進行するものと考えられる。
【0007】
したがって、大気中の二酸化炭素と平衡状態にあるような低炭酸イオン種濃度の電解液を供給する場合における、含炭素化合物/H
2
物質量比の向上が求められている。
【0008】
また、炭酸イオン種の電気透析による二酸化炭素(CO
2
)を生成する技術が知られている(例えば、特許文献4~12、非特許文献3~7参照)。
【0009】
この技術における電解反応装置の構成は、例えば、非特許文献6のFigure.3に示されている。この技術における電解反応装置に供給する電解液は、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンのうち少なくとも1つを含む水溶液や海水である。電解反応装置から排出される生成物は、水素(H
2
)、二酸化炭素(CO
2
)である。
【0010】
反応機構は、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンのうち少なくとも1つを含む水溶液を酸性化室に流し、カソード-アノード間に電圧を印加することによって、(1)カソードで水素(H
2
)が生成するとともに、(2)酸性化室で炭酸イオン種が中性二酸化炭素(CO
2
)に変換されるというものである。
(【0011】以降は省略されています)
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