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公開番号
2024166627
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023082834
出願日
2023-05-19
発明の名称
一軸多段遠心形流体機械
出願人
株式会社日立インダストリアルプロダクツ
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
F04D
29/44 20060101AFI20241122BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】信頼性の高い構成で定格流量運転と小流量運転とを切り替え可能で、圧縮機効率も改善する。
【解決手段】一軸多段遠心形流体機械は、回転軸と、複数の遠心羽根車と、ケーシングと、ケーシングに設けられ初段の遠心羽根車に流体を導入する導入ノズルと、最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出する吐出ノズルとを備える。前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、第2吸込流路は初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成として、前記導入ノズルに導入する流体を、第1吸込流路と第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
回転軸と、この回転軸に取付けられた複数の遠心羽根車と、これら複数の遠心羽根車を収容するケーシングと、このケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの初段の遠心羽根車に流体を導入するための導入ノズルと、前記ケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出するための吐出ノズルとを備えた一軸多段遠心形流体機械であって、
前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、定格流量より少ない小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、
前記第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、前記第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、
前記第2吸込流路は、前記初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成とし、
前記導入ノズルに導入する流体を、前記第1吸込流路と前記第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路は、前記第2吸込流路よりも少ない旋回成分の流れとして初段の前記遠心羽根車に流入させる構成としていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項3】
請求項2に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路は旋回成分を与えない流れとして初段の前記遠心羽根車に流入させることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項4】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路及び前記第2吸込流路は、それぞれ前記回転軸の周囲に環状に設けられ前記流体を周方向に回り込ませるための環状流路部と、前記環状流路部の内周側に設けられ前記環状流路部を通過した流れを半径方向内向きから前記回転軸の下流側方向へ転向させて初段の前記遠心羽根車に導くL字状ベンド流路部を備えている構成としている一軸多段遠心形流体機械。
【請求項5】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路のL字状ベンド流路部には、周方向に間隔をあけて環状に複数配置され、流れに旋回成分を与える固定流体ガイドを設けていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項6】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記切替え装置は、前記第1導入ノズルに流体を導く主配管と、この配管に設けられた第1の弁と、前記主配管における前記第1の弁の上流側から分岐して前記第2導入ノズルに流体を導く副配管と、この副配管に設けられた第2の弁を備えることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項7】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1導入ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2導入ノズルは、前記回転軸の方向からずれた方向に配置されると共に、前記第1導入ノズルに対し前記回転軸の回転方向に先行する方向の位置に配置されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項8】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項9】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、この環状流路と前記第2導入ノズルとの合流部から前記回転軸の円周方向に沿って徐々に流路断面積が狭くなる渦巻形の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項10】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の軸に多数の遠心羽根車が取り付けられた一軸多段遠心形流体機械に関し、特にそれらの吸込流路形状に関するものである。また、本発明は、特に一軸多段遠心圧縮機に好適なものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
各種プラントでは、プロセスガスを昇圧するため、一つの回転軸に複数枚の遠心羽根車を多段に設けた一軸多段遠心圧縮機が用いられている。この一軸多段遠心圧縮機は、吸込流路を形成する吸込ノズルからプロセスガスを吸入して環状流路部に導入した後、回転軸に多段に設けた遠心羽根車により順次圧縮、昇圧し、その後吐出ノズルから排出するように構成されている。
【0003】
このような一軸多段遠心圧縮機としては、特開2007-309154号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1記載の一軸多段遠心圧縮機では、初段羽根車の上流に、取り付け角が可変の可動式入口案内羽根を設置しており、一軸多段遠心圧縮機における上流側の第1グループの圧縮段の流量を、前記可動式入口案内羽根を制御することにより調整している。また、前記一軸多段遠心圧縮機の下流側の第2グループの圧縮段においては、羽根車に流入する流れに予旋回を与える予旋回手段を羽根車の上流側に設けている。この予旋回手段は、外部からガスを導入ノズルに導入する導入流路部と、この導入流路部の下流側であって周方向に間隔を置いて配置された複数の固定案内羽根を有する案内羽根流路部とにより構成され、導入流路部から案内羽根流路部を経た流れと、吸込みノズルから吸込まれたガスの流れとを混合して、前記第2グループの羽根車の吸込み流れに予旋回を付与して流量を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-309154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
設置する一軸多段遠心圧縮機に対し、プラントの種類によっては、定格吐出圧力を維持しつつ、定格流量運転と、定格流量よりも小さい流量での小流量運転とを、例えば毎日繰り返して切り替えることが要求される場合がある。この場合、定格流量運転時には圧縮機には予旋回なしの状態で作動流体を導入する一方、小流量での運転が要求される小流量運転時には圧縮機に予旋回を付与した状態で作動流体を導入する。この予旋回なしの状態での運転と予旋回ありの状態での運転とを日々切り替える必要がある。
【0006】
上述した特許文献1に記載の一軸多段遠心圧縮機では、初段羽根車の上流に、取り付け角が可変の可動式入口案内羽根を設置し、これを駆動させることで初段羽根車に予旋回を付与して、初段を含む上流側圧縮段の流量制御を可能としている。しかし、流量制御行うには入口案内羽根を繰り返し駆動させる必要があり、入口案内羽根を毎日繰り返し駆動させることにより、予旋回なしと予旋回ありの状態を切り替えている。このように可動式入口案内羽根の駆動頻度の高い運転を求められる場合でも、高い信頼性を確保することについて十分に考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1に記載の一軸多段遠心圧縮機では、外部からガスを導入する導入流路部と、この導入流路部の下流側であって周方向に間隔を置いて配置された複数の固定案内羽根を有する案内羽根流路部により構成された予旋回手段を任意の中間段の羽根車の上流側に設置している。一方、吸込ノズルから吸い込まれて初段羽根車を含む上流側圧縮段を通過した流れは、前記中間段の羽根車のすぐ上流側の戻り流路において、周方向に間隔を置いて配置された複数のリターンベーン(翼)を通過させて旋回成分が除去された作動流体の流れとしている。この旋回成分を除去した作動流体に、前記予旋回手段で予旋回を付与した流れを、前記中間段の羽根車の入口側で混合させることにより、可動式の案内羽根なしに中間段羽根車への流入流れの予旋回量を調整し、流量制御を行うようにしている。
【0008】
しかし、中間段の羽根車上流に予旋回手段を設けているので、流量制御はこの中間段羽根車より下流側の圧縮段でしか行えず、圧縮機全体での小流量運転ができない。また、前記リターンベーンで旋回成分が除去された流れと、予旋回手段により旋回成分が付与された流れとが、前記中間段の羽根車の入口において合流するので、この合流する際の混合損失が大きくなり、圧縮機効率が低下する課題もある。
【0009】
本発明の目的は、信頼性の高い構成で定格流量運転と定格流量よりも少ない小流量運転とを切り替えることが可能で、予旋回を付与する時でも圧縮機効率を改善することのできる一軸多段遠心形流体機械を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、回転軸と、この回転軸に取付けられた複数の遠心羽根車と、これら複数の遠心羽根車を収容するケーシングと、このケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの初段の遠心羽根車に流体を導入するための導入ノズルと、前記ケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出するための吐出ノズルとを備えた一軸多段遠心形流体機械であって、前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、定格流量より少ない小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、前記第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、前記第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、前記第2吸込流路は、前記初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成とし、前記導入ノズルに導入する流体を、前記第1吸込流路と前記第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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