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公開番号2024122618
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030274
出願日2023-02-28
発明の名称遠心圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04D 29/08 20060101AFI20240902BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】回転軸の振れを抑えつつも、シール性の向上を図ること。
【解決手段】遠心圧縮機10は、径路82を備えている。固定部材73は、径路衝突壁83を有している。第2インペラ43の背面43aと第2プレート16との間の空隙80から第2挿通孔26を通過した空気が径路82に流れ込む。径路82に流れ込んだ空気は径路衝突壁83に衝突する。これにより、空気の圧力が減圧されるため、第2インペラ43の背面43aと第2プレート16との間の空隙80から第2挿通孔26を介してモータ室S1内に空気が侵入してしまうことが抑制される。シール性の向上を図るために、溝77の数を増やす必要が無いため、溝77の数を増やすことによって第2挿通孔26の軸方向の長さが長くなってしまうといったことが無い。よって、回転軸41の軸方向の長さが長くなってしまうといったことが無く、回転軸41の振れが大きくなってしまうといった問題が回避される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮するインペラと、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有するハウジングと、
前記仕切壁における前記挿通孔を形成する孔形成面、及び前記回転軸における前記孔形成面と対向する対向面の少なくとも一方に形成されるとともに前記回転軸の軸方向に並んで配置される複数の溝と、を備え、
前記複数の溝は、前記インペラの背面と前記仕切壁との間の空隙からの前記挿通孔を介した前記モータ室への流体の洩れを減少させるラビリンスシールを構成している遠心圧縮機であって、
前記回転軸と共に一体回転する流路形成部材と前記仕切壁とで画定され、前記挿通孔に連通するとともに前記挿通孔に対して前記回転軸の径方向に延びることで前記モータ室に形成される径路を備え、
前記流路形成部材及び前記仕切壁の少なくとも一方は、前記挿通孔から前記径路に流れ込んだ流体の前記径方向への流れを衝突により堰き止めることで前記流体の流れの方向を変更する径路衝突壁を有していることを特徴とする遠心圧縮機。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記流路形成部材と前記仕切壁とで画定され、前記径路における前記挿通孔とは反対側の端部に連通するとともに前記回転軸の軸方向に延び、且つ、前記挿通孔と前記回転軸の径方向で重なる位置に配置される軸路を備え、
前記流路形成部材及び前記仕切壁の少なくとも一方は、前記径路から前記軸路に流れ込んだ流体の前記軸方向への流れを衝突により堰き止めることで前記流体の流れの方向を変更する空気が衝突する軸路衝突壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記径路には、前記径路衝突壁が前記回転軸の径方向に並んで複数配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記軸路には、前記軸路衝突壁が前記回転軸の軸方向に並んで複数配置されていることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記径路を流れた流体の流れが淀む径路淀み部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記軸路を流れた流体の流れが淀む軸路淀み部を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記モータは、前記回転軸と一体的に回転するモータロータを有し、
前記回転軸に固定されるレゾルバロータ、及び前記レゾルバロータを前記回転軸に固定する固定部材を有するとともに前記モータロータの回転角を検出するレゾルバを備え、
前記モータ室は、前記レゾルバを収容するレゾルバ室と、前記モータロータを収容するモータ収容室と、を含み、
前記仕切壁は、
前記インペラ室と前記レゾルバ室とを仕切る第1壁構成体と、
前記レゾルバ室と前記モータ収容室とを仕切る第2壁構成体と、を有し、
前記第1壁構成体には、前記挿通孔が形成されており、
前記第2壁構成体は、前記回転軸を回転可能に支持する軸受を保持する筒状の軸受保持部を有し、
前記軸受保持部の内側は、前記モータ収容室と前記レゾルバ室とを連通しており、
前記径路は、前記流路形成部材である前記固定部材と前記第1壁構成体とで画定されており、
前記固定部材は、前記径路衝突壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項8】
前記インペラは、
前記回転軸の第1端に連結される第1インペラと、
前記回転軸の第2端に連結されるとともに前記第1インペラの回転によって圧縮された後の流体を圧縮するために回転する第2インペラと、を含み、
前記インペラ室は、
前記第1インペラを収容する第1インペラ室と、
前記第2インペラを収容する第2インペラ室と、を含み、
前記仕切壁は、
前記第1インペラ室と前記モータ室とを仕切る第1仕切壁と、
前記第2インペラ室と前記モータ室とを仕切る第2仕切壁と、を含み、
前記挿通孔は、
前記第1仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第1挿通孔と、
前記第2仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第2挿通孔と、を含み、
前記複数の溝は、前記第2インペラの背面と前記第2仕切壁との間の空隙からの前記第2挿通孔を介した前記モータ室への流体の洩れを減少させるラビリンスシールを構成しており、
前記径路は、前記流路形成部材と前記第2仕切壁とで画定され、前記第2挿通孔に連通するとともに前記第2挿通孔に対して前記回転軸の径方向に延びており、
前記流路形成部材及び前記第2仕切壁の少なくとも一方は、前記径路衝突壁を有し、
前記径路衝突壁は、前記第2挿通孔から前記径路に流れ込んだ流体の前記径方向への流れを衝突により堰き止めることで前記流体の流れの方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、インペラと、を備えている。インペラは、回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮する。遠心圧縮機は、モータと、ハウジングと、を備えている。モータは、回転軸を回転させる。ハウジングは、インペラ室、モータ室、及び仕切壁を有している。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。仕切壁は、インペラ室とモータ室とを仕切る。仕切壁には、回転軸が挿通される挿通孔が形成されている。
【0003】
ところで、このような遠心圧縮機においては、インペラの背面と仕切壁との間の空隙に流体が流れ込む場合がある。すると、インペラの背面と仕切壁との間の空隙に流れ込んだ流体が、挿通孔を介してモータ室内に侵入してしまう虞がある。インペラの背面と仕切壁との間の空隙を流れる流体は、インペラの回転によって圧縮された空気であるため温度が高い。したがって、インペラの背面と仕切壁との間の空隙に流れ込んだ流体が、挿通孔を介してモータ室内に侵入してしまうと、モータ室内に侵入した流体によってモータが暖められてしまう。その結果、遠心圧縮機の耐久性が低下する。
【0004】
そこで、例えば特許文献1のように、仕切壁における挿通孔を形成する孔形成面、及び回転軸における孔形成面と対向する対向面の少なくとも一方に形成されるとともに回転軸の軸方向に並んで配置される複数の溝を備えている場合がある。複数の溝は、インペラの背面と仕切壁との間の空隙からの挿通孔を介したモータ室への流体の洩れを減少させるラビリンスシールを構成している。これによれば、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔を介してモータ室内に流体が侵入してしまうことが抑制されるため、モータが暖められてしまうことが抑制される。その結果、遠心圧縮機の耐久性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-72736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようなラビリンスシールのシール性を向上させるためには、ラビリンスシールを構成する溝の数を増やすことが考えられる。しかしながら、溝の数を増やすほど、挿通孔における回転軸の軸方向の長さが長くなる。その結果、回転軸の軸方向の長さも長くなるため、回転軸の振れが大きくなる要因となる。回転軸の振れが大きくなると、インペラがハウジングに干渉する等の不具合が生じる虞がある。したがって、回転軸の振れを抑えつつも、シール性の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮するインペラと、前記回転軸を回転させるモータと、前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有するハウジングと、前記仕切壁における前記挿通孔を形成する孔形成面、及び前記回転軸における前記孔形成面と対向する対向面の少なくとも一方に形成されるとともに前記回転軸の軸方向に並んで配置される複数の溝と、を備え、前記複数の溝は、前記インペラの背面と前記仕切壁との間の空隙からの前記挿通孔を介した前記モータ室への流体の洩れを減少させるラビリンスシールを構成している遠心圧縮機であって、前記回転軸と共に一体回転する流路形成部材と前記仕切壁とで画定され、前記挿通孔に連通するとともに前記挿通孔に対して前記回転軸の径方向に延びることで前記モータ室に形成される径路を備え、前記流路形成部材及び前記仕切壁の少なくとも一方は、前記挿通孔から前記径路に流れ込んだ流体の前記径方向への流れを衝突により堰き止めることで前記流体の流れの方向を変更する径路衝突壁を有している。
【0008】
これによれば、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔を通過した流体が、径路に流れ込む。そして、径路に流れ込んだ流体が径路衝突壁に衝突する。これにより、流体における回転軸の径方向への流れが堰き止められるとともに流体の流れの方向が変更される。よって、流体の圧力が減圧されるため、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔を介してモータ室内に流体が侵入してしまうことを抑制することができる。その結果、遠心圧縮機においてシール性の向上を図ることができる。
【0009】
また、シール性の向上を図るために、ラビリンスシールを構成する溝の数を増やす必要が無いため、溝の数を増やすことによって挿通孔における回転軸の軸方向の長さが長くなってしまうといったことが無い。よって、挿通孔における回転軸の軸方向の長さが長くなることによって、回転軸の軸方向の長さが長くなってしまうといったことが無く、回転軸の振れが大きくなってしまうといった問題を回避することができる。以上により、回転軸の振れを抑えつつも、シール性の向上を図ることができる。
【0010】
上記遠心圧縮機において、前記流路形成部材と前記仕切壁とで画定され、前記径路における前記挿通孔とは反対側の端部に連通するとともに前記回転軸の軸方向に延び、且つ、前記挿通孔と前記回転軸の径方向で重なる位置に配置される軸路を備え、前記流路形成部材及び前記仕切壁の少なくとも一方は、前記径路から前記軸路に流れ込んだ流体の前記軸方向への流れを衝突により堰き止めることで前記流体の流れの方向を変更する空気が衝突する軸路衝突壁を有しているとよい。
(【0011】以降は省略されています)

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