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公開番号
2024122145
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023029524
出願日
2023-02-28
発明の名称
遠心ポンプ
出願人
日機装株式会社
代理人
個人
主分類
F04D
1/08 20060101AFI20240902BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】遠心ポンプにおいて軸スラスト力の発生を抑制する。
【解決手段】本発明に係る遠心ポンプ1は、モータ3と、回転軸4と、第1インペラ6と、第2インペラ7と、第1インペラが収容される第1ポンプ室23と、第2インペラが収容される第2ポンプ室24と、回転軸が挿通される挿通孔21cを備えて第1ポンプ室と第2ポンプ室とを区画する中央隔壁部21と、を有してなる。第1インペラは、取扱液を第1方向側から吸い込む第1吸込口65と、中央隔壁部に対向する第1シュラウド62と、を備える。第2インペラは、取扱液を第2方向側から吸込む第2吸込口75と、中央隔壁部に対向する第2シュラウド72と、を備える。第1インペラと中央隔壁部との間には、挿通孔と連通する第1空間S11が形成される。第2インペラと中央隔壁部との間には、挿通孔と連通する第2空間S21が形成される。第2シュラウドの外径は、第1シュラウドの外径よりも大きい。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動により回転する回転軸と、
前記回転軸に取り付けられて、取扱液を吸込み、吐出する第1インペラと、
前記回転軸に取り付けられて、前記第1インペラから吐出された前記取扱液を吸込み、吐出する第2インペラと、
前記第1インペラが収容される第1ポンプ室と、
前記回転軸の軸方向において前記第1ポンプ室と並んで配置されて、前記第2インペラが収容される第2ポンプ室と、
前記回転軸が挿通される挿通孔を備えて、前記第1ポンプ室と前記第2ポンプ室とを区画する中央隔壁部と、
を有してなり、
前記軸方向において、前記第2インペラに対して前記第1インペラが配置されている方向が第1方向であり、前記第1方向の反対側の方向が第2方向であり、
前記第1インペラは、
前記第1方向に向けられて、前記取扱液を前記第1方向側から吸い込む第1吸込口と、
前記中央隔壁部に対向する第1シュラウドと、
を備えて、
前記第2インペラは、
前記第2方向に向けられて、前記第1インペラから吐出された前記取扱液を前記第2方向側から吸込む第2吸込口と、
前記中央隔壁部に対向する第2シュラウドと、
を備えて、
前記第1インペラと前記中央隔壁部との間には、前記挿通孔と連通する第1空間が形成されて、
前記第2インペラと前記中央隔壁部との間には、前記挿通孔と連通する第2空間が形成されて、
前記第2空間と前記第1空間とは、前記挿通孔を介して互いに連通して、
前記第2シュラウドの外径は、前記第1シュラウドの外径よりも大きい、
遠心ポンプ。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記第2インペラと前記第2ポンプ室とにより構成される第2ポンプ部に設定される比速度は、前記第1インペラと前記第1ポンプ室とにより構成される第1ポンプ部に設定される比速度よりも小さい、
請求項1に記載の遠心ポンプ。
【請求項3】
前記第1インペラに対して前記第1方向側に配置されて、前記中央隔壁部と共に前記第1ポンプ室を区画する第1隔壁部と、
前記第2インペラに対して前記第2方向側に配置されて、前記中央隔壁部と共に前記第2ポンプ室を区画する第2隔壁部と、
を有してなり、
前記第1インペラは、前記第1シュラウドに対して前記第1方向側に配置される第3シュラウド、を備えて、
前記第2インペラは、前記第2シュラウドに対して前記第2方向側に配置される第4シュラウド、を備えて、
前記第3シュラウドは、前記第1吸込口を構成する第1円筒部、を備えて、
前記第4シュラウドは、前記第2吸込口を構成する第2円筒部、を備えて、
前記第2隔壁部のうち前記第2円筒部に対向する部分と、前記第2円筒部と、の間の第2隙間は、前記第1隔壁部のうち前記第1円筒部に対向する部分と、前記第1円筒部と、の間の第1隙間よりも大きい、
請求項1に記載の遠心ポンプ。
【請求項4】
前記中央隔壁部は、前記第2空間に面して、前記第2空間を流れる前記取扱液の旋回成分を抑制するように構成される少なくとも1の凸部または凹部、を備える、
請求項1に記載の遠心ポンプ。
【請求項5】
前記第1シュラウドの前記外径および前記第2シュラウドの前記外径は、前記第1インペラおよび前記第2インペラが前記取扱液を吐出しているとき、前記回転軸を前記第1方向に向けて移動させるように作用する第1軸スラスト力と、前記回転軸を前記第2方向に向けて移動させるように作用する第2軸スラスト力と、が釣り合うように設定される、
請求項1に記載の遠心ポンプ。
【請求項6】
前記第2空間と前記挿通孔とは、前記第2インペラにより吐出された前記取扱液の一部が前記第1空間に流れるリターン流路を構成して、
前記回転軸が前記第1方向に向けて移動するにつれて前記リターン流路の一部を狭めて、前記回転軸が前記第2方向に向けて移動するにつれて前記一部を広めるように構成される可変オリフィス、を有してなる、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項7】
前記可変オリフィスは、
前記第2シュラウドから前記第1方向に向けて突出する突出部、および/または、
前記中央隔壁部から前記第2方向に向けて突出する突出部、
により構成される、
請求項6に記載の遠心ポンプ。
【請求項8】
前記突出部は、前記回転軸の周方向に沿うリング状で、
前記回転軸の径方向において、前記第2シュラウドの内縁部寄りに配置されて、および/または、
前記径方向において、前記中央隔壁部の内縁部寄りに配置される、
請求項7に記載の遠心ポンプ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心ポンプに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプは、モータ、回転軸、インペラ、および筐体を備える。インペラは、モータの動作により回転する回転軸に取り付けられて、回転軸の回転と共に回転することにより、回転軸の軸方向における一方向側から取扱液を吸込み、例えば、インペラの径方向の外方に取扱液を吐出する。インペラは、複数の羽根、正面シュラウド(側板)、および背面シュラウド(主板)を備える。軸方向において、正面シュラウドは羽根の一方向側を覆い、背面シュラウドは羽根の他方向側を覆う。インペラから吐出された高圧の取扱液の一部は、正面シュラウドと筐体との間、および、背面シュラウドと筐体との間にも流入して、正面シュラウドを背面シュラウド側に向けて押圧して、背面シュラウドを正面シュラウド側に押圧する。通常、背面シュラウドの受圧面積は、正面シュラウドの受圧面積よりも大きい。そのため、軸方向において、インペラには、インペラを一方向側に押す力(軸スラスト力)が作用している。
【0003】
遠心ポンプにおいて、吸込み性能を向上させつつ高揚程化を図るために、1の回転軸に取り付けられた複数のインペラにより取扱液を順次吐出する多段遠心ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。前述された軸スラスト力は、インペラの数(段数)に応じて大きくなる。そのため、多段遠心ポンプでは、複数のインペラが前段グループと後段グループとに分けられていて、前段グループが後段グループと背中合わせになるように回転軸に取り付けられている。前段グループのインペラの設計は、回転方向を除き、後段グループのインペラの設計と同一であるため、前段グループの軸スラスト力は後段グループの軸スラスト力と釣り合い、両軸スラスト力はキャンセルされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-21766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、前段グループと後段グループとの間に配置される隔壁と回転軸との間には、メカニカルシールが取り付けられている。そのため、後段グループの取扱液は、前段グループに流入しない。しかしながら、取扱液の粘度が低い場合、取扱液によるメカニカルシールの潤滑性能が低下するため、隔壁と回転軸との間にメカニカルシールを使用しない構成も採用され得る。後段グループを流れる取扱液の圧力は前段グループを流れる取扱液の圧力よりも高い。そのため、同構成では、後段グループの取扱液が隔壁と回転軸との間の隙間を介して前段グループに流入して、その流れにより前段グループの軸スラスト力が強まり、後段グループの軸スラスト力が弱まる。その結果、前段グループの吸込口側に向かう軸スラスト力が生じる。
【0006】
本発明は、多段遠心ポンプにおいて軸スラスト力の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様における遠心ポンプは、モータと、前記モータの駆動により回転する回転軸と、前記回転軸に取り付けられて、取扱液を吸込み、吐出する第1インペラと、前記回転軸に取り付けられて、前記第1インペラから吐出された前記取扱液を吸込み、吐出する第2インペラと、前記第1インペラが収容される第1ポンプ室と、前記回転軸の軸方向において前記第1ポンプ室と並んで配置されて、前記第2インペラが収容される第2ポンプ室と、前記回転軸が挿通される挿通孔を備えて、前記第1ポンプ室と前記第2ポンプ室とを区画する中央隔壁部と、を有してなり、前記軸方向において、前記第2インペラに対して前記第1インペラが配置されている方向が第1方向であり、前記第1方向の反対側の方向が第2方向であり、前記第1インペラは、前記第1方向に向けられて、前記取扱液を前記第1方向側から吸い込む第1吸込口と、前記中央隔壁部に対向する第1シュラウドと、を備えて、前記第2インペラは、前記第2方向に向けられて、前記第1インペラから吐出された前記取扱液を前記第2方向側から吸込む第2吸込口と、前記中央隔壁部に対向する第2シュラウドと、を備えて、前記第1インペラと前記中央隔壁部との間には、前記挿通孔と連通する第1空間が形成されて、前記第2インペラと前記中央隔壁部との間には、前記挿通孔と連通する第2空間が形成されて、前記第2空間と前記第1空間とは、前記挿通孔を介して互いに連通して、前記第2シュラウドの外径は、前記第1シュラウドの外径よりも大きい、遠心ポンプである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多段遠心ポンプにおいて軸スラスト力の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る遠心ポンプの実施の形態を示す模式断面図である。
図1の遠心ポンプの部分拡大断面図である。
図1の遠心ポンプが備える中央隔壁部の模式後面図である。
図1の遠心ポンプが備える第2インペラの模式前面図である。
(a)は、従来ポンプにおける軸スラスト力を説明する模式部分拡大断面図であり、(b)は、メカニカルシールを備えていない従来ポンプにおける軸スラスト力を説明する模式部分拡大断面図である。
図1の遠心ポンプにおける軸スラスト力に対する図4の第2インペラの影響を説明する模式部分拡大断面図である。
図1の遠心ポンプにおける軸スラスト力に対する、図1の遠心ポンプが備える第2固定オリフィスの影響を説明する模式部分拡大断面図である。
図1の遠心ポンプにおける軸スラスト力に対する、図4の第2インペラが備える凸部の影響を説明する模式部分拡大断面図であり、(a)は第1軸スラスト力と第2軸スラスト力とが釣り合っている状態を示していて、(b)は第1軸スラスト力が第2軸スラスト力よりも大きい状態を示していて、(c)は第1軸スラスト力が第2軸スラスト力よりも小さい状態を示している。
第1変形例に係る遠心ポンプの模式部分拡大断面図である。
(a)は第2変形例に係る遠心ポンプの模式部分拡大断面図であり、(b)は第3変形例に係る遠心ポンプの模式部分拡大断面図であり、(c)は第4変形例に係る遠心ポンプの模式部分拡大断面図である。
第5変形例に係る遠心ポンプを示す模式部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る遠心ポンプの実施の形態が、以下に説明される。以下の説明において、各図面は、適宜参照される。各図面において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に示されている比率に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)
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