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公開番号2024090664
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206704
出願日2022-12-23
発明の名称遠心圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04D 29/10 20060101AFI20240627BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】広範囲の運転範囲において、遠心圧縮機の運転効率の向上を図ること。
【解決手段】シールリング62が、第1凹部61内において、バネ63の付勢力に抗する洩れ空気から受ける圧力に応じて回転軸41の軸方向に移動し、回転軸41の径方向において第1対向面64又は第2対向面65に対向することで、シール間隔が変化する。例えば、洩れ空気の圧力が比較的小さい状態で遠心圧縮機10が運転している場合、シールリング62は、一対の第2対向面65の一方に対向する。例えば、洩れ空気の圧力が比較的大きい状態で遠心圧縮機10が運転している場合、シールリング62は、一対の第2対向面65の他方に対向する。洩れ空気の圧力が比較的小さくもなく、且つ、比較的大きくもない中間の圧力の状態で遠心圧縮機10が運転している場合、シールリング62は、第1対向面64に対向する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮するインペラと、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラによって圧縮された流体が吐出される吐出室を区画するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有する遠心圧縮機であって、
前記挿通孔と前記回転軸との間には、前記回転軸が挿通され、前記インペラの背面に洩れてきた洩れ流体をシールするシール機構が設けられ、
前記シール機構は、
前記回転軸及び前記挿通孔の一方に設けられるとともに他方に向けて開口する環状の第1凹部と、
前記第1凹部に設けられ、前記他方に向けて前記開口から突出する突出部を有し、前記回転軸の軸方向に移動可能に設けられる環状のシールリングと、
前記第1凹部に設けられ、前記シールリングを前記モータ室側から前記インペラ室側に向けて前記軸方向に付勢するバネと、
前記回転軸及び前記挿通孔の他方に設けられ、前記回転軸の径方向において前記シールリングとのシール間隔が所定間隔となるように対向する環状の第1対向面と、
前記第1対向面を間に挟んで前記モータ室側及び前記インペラ室側に設けられ、前記シール間隔が前記所定間隔よりも大きくなるように対向する環状の一対の第2対向面と、を有し、
前記軸方向において、前記シールリングの幅は、一対の前記第2対向面の各々の幅よりも小さく、
前記シール機構は、前記シールリングが、前記第1凹部内において、前記バネの付勢力に抗する前記洩れ流体から受ける圧力に応じて前記軸方向に移動され、前記径方向において前記第1対向面又は前記第2対向面に対向することで、前記シール間隔が変化されることを特徴とする遠心圧縮機。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記回転軸は、前記第1対向面と一対の前記第2対向面とを有する第2凹部を有し、
前記第1対向面は、前記第2対向面から突出する円環状の凸部の上面を構成し、
前記第2凹部は、前記軸方向に対して前記凸部を間に挟んで並ぶ低圧力用凹部と高圧力用凹部とを有し、
一対の前記第2対向面のうち、
一方の前記第2対向面は前記低圧力用凹部の底面を構成し、
他方の前記第2対向面は前記高圧力用凹部の底面を構成し、
前記バネの付勢力は、
前記圧力が第1所定圧力以下のときに前記径方向で前記低圧力用凹部と重なる位置に前記シールリングが配置され、
前記圧力が前記第1所定圧力よりも大きい第2所定圧力以上のときに前記径方向で前記高圧力用凹部と重なる位置に前記シールリングが配置され、
前記圧力が前記第1所定圧力よりも大きく、且つ、前記第2所定圧力よりも小さい第3所定圧力のときに前記挿通孔と前記回転軸との間が前記シールリング及び前記第1対向面によってシールされるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記第1対向面及び一対の前記第2対向面は、前記回転軸の外周面に形成されており、
前記第1凹部は、前記挿通孔の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記第2対向面には、前記シールリングに向けて前記径方向へ突出する突起が形成され、前記第2対向面に対する前記突起の突出高さは、前記第2対向面に対する前記凸部の突出高さよりも低いことを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、遠心圧縮機は、回転軸と、インペラと、を備えている。インペラは、回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮する。遠心圧縮機は、モータと、ハウジングと、を備えている。モータは、回転軸を回転させる。ハウジングは、インペラ室、モータ室、及び吐出室を区画する。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。吐出室には、インペラによって圧縮された流体が吐出される。ハウジングは、仕切壁を有している。仕切壁は、インペラ室とモータ室とを仕切る。仕切壁には、回転軸が挿通される挿通孔が形成されている。
【0003】
ところで、このような遠心圧縮機においては、インペラによって圧縮されて吐出室に吐出される流体の一部が、インペラの背面に洩れてくる場合がある。そして、インペラの背面に洩れてきた流体が、挿通孔を介してモータ室内へ洩れてしまう虞がある。その結果、遠心圧縮機において、流体の無駄な圧縮が増えることになるため、運転効率が低下する要因となる。そこで、挿通孔と回転軸との間をシールするシールリングを備えた遠心圧縮機が知られている。これによれば、挿通孔を介してモータ室内へ流体が洩れてしまうことがシールリングによって抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-155696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転軸が回転することに伴い、シールリングと回転軸との間では摺動抵抗が生じる。シールリングと回転軸との間で生じる摺動抵抗は、遠心圧縮機の動力損失となる。遠心圧縮機の動力損失は、遠心圧縮機の運転効率が低下する要因となる。
【0006】
ここで、例えば、インペラの背面に洩れてきた洩れ流体の圧力が比較的小さい状態で遠心圧縮機が運転している場合を考える。この場合、挿通孔を介してモータ室内へ流体が洩れたとしても、遠心圧縮機の運転効率はさほど低下しない。したがって、洩れ流体の圧力が比較的小さい状態では、挿通孔と回転軸との間をシールリングによってシールする必要が無いにもかかわらず、シールリングと回転軸との間で摺動抵抗が生じることにより、遠心圧縮機の動力損失が生じてしまう。
【0007】
一方で、例えば、インペラの背面に洩れてきた洩れ流体の圧力が比較的大きい状態で遠心圧縮機が運転している場合を考える。この場合、挿通孔を介してモータ室内へ流体が洩れてしまうと、遠心圧縮機の運転効率が低下する。したがって、挿通孔と回転軸との間をシールリングによってシールする必要がある。しかしながら、洩れ流体の圧力が比較的大きい状態で遠心圧縮機が運転している場合は、回転軸の回転数が高いため、シールリングと回転軸との間で生じる摺動抵抗が比較的大きくなる。したがって、遠心圧縮機の動力損失が比較的大きくなる。ここで、シールリングと回転軸との間での摺動抵抗に伴う遠心圧縮機の動力損失による運転効率の低下は、挿通孔を介したモータ室内への流体の洩れによる運転効率の低下に比較して影響が大きい。したがって、洩れ流体の圧力が比較的大きい状態では、挿通孔と回転軸との間をシールするシールリングが無いほうが、遠心圧縮機の運転効率の面で有利である。
【0008】
さらには、インペラの背面に洩れてきた洩れ流体の圧力が比較的小さくもなく、且つ、比較的大きくもない中間の圧力の状態で遠心圧縮機が運転している場合を考える。この場合、シールリングと回転軸との間での摺動抵抗に伴う遠心圧縮機の動力損失による運転効率の低下は、挿通孔を介したモータ室内への流体の洩れによる運転効率の低下に比較して影響が小さい。したがって、洩れ流体の圧力が比較的小さくもなく、且つ、比較的大きくもない中間の圧力の状態では、挿通孔を介したモータ室内への流体の洩れを抑制することが望まれている。このように、広範囲の運転範囲において、遠心圧縮機の運転効率の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸と一体的に回転することで流体を圧縮するインペラと、前記回転軸を回転させるモータと、前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラによって圧縮された流体が吐出される吐出室を区画するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有する遠心圧縮機であって、前記挿通孔と前記回転軸との間には、前記回転軸が挿通され、前記インペラの背面に洩れてきた洩れ流体をシールするシール機構が設けられ、前記シール機構は、前記回転軸及び前記挿通孔の一方に設けられるとともに他方に向けて開口する環状の第1凹部と、前記第1凹部に設けられ、前記他方に向けて前記開口から突出する突出部を有し、前記回転軸の軸方向に移動可能に設けられる環状のシールリングと、前記第1凹部に設けられ、前記シールリングを前記モータ室側から前記インペラ室側に向けて前記軸方向に付勢するバネと、前記回転軸及び前記挿通孔の他方に設けられ、前記回転軸の径方向において前記シールリングとのシール間隔が所定間隔となるように対向する環状の第1対向面と、前記第1対向面を間に挟んで前記モータ室側及び前記インペラ室側に設けられ、前記シール間隔が前記所定間隔よりも大きくなるように対向する環状の一対の第2対向面と、を有し、前記軸方向において、前記シールリングの幅は、一対の前記第2対向面の各々の幅よりも小さく、前記シール機構は、前記シールリングが、前記第1凹部内において、前記バネの付勢力に抗する前記洩れ流体から受ける圧力に応じて前記軸方向に移動され、前記径方向において前記第1対向面又は前記第2対向面に対向することで、前記シール間隔が変化される。
【0010】
これによれば、シールリングが、第1凹部内において、バネの付勢力に抗する洩れ流体から受ける圧力に応じて回転軸の軸方向に移動し、回転軸の径方向において第1対向面又は第2対向面に対向することで、シール間隔が変化する。したがって、例えば、洩れ流体の圧力が比較的小さい状態で遠心圧縮機が運転している場合、シールリングは、一対の第2対向面の一方に対向する。よって、シールリングと回転軸との間で摺動抵抗が生じてしまうことが低減されるため、遠心圧縮機の動力損失を抑制することができる。また、例えば、洩れ流体の圧力が比較的大きい状態で遠心圧縮機が運転している場合、シールリングは、一対の第2対向面の他方に対向する。よって、シールリングと回転軸との間で摺動抵抗が生じてしまうことが低減されるため、遠心圧縮機の動力損失を抑制することができる。さらに、例えば、洩れ流体の圧力が比較的小さくもなく、且つ、比較的大きくもない中間の圧力の状態で遠心圧縮機が運転している場合、シールリングは、第1対向面に対向する。よって、洩れ流体が挿通孔を介してモータ室内へ洩れてしまうことが抑制される。以上により、広範囲の運転範囲において、遠心圧縮機の運転効率の向上を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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