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公開番号2024165894
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082472
出願日2023-05-18
発明の名称放射線モニタおよび放射線の測定方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G01T 1/20 20060101AFI20241121BHJP(測定;試験)
要約【課題】放射線検出素子または光ケーブルが劣化した際、放射線検出素子の劣化程度を判断可能な放射線モニタおよび放射線の測定方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ式放射線モニタ100は、放射線または光の入射により発光する放射線検出素子11aを有する放射線検出部11と、放射線検出部11から光を伝送する測定用光ファイバ10と、校正時に用いられて、放射線検出部11から光を伝送する校正用光ファイバ20と、測定用光ファイバ10または校正用光ファイバ20を伝送した光信号の強度に応じて電気信号を出力する光検出部15と、電気信号を解析して放射線量に換算する解析・校正装置16と、換算された放射線量を表示する表示装置17と、を備え、表示装置17は、測定用光ファイバ10を接続して測定された放射線量と、校正用光ファイバ20を接続して測定された放射線量と、を比較して表示し、放射線検出部11の劣化程度を確認させる。
特許請求の範囲【請求項1】
放射線および光に感度を有し、放射線または光の入射により発光する放射線検出素子を有する放射線検出部と、
測定時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する測定用光ファイバと、
校正時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する校正用光ファイバと、
前記測定用光ファイバまたは前記校正用光ファイバを伝送した光信号の強度に応じて電気信号を出力する光検出部と、
前記電気信号を解析して放射線量に換算する解析部と、
換算された前記放射線量を表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、
前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、を比較して表示し、前記放射線検出部の劣化程度を確認させる
ことを特徴とする放射線モニタ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記表示部は、
劣化していないことが既知である前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、劣化していないことが既知である前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、を比較して表示し、前記測定用光ファイバの劣化程度を確認させる
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項3】
前記放射線検出部にレーザ光を照射するレーザ装置を備え、
前記表示部は、
前記校正用光ファイバを用いてあらかじめ測定して、劣化していないことが既知である前記放射線検出部に前記レーザ光を照射したときに測定された前記放射線量と、劣化程度が分からない前記放射線検出部に前記レーザ光を照射したときに測定された前記放射線量と、を比較して表示し、前記放射線検出部の劣化程度を確認させる
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項4】
前記解析部は、
前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、に基づいて前記放射線検出部を校正する補正定数を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項5】
前記解析部は、
前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続し、所定強度の前記レーザ光を照射したときに測定された前記電気信号のパルスの計数率と、前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続し、所定強度と同一の強度の前記レーザ光を照射したときに測定された前記電気信号のパルスの計数率との比較に基づいて前記測定用光ファイバの劣化程度を測定する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線モニタ。
【請求項6】
前記解析部は、
前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続し、所定強度の前記レーザ光を照射したときに測定された前記電気信号のパルスの計数率と、前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続し、所定強度と同一の強度の前記レーザ光を照射したときに測定された前記電気信号のパルスの計数率と、に基づいて前記測定用光ファイバを校正する補正定数を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線モニタ。
【請求項7】
放射線および光に感度を有し、放射線または光の入射により発光する放射線検出素子を有する放射線検出部と、
測定時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する測定用光ファイバと、
校正時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する校正用光ファイバと、
前記測定用光ファイバまたは前記校正用光ファイバを伝送した光信号の強度に応じて電気信号を出力する光検出部と、
前記電気信号を解析して放射線量に換算する解析部と、
換算された前記放射線量を表示する表示部と、を有する放射線モニタの放射線の測定方法であって、
前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、を比較して表示し、前記放射線検出部の劣化程度を確認させる
ことを特徴とする放射線の測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線モニタおよび放射線の測定方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
放射線モニタは、原子力発電プラントなど放射性同位元素を使用する環境において、必須の計測装置である。原子力発電プラントの過酷環境下で放射線量を計測する場合、放射線検出部設置場所の制約などから、検出部(検知部)の小型化や電圧印加が不要な検出部とすることが重要である。
原子力発電プラントの過酷環境下で放射線量を計測する場合に使用する放射線モニタには、高信頼の計測が要求されるため、放射線検出部の経年劣化等を考慮した補正をするため定期的な校正が必要である。
【0003】
小型で電圧印加が不要な放射線モニタとして、光信号を使用した光ファイバ式放射線モニタが知られている。光ファイバ式放射線モニタは、過酷環境での使用を想定している。
【0004】
特許文献1には、所定の波長の光を発生する放射線検出素子を有する放射線検知部と、所定の波長と相違する波長の光を発生する発光部と、所定の波長の光を透過させ、所定の波長の光と相違する波長の光を遮断する波長選択部と、光を伝送する光ファイバと、波長選択部を透過した光を電気パルスに変換する光検出部と、電気パルスの計数率を計数する計数装置と、計数率と発光部の光の強度に基づいて、少なくとも発光部の劣化の有無を判定する解析表示装置と、を有する放射線モニタが記載されている。
【0005】
特許文献2には、入射する放射線の放射線量に依存するフォトンを発生する放射線検知部と、フォトンを伝送する光ファイバと、フォトンを電気信号に変換する光電変換器と、光電変換器が変換する電気信号を計数し、電気信号の計数値を出力する計数装置と、放射線検知部に、光ファイバを介して、レーザ光を照射する発光部と、発光部が照射するレーザ光のレーザ光照射タイミングを制御し、レーザ光照射タイミング信号を出力する発光タイミング制御部と、レーザ光照射タイミング信号と電気信号の計数値とに基づいて、補正データを作成し、電気信号の計数値と補正データとに基づいて補正処理を実施し、放射線量または放射線の線量率を算出する補正装置と、放射線量または放射線の線量率を表示する表示装置とを有する光ファイバ式放射線モニタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-36204号公報
特開2021-156583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2のような手法では、放射線検出素子や光ファイバの劣化程度を反映した補正は困難である。このため、長期間の放射線照射により検出素子や光ファイバが劣化した場合には、当該の機器を劣化していない新品に交換する必要があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、放射線検出素子または光ケーブルが劣化した際、放射線検出素子の劣化程度を判断可能な放射線モニタおよび放射線の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、一観点に係る放射線モニタは、放射線および光に感度を有し、放射線または光の入射により発光する放射線検出素子を有する放射線検出部と、測定時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する測定用光ファイバと、校正時に用いられて、前記放射線検出部から光を伝送する校正用光ファイバと、前記測定用光ファイバまたは前記校正用光ファイバを伝送した光信号の強度に応じて電気信号を出力する光検出部と、前記電気信号を解析して放射線量に換算する解析部と、換算された前記放射線量を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記放射線検出部に前記測定用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、前記放射線検出部に前記校正用光ファイバを接続して測定された前記放射線量と、を比較して表示し、前記放射線検出部の劣化程度を確認させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放射線検出素子または光ケーブルが劣化した際、放射線検出素子の劣化程度を判断することができる。放射線検出素子の劣化程度に合わせて校正をすることで継続して使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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