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公開番号2024161775
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2023076796
出願日2023-05-08
発明の名称製氷機
出願人ホシザキ株式会社
代理人個人,個人
主分類F25C 1/25 20180101AFI20241113BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】製氷水タンクに貯留されている製氷水を効果的に殺菌することができる製氷機を提供する。
【解決手段】製氷部13に対して、製氷水が貯留される製氷水タンク15が閉成位置と開放位置との間で傾動するよう構成される。製氷運転に際して閉成位置に位置付けられた製氷水タンク15に貯留されている製氷水を製氷部13に供給し、該製氷部13に氷が生成される。製氷水タンク15に、タンク内に向けて紫外線を照射する殺菌手段32が配設される。殺菌手段32は、開放位置に移動した製氷水タンク15に貯留されている製氷残水(製氷水)の水面全体に紫外線を照射可能な位置に配設される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷凍機構によって冷却される製氷部および製氷水が貯留される製氷水タンクを備え、製氷運転時に前記製氷水タンクと製氷部との間で製氷水を循環して該製氷部に氷を生成する製氷機であって、
前記製氷水タンク内に向けて紫外線を照射し、該製氷水タンクに貯留されている製氷水を殺菌可能な殺菌手段を備え、
該殺菌手段は、前記製氷水タンクに下限水位で貯留されている製氷水の水面全体に紫外線を照射可能な位置に配設した
ことを特徴とする製氷機。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記製氷部および製氷水タンクが、箱体に内部画成した収容室に配置され、
前記製氷水タンク内から吸い込んだ空気を前記収容室に吹き出す送風手段を備え、
前記殺菌手段は、前記製氷水タンクに貯留されている製氷水の増減に応じてタンク内の製氷水または空気を殺菌可能に構成され、
前記製氷運転中は、前記送風手段の作動を停止するよう構成した請求項1記載の製氷機。
【請求項3】
前記製氷部および製氷水タンクが、箱体に内部画成した収容室に配置され、
前記製氷水タンク内から吸い込んだ空気を前記収容室に吹き出す送風手段を備え、
前記殺菌手段は、前記製氷水タンクに貯留されている製氷水の増減に応じてタンク内の製氷水または空気を殺菌可能に構成した請求項1記載の製氷機。
【請求項4】
前記殺菌手段は、前記製氷水タンクに紫外線透過性を有する樹脂シール材を介して水密的に配設した請求項1記載の製氷機。
【請求項5】
前記製氷部には、下方に開口する製氷小室が形成され、該製氷小室を閉成する閉成位置および開放する開放位置に移動する水皿に前記製氷水タンクが一体的に配設され、
前記殺菌手段は、前記水皿の閉成位置で前記製氷水タンクに貯留されている製氷水の下限水位より下方に配設した請求項1記載の製氷機。
【請求項6】
前記製氷水タンクは、前記製氷部に対して接離可能に構成され、
前記殺菌手段による前記製氷水タンクに貯留されている製氷水の殺菌中に、製氷水タンクを製氷部に対して接離するよう動作させるよう構成した請求項1記載の製氷機。
【請求項7】
前記製氷水タンクと製氷部との間で製氷水を循環する循環ポンプを備え、
前記殺菌手段による前記製氷水タンクに貯留されている製氷水の殺菌中に、前記循環ポンプを作動して製氷水を循環するよう構成した請求項1記載の製氷機。
【請求項8】
前記殺菌手段の入力電圧を監視して異常を判定する異常判定手段を備えた請求項1~7の何れか一項に記載の製氷機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、製氷水タンクに貯留した製氷水を、製氷水タンクと製氷部との間で循環して該製氷部に氷を生成する製氷機に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
多量の氷を製造し得る製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房において好適に使用されている。製氷機としては、下向きに開口する多数の製氷小室に製氷水を下方から噴射供給して、該製氷小室に氷を生成する噴射式の製氷機構を備えたものがある。製氷機の概略構成を説明すれば、箱体内に水平に配置した製氷部に、下方に開口する製氷小室が碁盤目状に多数画成されると共に、該製氷部の上面には、冷凍機構を構成する蒸発器が密着的に蛇行配置される。また製氷部の下方には、支軸を介して水皿が傾動可能に枢支されると共に、該水皿の下部には外部水道源から供給される製氷水を貯留する製氷水タンクが一体的に設けられている。このように構成された製氷機では、製氷運転において水皿を製氷部に接近した閉成位置に保持したもとで、製氷水タンクに貯留した製氷水を、冷凍機構により冷却される製氷部に循環ポンプで供給して該製氷部で氷を生成し、製氷部で氷結しなかった製氷水を製氷水タンクに回収して再循環する。そして、製氷部に氷が生成されて除氷運転に移行すると、水皿を製氷部から離間した開放位置に移動すると共に製氷部を加熱し、該製氷部から離脱した氷を、水皿を介して貯氷庫に貯留するようになっている。
【0003】
前記製氷機において、清潔な氷を製造するため、前記製氷水タンクに紫外線照射器を配設し、該紫外線照射器から照射される紫外線によって、製氷水タンクに貯留されている製氷水を殺菌するよう構成した製氷機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-20561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記製氷機では、前記貯氷庫内に氷が満杯になると、水皿を開放位置に保持したもとで、製氷運転と除氷運転とを交互に行う製氷サイクルを停止している。除氷運転に移行する前の製氷運転の終期における製氷水タンク内に残留している製氷水の水位は、製氷水タンクに設けたオーバーフローパイプ等によって規定される下限水位付近となっている。
【0006】
ここで、紫外線による殺菌効果は、紫外線の照度と照射時間の積で求められるドーズ量(積算照射量)に依存する。また、照度は、光源から照射面までの距離の2乗で減衰する。しかし、特許文献1に開示の製氷機は、製氷水タンクに対する紫外線照射器の配設位置は、ドーズ量に影響する照度の減衰を考慮したものではなく、製氷水タンク内において下限水位付近まで減少した製氷水に対する紫外線による殺菌効果は限定的であった。このため、製氷運転から除氷運転に移行した後に製氷サイクルを停止した製氷水タンクに残留している製氷水の殺菌が不十分となり、製氷サイクルの停止期間が長くなると雑菌が繁殖するおそれが高まる難点がある。
【0007】
本発明は、前述した従来技術に内在する前記課題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、製氷水タンクに貯留されている製氷水を効果的に殺菌することができる製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る製氷機は、
冷凍機構(37)によって冷却される製氷部(13)および製氷水が貯留される製氷水タンク(15)を備え、製氷運転時に前記製氷水タンク(15)と製氷部(13)との間で製氷水を循環して該製氷部(13)に氷を生成する製氷機であって、
前記製氷水タンク(15)内に向けて紫外線を照射し、該製氷水タンク(15)に貯留されている製氷水を殺菌可能な殺菌手段(32)を備え、
該殺菌手段(32)は、前記製氷水タンク(15)に下限水位(L2)で貯留されている製氷水の水面全体に紫外線を照射可能な位置に配設したことを要旨とする。
請求項1の発明では、製氷水タンクに貯留されている製氷水の水位が下限水位になった場合に、該製氷水の水面全体に紫外線を照射可能な位置に殺菌手段を配設したので、タンク内の製氷水を紫外線によって効果的に殺菌することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、
前記製氷部(13)および製氷水タンク(15)が、箱体(10)に内部画成した収容室(11)に配置され、
前記製氷水タンク(15)内から吸い込んだ空気を前記収容室(11)に吹き出す送風手段(35)を備え、
前記殺菌手段(32)は、前記製氷水タンク(15)に貯留されている製氷水の増減に応じてタンク内の製氷水または空気を殺菌可能に構成され、
前記製氷運転中は、前記送風手段(35)の作動を停止するよう構成したことを要旨とする。
請求項2の発明では、氷を生成するために冷却されている製氷部によって収容室が雑菌の繁殖し難い雰囲気となっている製氷運転中は、送風手段の作動を停止するよう構成したので、該送風手段の過剰な作動を防いで使用寿命を延ばすことができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、
前記製氷部(13)および製氷水タンク(15)が、箱体(10)に内部画成した収容室(11)に配置され、
前記製氷水タンク(15)内から吸い込んだ空気を前記収容室(11)に吹き出す送風手段(35)を備え、
前記殺菌手段(32)は、前記製氷水タンク(15)に貯留されている製氷水の増減に応じてタンク内の製氷水または空気を殺菌可能に構成したことを要旨とする。
請求項3の発明では、製氷水タンク内に向けて紫外線を照射する単一の殺菌手段によって、製氷水タンクに貯留される製氷水を殺菌できると共に、該紫外線で殺菌されたタンク内の空気を収容室に循環して収容室内に配置されている製氷部や製氷水タンクを殺菌することができ、構成が簡単になると共に製造コストを抑えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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