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公開番号2024160768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076093
出願日2023-05-02
発明の名称水処理設備及び水処理方法
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/70 20230101AFI20241108BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】触媒金属担持樹脂から触媒金属が超純水中へ溶出することを防ぐ、水処理設備及び水処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備える過酸化水素処理装置であって、前記過酸化水素除去手段は、アニオン交換樹脂の担体に白金族金属触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填された樹脂塔を備えており、該樹脂塔内におけるカチオン交換樹脂の充填量が層高30cm以上分である過酸化水素処理装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水中の過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備える過酸化水素処理装置であって、
前記過酸化水素除去手段は、アニオン交換樹脂の担体に白金族金属触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填された樹脂塔を備えており、該樹脂塔内におけるカチオン交換樹脂の充填量が層高30cm以上分である過酸化水素処理装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記樹脂塔において、前記被処理水の通水方向に、前記触媒金属担持樹脂、前記カチオン交換樹脂の順に積層されて充填されている請求項1に記載の過酸化水素処理装置。
【請求項3】
前記樹脂塔において、前記被処理水の通水方向に、前記カチオン交換樹脂、前記触媒金属担持樹脂、前記カチオン交換樹脂の順に積層されて充填されている請求項1に記載の過酸化水素処理装置。
【請求項4】
前記樹脂塔において、前記触媒金属担持樹脂と前記カチオン交換樹脂が混合されて充填されている請求項1に記載の過酸化水素処理装置。
【請求項5】
担体である前記アニオン交換樹脂のR-OHが60%であり、かつ触媒金属の担持量は、10mg-触媒/L-R~500mg-触媒/L-Rの範囲である請求項1に記載の過酸化水素処理装置。
【請求項6】
前記触媒金属担持樹脂がゲル形である請求項1に記載の過酸化水素処理装置。
【請求項7】
一次純水システム及び二次純水製造システムを備えた水処理設備であって、
前記二次純水製造システムは、請求項1~6のいずれか1項に記載された過酸化水素処理装置と、
前記過酸化水素処理装置の前段に設けられた紫外線酸化装置と、を有し、
前記過酸化水素処理装置で処理される過酸化水素含有水が、前記紫外線酸化装置で処理された処理水である、水処理設備。
【請求項8】
過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備える過酸化水素処理装置により被処理水中の過酸化水素を処理する過酸化水素処理方法であって、
前記過酸化水素除去手段は、アニオン交換樹脂の担体に白金族金属触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填された樹脂塔を備えており、該樹脂塔内におけるカチオン交換樹脂の充填量が層高30cm以上分である過酸化水素処理方法。
【請求項9】
前記樹脂塔の前段で前記被処理水に水素を添加する、請求項8に記載の過酸化水素処理方法。
【請求項10】
一次純水システム及び二次純水製造システムの順序で被処理水を処理することを特徴とする水処理方法であって、
前記二次純水製造システムは、請求項1~6のいずれか1項に記載された過酸化水素処理装置と、
前記過酸化水素処理装置の前段に設けられた紫外線酸化装置と、を有し、
前記過酸化水素処理装置で処理される過酸化水素含有水が、前記紫外線酸化装置で処理された処理水である、水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理設備及び水処理方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
被処理水中の有機物を除去する方法として、紫外線酸化装置で被処理水に紫外線を照射する方法があるが、紫外線が被処理水に照射される際に過酸化水素等の過酸化物が発生することが知られている。この過酸化物を除去する方法として、触媒金属担持樹脂を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-194402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、触媒金属担持樹脂とアニオン交換樹脂とを同一塔内に充填すること、触媒金属担持樹脂とアニオン交換樹脂以外にカチオン交換樹脂を含んでもよいことが記載されている。
しかし、触媒金属担持樹脂に通水すると触媒金属が溶出し得る。触媒金属はカチオン交換樹脂に吸着されるため、カチオン交換樹脂が充填されていない、又は充填量が不十分である場合、触媒金属が超純水中に溶出する。
本発明は、処理水中に溶出した触媒金属を除去/低減することができる水処理設備及び水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被処理水中の過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備える過酸化水素処理装置であって、
前記過酸化水素除去手段は、アニオン交換樹脂の担体に白金族金属触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填された樹脂塔を備えており、該樹脂塔内におけるカチオン交換樹脂の充填量が30cm以上分である過酸化水素処理装置を提供する。
本発明は、前処理システム、一次純水システム及び二次純水製造システムを備えた水処理設備であって、
前記二次純水製造システムは、請求項1~6のいずれか1項に記載された過酸化水素処理装置と、
前記過酸化水素処理装置の前段に設けられた紫外線酸化装置と、を有し、
前記過酸化水素処理装置で処理される過酸化水素含有水が、前記紫外線酸化装置で処理された処理水である、水処理設備を提供する。
また本発明は、過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備える過酸化水素処理装置により被処理水中の過酸化水素を処理する過酸化水素処理方法であって、
前記過酸化水素除去手段は、アニオン交換樹脂の担体に白金族金属触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填された樹脂塔を備えており、該樹脂塔内におけるカチオン交換樹脂の充填量が層高30cm以上分である過酸化水素処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、処理水中に溶出した触媒金属を除去/低減することができる水処理設備及び水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態に係る水処理設備の概略構成図である。
図2は、集水管、ストレーナのいずれも有さない樹脂塔の積層形態の一実施形態を示す概略構成図である。
図3は、集水管を有する樹脂塔の積層形態の一実施形態を示す概略構成図である。
図4は、ストレーナを有する樹脂塔の積層形態の一実施形態を示す概略構成図である。
図5は、実施例1及び2並びに比較例1における各カラム出口水中の触媒金属濃度を示すグラフである。
図6は、参考例1において、触媒金属担持樹脂(担体樹脂)のR-OH(%)とH



の分解効率との関係性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の過酸化水素処理装置は、その前段に設けられた紫外線酸化装置により処理された過酸化水素含有水を、被処理水として処理する。
過酸化水素処理装置は、過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を備えている。過酸化水素除去手段には、樹脂塔が配置され、配置された樹脂塔に、アニオン交換樹脂の担体に白金族触媒が担持された触媒金属担持樹脂と、カチオン交換樹脂とが充填されている。
触媒金属担持樹脂とカチオン交換樹脂とが同一の樹脂塔に充填されていることにより、触媒金属担持樹脂から溶出した触媒金属がカチオン交換樹脂に付着され、処理水中に溶出した触媒金属を除去/低減することができる。
【0009】
触媒金属担持樹脂とカチオン交換樹脂とは、同一の樹脂塔に充填されていればよく、その際の充填形態は、特に制限されない。
積層は、触媒金属担持樹脂と一種以上のカチオン交換樹脂とを一塔内に充填して通水する際に、当該触媒金属担持樹脂と一種以上のカチオン交換樹脂とを混合状態で用いずに積層状態で用いることを言う。本明細書では、被処理水の流れ方向において触媒金属担持樹脂とカチオン交換樹脂をこの順で積層して充填した状態を「積層」とし、被処理水の流れ方向においてカチオン交換樹脂、触媒金属担持樹脂及びカチオン交換樹脂をこの順で積層して充填した状態を「複層」とする。
また「混床」は、カチオン交換樹脂と触媒金属担持樹脂を混合状態で充填した状態をいう。
【0010】
触媒金属担持樹脂とカチオン交換樹脂とを、同一の樹脂塔に充填する際、カチオン交換樹脂は充填量が層高30cm以上分となるよう充填する。
カチオン交換樹脂の充填量が層高30cm以上分となるよう充填するとは、触媒金属担持樹脂とカチオン交換樹脂とが積層して充填されている場合は、カチオン交換樹脂の高さが30cm以上ということを意味する。また、カチオン交換樹脂、触媒金属担持樹脂及びカチオン交換樹脂をこの順で積層して充填した場合(つまり、複層の場合)は、触媒金属担持樹脂の下流側にあるカチオン交換樹脂の高さが30cm以上ということを意味する。また、カチオン交換樹脂と触媒金属担持樹脂とを混合して充填した場合(つまり、混床の場合)は、カチオン交換樹脂のみを樹脂塔に充填した場合のカチオン交換樹脂の高さが30cm以上ということを意味する。
層高は、通水方向に対して水平方向の被処理水の処理に寄与する樹脂の積層高さである。
(【0011】以降は省略されています)

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