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公開番号
2024160738
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-15
出願番号
2023075983
出願日
2023-05-02
発明の名称
炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法、炭酸ガス吸収装置、および炭酸ガス吸収材の再生方法
出願人
国立大学法人埼玉大学
代理人
個人
,
個人
主分類
B01J
20/04 20060101AFI20241108BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】
炭酸ガスの吸収率が良好であり、かつ400℃以下の低温で使用後の吸収材の再生を可能とする炭酸ガス吸収材、当該炭酸ガス吸収材を用いた炭酸ガス吸収方法および炭酸ガス吸収装置、並びに炭酸ガス吸収材の再生方法を提案する。
【解決手段】
炭酸ガス吸収材は、下記式(1)Na
A
Ti
B
M
C
O
D
で表される複合金属酸化物(但し、式(1)中、5≦A≦11、4≦B≦6、0≦C≦2、10.5≦D≦17.5であり、Mは任意の金属である)を含有し、および/または、炭酸ガス吸収材は、ナトリウム、チタン、酸素を含む複合金属酸化物を含有し、複合金属酸化物は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θが、12.049°±0.5°および12.616°±0.5°にそれぞれピークを示し、かつ39.110°±0.5°から41.007°±0.5°までの範囲に1つまたは2つのピークを示す。上記炭酸ガス吸収材は、炭酸ガス吸収方法および炭酸ガス吸収装置に用いられ、また使用後の炭酸ガス吸収材を400℃以下の温度で加熱することにより再生される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される複合金属酸化物(但し、式(1)中、5≦A≦11、4≦B≦6、0≦C≦2、10.5≦D≦17.5であり、Mは任意の金属である)を含有することを特徴とする炭酸ガス吸収材。
[式1]
Na
A
Ti
B
M
C
O
D
・・・・・(1)
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
ナトリウム、チタン、酸素を含む複合金属酸化物を含有し、
前記複合金属酸化物は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、
回折角2θが、12.049°±0.5°および12.616°±0.5°の範囲それぞれにピークを示し、かつ39.110°±0.5°から41.007°±0.5°までの範囲に1つまたは2つのピークを示すことを特徴とする炭酸ガス吸収材。
【請求項3】
前記複合金属酸化物の空隙率が39.0%以上である請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収材。
【請求項4】
前記複合金属酸化物がNa
8
Ti
5
O
14
を含む請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収材。
【請求項5】
請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収材を反応容器に収納する収納工程と、
前記反応容器に炭酸ガス含有気体を導入して当該炭酸ガス含有気体を前記複合金属酸化物と接触させて反応させる反応工程と、
前記反応工程を経た気体を前記反応容器から排出する排出工程と、を備える炭酸ガス吸収方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収材を収納する収納部と、
前記収納部に炭酸ガス含有気体を流入させる気体流入口と、
前記収納部から外部に気体を排出する気体排出口と
を備えることを特徴とする炭酸ガス吸収装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収材の再生方法であって、
炭酸ガス吸収反応後の反応生成物を、
空気または不活性ガスまたは真空下で400℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭酸ガス吸収材再生方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合金属酸化物を用いた炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法、炭酸ガス吸収装置、および炭酸ガス吸収材の再生方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、温室効果ガスの削減といった社会的課題を鑑み、炭酸ガス含有気体から炭酸ガスを回収する技術の実用化が提案されている。たとえば、アミン液体等の有機系吸収液を用いた炭酸ガスの吸収技術は、気体との反応性がよく、工場等で実用の例がある。しかし、アミン液体は人体への有害性等の問題がある上、液体であるため、容器等の閉鎖空間に充填されることが必須となり、使用態様が限定されるという問題があった。
また近年、過去に排出された大気中の二酸化炭素(炭酸ガス)の削減(ビヨンド・ゼロ)を可能とする革新的技術が求められているが、従来の炭酸ガス吸収材は大気中の濃度の希薄な炭酸ガスを効率よく吸収できるものではなかった。
【0003】
そこで本発明者は、無機系の吸収材の開発に取り組み、α-ナトリウムフェライト類を用いた炭酸ガス吸収材(以下、従来技術1ともいう)に関する技術を先に提案した(下記特許文献1)。ナトリウムフェライトは、安全性に優れるとともに炭酸ガスの吸収率が高い上、粉末として扱えるため種々の使用態様に適応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-3156
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、炭酸ガスを吸収したα-ナトリウムフェライト類を、再度、炭酸ガス吸収材として使用するためには、400℃超の高温加熱により再生反応を行う必要があり、熱効率の点で課題を有していた。
【0006】
本発明は上述する背景を鑑みなされたものであり、具体的には、炭酸ガスの吸収率が良好であり、かつ400℃以下の低温で使用後の炭酸ガス吸収材の再生を可能とする炭酸ガス吸収材、当該炭酸ガス吸収材を用いた炭酸ガス吸収方法および炭酸ガス吸収装置、並びに炭酸ガス吸収材の再生方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の炭酸ガス吸収材は、下記式(1)で表される複合金属酸化物(但し、式(1)中、5≦A≦11、4≦B≦6、0≦C≦2、10.5≦D≦17.5であり、Mは任意の金属である)を含有することを特徴とする。
[式1]
Na
A
Ti
B
M
C
O
D
・・・・・(1)
【0008】
本発明の第二の炭酸ガス吸収材は、ナトリウム、チタン、酸素を含む複合金属酸化物を含有し、上記複合金属酸化物は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θが、12.049°±0.5°および12.616°±0.5°の範囲それぞれにピークを示し、かつ39.110°±0.5°から41.007°±0.5°までの範囲に1つまたは2つのピークを示すことを特徴とする。
【0009】
本発明の炭酸ガス吸収方法は、本発明の炭酸ガス吸収材を反応容器に収納する収納工程と、上記反応容器に炭酸ガス含有気体を導入して当該炭酸ガス含有気体を上記複合金属酸化物と接触させて反応させる反応工程と、上記反応工程を経た気体を上記反応容器から排出する排出工程と、を備える。
【0010】
本発明の炭酸ガス吸収装置は、本発明の炭酸ガス吸収材を収納する収納部と、上記収納部に炭酸ガス含有気体を流入させる気体流入口と、上記収納部から外部に気体を排出する気体排出口とを備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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