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公開番号
2024160307
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-13
出願番号
2024130823,2023541523
出願日
2024-08-07,2023-03-24
発明の名称
エポキシ樹脂、その硬化体及びエポキシ樹脂の製造方法
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08G
59/06 20060101AFI20241106BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】バイオマスから得ることができる化合物でありながらも、容易に製造でき、かつ熱的性能も良好なエポキシ樹脂、及びその製造方法を提供する
【解決手段】以下の式(1)で表される骨格を有するエポキシ樹脂。
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R
4
及びR
5
は、水素、アルコキシ基、-OGであり、Gはグリシジル基を表す。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の式(1)で表される骨格を有するエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000024.jpg
68
53
なお、式(1)において、R
4
及びR
5
はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、及び-OGのいずれかである。*は他の構造との結合部位となってもよい。Gはグリシジル基を表す。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
以下の式(1-1)で表される構造を有する請求項1に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000025.jpg
68
134
なお、式(1-1)において、R
1
及びR
3
は、それぞれ独立にヘテロ原子を有してもよい炭素数1~20の1価の炭化水素基、若しくはグリシジル基であり、R
2
はヘテロ原子を有してもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基である。各ベンゼン環においてそれぞれ独立に、R
4
及びR
5
のうち一方が水素原子であり、他方が水素原子、-OCH
3
、及び-OGのいずれかである。nは0~100の整数である。
【請求項3】
以下の式(1-2)で表される構造を有する請求項1に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000026.jpg
68
134
なお、式(1-2)において、R
1
及びR
3
は、それぞれ独立にヘテロ原子を有してもよい炭素数1~20の1価の炭化水素基、若しくはグリシジル基であり、R
2
はヘテロ原子を有してもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基である。nは0~100の整数である。
【請求項4】
R
1
及びR
3
がグリシジル基であり、nが0である請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂。
【請求項5】
R
1
及びR
3
が炭素数1~6のアルキル基であり、nが0である請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂。
【請求項6】
R
1
及びR
3
がメチル基である請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂。
【請求項7】
以下の式(1-3)で表される構造を有する請求項1に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000027.jpg
68
57
式(1-3)の各ベンゼン環において、それぞれ独立にR
4
及びR
5
のうち一方が水素原子であり、他方が水素原子、-OCH
3
、及び-OGのいずれかである。また、R
6
が水素原子、-COOG、及び-COOR
1
のいずれかであり、R
7
が水素原子、-COOG、及び-COOR
3
のいずれかである。R
1
及びR
3
はアルキル基である。
【請求項8】
式(1)で表される骨格が、バイオマス由来である、請求項1~3、及び7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
【請求項9】
請求項1~3、及び7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂を硬化させて得られた硬化体。
【請求項10】
以下の式(2)に示す骨格を有する化合物と、エピハロヒドリンを反応させてエポキシ樹脂を得る、エポキシ樹脂の製造方法。
JPEG
2024160307000028.jpg
68
53
なお、式(2)において、R
14
及びR
15
はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、及び-OHのいずれかである。*は他の構造との結合部位となってもよい。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルキシル酸エステル構造を有するエポキシ樹脂、及びその硬化体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
石油は、限りある資源であること、また、二酸化炭素の排出などの地球規模の環境問題が生じることから、代替資源の利用が近年求められている。石油の代替資源としては、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスを利用した樹脂としては、ポリ乳酸やポリヒドロキシ酪酸が商業化しており、特にEUを中心とした需要拡大に生産量を増加している。
【0003】
バイオマスとしては、取扱い性の観点などから可食性のバイオマスが主に利用されているが、可食性のバイオマスは食物としての利用と競合するため非可食性のバイオマスを利用することが求められつつあり、様々な研究がなされている。例えば、非特許文献1では、リグニンの解重合等により得ることが可能なフェルラ酸を用いて得られる二官能のエポキシ樹脂が、従来のビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも高いガラス転移温度と優れた引張強度を示すことが開示されており、さらにフルフリルアルコールのグリシジルエーテルを複合化させることで性能が向上することが示されている。
【0004】
また、近年、微生物により有価物を生産することも検討されつつあり、例えば、p-クマル酸などのヒドロキシケイ皮酸構造を有する化合物をL-チロシンなどのバイオマス由来の化合物から微生物を使用して合成することが知られている。一般的に微生物反応は、高効率の反応でありながら、温和な環境で実施できる。
【0005】
微生物により合成可能な化合物は、樹脂製造に利用することも検討されている。例えば、特許文献1では、p-ヒドロキシケイ皮酸にエピクロルヒドリンを反応させてエポキシ樹脂を合成し、得られたエポキシ樹脂をグリシジルフルフリルエーテルとともに、硬化剤により硬化することで、高いガラス転移温度、及び優れた機械強度を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国公開公報112409298号
【非特許文献】
【0007】
Jiale Ye et al. “High-performance bio-based epoxies from ferulic acid and furfuryl alcohol: synthesis and properties”, Green Chem., 2021,23, 1772-1781
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、リグニンなどの非可食性のバイオマス由来の成分は分解性が低いことから、原料となる化合物を効率よく得ることが難しく、エポキシ樹脂を合成するためのプロセスが複雑になりやすい。また、バイオマスから得られる化合物は、一般的に石油化学品由来の重合物に比べると性能が劣るという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、バイオマスから得ることができる化合物でありながらも、容易に製造でき、かつ熱的性能も良好なエポキシ樹脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、微生物による生産が容易なパラクマル酸の二量体であるジヒドロキシトルキシル酸から得られるエポキシ樹脂が上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成させた。本発明は、以下の[1]~[13]を提供する。
[1]以下の式(1)で表される骨格を有するエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000001.jpg
68
53
なお、式(1)において、R
4
及びR
5
はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、及び-OGのいずれかである。*は他の構造との結合部位となってもよい。Gはグリシジル基を表す。
[2]以下の式(1-1)で表される構造を有する上記[1]に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000002.jpg
68
134
なお、式(1-1)において、R
1
及びR
3
は、それぞれ独立にヘテロ原子を有してもよい炭素数1~20の1価の炭化水素基、若しくはグリシジル基であり、R
2
はヘテロ原子を有してもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基である。各ベンゼン環においてそれぞれ独立に、R
4
及びR
5
のうち一方が水素原子であり、他方が水素原子、-OCH
3
、及び-OGのいずれかである。nは0~100の整数である。
[3]以下の式(1-2)で表される構造を有する上記[1]に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000003.jpg
68
134
なお、式(1-2)において、R
1
及びR
3
は、それぞれ独立にヘテロ原子を有してもよい炭素数1~20の1価の炭化水素基、若しくはグリシジル基であり、R
2
はヘテロ原子を有してもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基である。nは0~100の整数である。
[4]R
1
及びR
3
がグリシジル基であり、nが0である上記[2]又は[3]に記載のエポキシ樹脂。
[5]R
1
及びR
3
が炭素数1~6のアルキル基であり、nが0である上記[2]又は[3]に記載のエポキシ樹脂。
[6]R
1
及びR
3
がメチル基である上記[2]又は[3]に記載のエポキシ樹脂。
[7]以下の式(1-3)で表される構造を有する上記[1]に記載のエポキシ樹脂。
JPEG
2024160307000004.jpg
68
57
式(1-3)の各ベンゼン環において、それぞれ独立にR
4
及びR
5
のうち一方が水素原子であり、他方が水素原子、-OCH
3
、及び-OGのいずれかである。また、R
6
が水素原子、-COOG、及び-COOR
1
のいずれかであり、R
7
が水素原子、-COOG、及び-COOR
3
のいずれかである。R
1
及びR
3
はアルキル基である。
[8]式(1)で表される骨格が、バイオマス由来である、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
[9]上記[1]~[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂を硬化させて得られた硬化体。
[10]以下の式(2)に示す骨格を有する化合物と、エピハロヒドリンを反応させてエポキシ樹脂を得る、エポキシ樹脂の製造方法。
JPEG
2024160307000005.jpg
68
53
なお、式(2)において、R
14
及びR
15
はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、及び-OHのいずれかである。*は他の構造との結合部位となってもよい。
[11]以下の式(2-1)に示す化合物と、エピハロヒドリンを反応させてエポキシ樹脂を得る、上記[10]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
JPEG
2024160307000006.jpg
68
136
上記式(2-1)において、R
11
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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