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公開番号2024158789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074310
出願日2023-04-28
発明の名称小型電動車両の動力伝達装置
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人日誠国際特許事務所
主分類F16H 1/06 20060101AFI20241031BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】クラッチ機構が切断された状態で小型電動車両の走行速度が上昇する場合に、制動力を発生させて走行速度の上昇を抑制できる小型電動車両の動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】動力伝達装置22において、スライド軸31は、クラッチ接続位置61からクラッチ切断位置62に移動するときに、カウンタギヤ30Aと遠心ブレーキ41の両方に接続された状態を経てクラッチ切断位置62に移動し、クラッチ切断位置62からクラッチ接続位置61に移動するときに、カウンタギヤ30Aと遠心ブレーキ41の両方に接続された状態を経てクラッチ接続位置61に移動する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
電動機から動力が伝達される入力軸と、
出力軸を有し、駆動輪に動力を伝達する差動装置と、
前記入力軸と前記出力軸との間に設けられたカウンタ軸と、前記カウンタ軸に設けられ、前記入力軸に設けられた入力ギヤに噛み合うカウンタギヤとを有し、前記電動機の動力を前記出力軸に減速して伝達する減速機構と、
前記電動機と前記駆動輪との間で動力の伝達を断続するクラッチ機構とを備えた電動車両の動力伝達装置であって、
前記カウンタ軸に、前記カウンタ軸の回転に連動して回転し、前記カウンタ軸が高回転速度になると、前記カウンタ軸の回転の抵抗となる制動力を発生するブレーキ機構が設けられており、
前記クラッチ機構は、前記カウンタ軸の軸方向に移動自在に設けられた移動部材を有し、
前記移動部材は、
前記カウンタ軸の軸方向の一方側のクラッチ接続位置に移動したときに、前記カウンタ軸と前記カウンタギヤとを接続し、前記カウンタ軸の軸方向の他方側のクラッチ切断位置に移動したときに、前記カウンタ軸と前記カウンタギヤを切り離して前記カウンタ軸と前記ブレーキ機構を接続し、
前記クラッチ接続位置から前記クラッチ切断位置に移動するときに、前記カウンタギヤと前記ブレーキ機構との両方に接続された状態を経て前記クラッチ切断位置に移動し、前記クラッチ切断位置から前記クラッチ接続位置に移動するときに、前記カウンタギヤと前記ブレーキ機構との両方に接続された状態を経て前記クラッチ接続位置に移動することを特徴とする小型電動車両の動力伝達装置。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記移動部材は、
前記移動部材の軸方向の一端部から径方向外方に突出し、前記カウンタギヤの内周部に形成されたカウンタギヤ側係合部と係合して前記カウンタギヤと一体的に回転する第1の係合部と、
前記移動部材の軸方向の他端部から前記カウンタ軸の軸方向に突出し、前記ブレーキ機構の軸方向の端部に設けられたブレーキ側係合部に係合して前記ブレーキ機構と一体的に回転する第2の係合部とを有することを特徴とする請求項1に記載の小型電動車両の動力伝達装置。
【請求項3】
前記移動部材の軸方向の他端部に、前記第1の係合部よりも径方向外方に突出するフランジ部が設けられており、
前記第2の係合部は、前記第1の係合部よりも径方向外方に位置するように前記フランジ部に設けられており、
前記第2の係合部は、前記第1の係合部よりも大きい形状に形成され、かつ、前記第1の係合部よりも個数が少ないことを特徴とする請求項2に記載の小型電動車両の動力伝達装置。
【請求項4】
前記ブレーキ機構は、前記カウンタ軸の周囲に同軸に配置されて前記ブレーキ機構の回転中心となる円筒部を有し、
前記ブレーキ側係合部は、前記円筒部の径方向の外方に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の小型電動車両の動力伝達装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、小型電動車両の動力伝達装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から高齢者等のように足腰に不安を抱える人が利用する小型電動車両が知られている。この小型電動車両には駆動源であるモータと駆動輪との間の動力伝達の断接を行うクラッチが設けられたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
クラッチはクラッチレバーによって操作されるようになっており、クラッチレバーを操作しない通常状態ではクラッチは接続状態となり、モータと駆動輪が連結しモータの動力が駆動輪に伝達されて小型電動車両が走行される。
【0004】
一方、クラッチレバーを操作するとクラッチが切断状態となり、クラッチが切断状態になると、駆動輪がモータから切り離されることによりモータの負荷が無くなり、小型電動車両を容易に手押しで移動可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-346833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、小型電動車両においては、クラッチを切断して小型電動車両を手押しで移動させるときに意図に反した速度とならないように、小型電動車両の走行速度の上昇を抑制できれば、小型電動車両の性能をさらに向上させる上で好ましい。
【0007】
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、クラッチ機構が切断された状態で小型電動車両の走行速度が上昇する場合に、制動力を発生させて走行速度の上昇を抑制できる小型電動車両の動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電動機から動力が伝達される入力軸と、出力軸を有し、駆動輪に動力を伝達する差動装置と、前記入力軸と前記出力軸との間に設けられたカウンタ軸と、前記カウンタ軸に設けられ、前記入力軸に設けられた入力ギヤに噛み合うカウンタギヤとを有し、前記電動機の動力を前記出力軸に減速して伝達する減速機構と、前記電動機と前記駆動輪との間で動力の伝達を断続するクラッチ機構とを備えた電動車両の動力伝達装置であって、前記カウンタ軸に、前記カウンタ軸の回転に連動して回転し、前記カウンタ軸が高回転速度になると、前記カウンタ軸の回転の抵抗となる制動力を発生するブレーキ機構が設けられており、前記クラッチ機構は、前記カウンタ軸の軸方向に移動自在に設けられた移動部材を有し、前記移動部材は、前記カウンタ軸の軸方向の一方側のクラッチ接続位置に移動したときに、前記カウンタ軸と前記カウンタギヤとを接続し、前記カウンタ軸の軸方向の他方側のクラッチ切断位置に移動したときに、前記カウンタ軸と前記カウンタギヤを切り離して前記カウンタ軸と前記ブレーキ機構を接続し、前記クラッチ接続位置から前記クラッチ切断位置に移動するときに、前記カウンタギヤと前記ブレーキ機構との両方に接続された状態を経て前記クラッチ切断位置に移動し、前記クラッチ切断位置から前記クラッチ接続位置に移動するときに、前記カウンタギヤと前記ブレーキ機構との両方に接続された状態を経て前記クラッチ接続位置に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように上記の本発明によれば、クラッチ機構が切断された状態で小型電動車両の走行速度が上昇する場合に、制動力を発生させて走行速度の上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えた小型電動車両の右側面図である。
図2は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置の構成図であり、スライド軸がクラッチ接続位置に位置した状態を示す。
図3は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えた小型電動車両のシートバックの背面図である。
図4は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置の構成図であり、スライド軸がクラッチ切断位置に位置した状態を示す。
図5は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置のクラッチ機構と遠心ブレーキの構成図であり、スライド軸がクラッチ接続位置に位置した状態を示す。
図6は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置のクラッチ機構と遠心ブレーキの構成図であり、スライド軸がクラッチ切断位置に位置した状態を示す。
図7は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置のスライド軸のドグ歯と遠心ブレーキのドグ歯の周辺の斜視図である。
図8は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置の遠心ブレーキの分解斜視図である。
図9は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置の遠心ブレーキからフロントブラケットを取り外して左方から見た図である。
図10は、本発明の一実施例に係る小型電動車両の動力伝達装置のクラッチ機構と遠心ブレーキの構成図であり、スライド軸がクラッチ接続位置とクラッチ切断位置との間で移動途中を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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