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公開番号2024156500
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2023071012
出願日2023-04-24
発明の名称冷却装置、冷却システム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類B64D 27/24 20240101AFI20241029BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】電池寿命を延ばすことのできる冷却装置、冷却システムを提供すること。
【解決手段】冷却装置は、電動飛行体に搭載され、電動飛行体の電池を冷却する。冷却装置は、電池から吸熱する1種類以上の蓄熱材を備える。蓄熱材は、潜熱蓄熱材1711として、離陸にともなう電池の発熱と着陸にともなう電池の発熱のうち、離陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された潜熱蓄熱材1711A、および/または、着陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された潜熱蓄熱材1711Bを含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
電動飛行体(10)に搭載され、前記電動飛行体の電池(14)を冷却する冷却装置であって、
前記電池から吸熱する1種類以上の蓄熱材(171)を備え、
前記蓄熱材は、潜熱蓄熱材(1711)として、離陸にともなう前記電池の発熱と着陸にともなう前記電池の発熱のうち、前記離陸にともなう前記電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第1潜熱蓄熱材(1711A)、および/または、前記着陸にともなう前記電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第2潜熱蓄熱材(1711B)を含む、冷却装置。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記蓄熱材は、流動性を有し、前記潜熱蓄熱材と熱的に接続された流動性蓄熱材(1712)を含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記蓄熱材よりも熱伝導性に優れており、前記蓄熱材に接触配置された熱伝導補助部材(173)を備える、請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記熱伝導補助部材は、熱伝導性フィラー(1731)であり、
前記蓄熱材と前記熱伝導性フィラーとが分散混合されている、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱伝導補助部材は、カプセル(1733)であり、
前記潜熱蓄熱材は、前記カプセルに収容されている、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記電池から吸熱するための前記蓄熱材の総蓄熱量は、飛行開始時点の蓄熱量、飛行時の出力負荷、および前記電池の放熱特性に基づいて、飛行時の電池温度が使用上限温度以下となるように設定される、請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記潜熱蓄熱材の量は、飛行時の出力負荷にともなう前記電池の発熱の吸収によって、前記潜熱蓄熱材の相変化が完了するように設定される、請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記潜熱蓄熱材の量は、飛行時の出力負荷にともなう前記電池の発熱の吸収によって、前記潜熱蓄熱材に相変化の未完了部分が残存するように設定される、請求項6に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記電池は、複数の電池セル(142)を備えて構成される電池組立体(141)を含んでおり、
前記潜熱蓄熱材は、前記電池組立体の内部に生じる温度差を解消するように、前記電池組立体に対して吸熱面積当たりの潜熱蓄熱量に差を設けて配置される、請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記潜熱蓄熱材は、前記電池セルの側面に配置され、
前記電池セルは、前記側面とは異なる面に電極端子(142P,142N)を有し、
前記側面の第1位置における前記潜熱蓄熱材の量が、前記第1位置よりも前記電極端子から離れた第2位置における前記潜熱蓄熱材の量よりも多い、請求項9に記載の冷却装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、電動飛行体に搭載され、電池を冷却する冷却装置、冷却システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電動航空機に搭載された電池パックを冷却する冷却システムを開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2022-530619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、水などの作動流体の循環により、電池の発熱を吸収する。飛行中に機内ヒートシンクに作動流体を連続的に循環させることで、飛行中において電池パックの発熱を吸収する。また、地上において機外冷却装置に接続し、作動流体を循環させることにより電池パックの発熱を吸収する。しかしながら電動飛行体は、離陸、巡航、着陸の動作にともなった特有の電池負荷プロファイルを有するため、特許文献1に開示の冷却システムでは電池寿命が短くなる虞がある。上記した観点において、または言及されていない他の観点において、電池を冷却する冷却装置、冷却システムにはさらなる改良が求められている。
【0005】
開示されるひとつの目的は、電池寿命を延ばすことのできる冷却装置、冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のひとつである冷却装置は、
電動飛行体(10)に搭載され、電動飛行体の電池(14)を冷却する冷却装置であって、
電池から吸熱する1種類以上の蓄熱材(171)を備え、
蓄熱材は、潜熱蓄熱材(1711)として、離陸にともなう電池の発熱と着陸にともなう電池の発熱のうち、離陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第1潜熱蓄熱材(1711A)、および/または、着陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第2潜熱蓄熱材(1711B)を含む。
【0007】
電動飛行体の離陸時と着陸時には、電池に高出力負荷が加わる。開示の冷却装置によれば、電池の発熱が急激に増加する離陸と着陸にフォーカスして、潜熱蓄熱材の相転移温度が設定されている。第1潜熱蓄熱材の相転移温度は、離陸にともなう電池の発熱を吸収するように設定されている。第2潜熱蓄熱材の相転移温度は、着陸にともなう電池の発熱を吸収するように設定されている。冷却装置は、潜熱を利用する潜熱蓄熱材として、第1潜熱蓄熱材および/または第2潜熱蓄熱材を含む。よって、電池の劣化を抑制し、ひいては電池寿命を延ばすことができる。
【0008】
開示の他のひとつである冷却システムは、
電動飛行体(10)に搭載され、1種類以上の蓄熱材(171)を用いて電動飛行体の電池(14)を冷却する機内冷却装置(17)と、
地上において、電池を冷却する機外冷却装置(40)と、
を備え、
蓄熱材は、潜熱蓄熱材(1711)として、離陸にともなう電池の発熱と着陸にともなう電池の発熱のうち、離陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第1潜熱蓄熱材(1711A)、および/または、着陸にともなう電池の発熱を吸収するように相転移温度が設定された第2潜熱蓄熱材(1711B)を含み、
機外冷却装置は、流動性媒体を流動させて蓄熱材および電池を冷却する。
【0009】
電動飛行体の離陸時と着陸時には、電池に高出力負荷が加わる。開示の冷却システムによれば、電池の発熱が急激に増加する離陸と着陸にフォーカスし、潜熱蓄熱材の相転移温度が設定されている。第1潜熱蓄熱材の相転移温度は、離陸にともなう電池の発熱を吸収するように設定されている。第2潜熱蓄熱材の相転移温度は、着陸にともなう電池の発熱を吸収するように設定されている。機内冷却装置は、潜熱を利用する潜熱蓄熱材として、第1潜熱蓄熱材および/または第2潜熱蓄熱材を含む。よって、電池の劣化を抑制し、ひいては電池寿命を延ばすことができる。
【0010】
機外冷却装置は、地上において流動性媒体を流動させ、蓄熱材および電池を冷却する。よって、短時間で次の飛行が可能な状態に調整することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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