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公開番号2024155269
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069863
出願日2023-04-21
発明の名称ガス浄化フィルタ
出願人三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人真田特許事務所
主分類B01D 39/08 20060101AFI20241024BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】ガス浄化触媒の浄化性能とガス浄化フィルタの耐久性向上を両立させるガス浄化フィルタを提供する。
【解決手段】複数の繊維11により形成されるフィルタ本体10と、フィルタ本体10に付着したガス浄化触媒16と、を備えるガス浄化フィルタ1であって、ガス浄化触媒16を担持させた触媒担持層2と、ガス浄化触媒16を担持させないろ過層3と、を有し、触媒担持層2とろ過層3との境界4を、ガスの流れ方向において下流側に存在するフィルタ本体11の表面13から、触媒担持層2に形成される推定流路径Dx以上の所定距離を持つように構成した。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の繊維により形成されるフィルタ本体と、前記フィルタ本体に付着したガス浄化触媒と、を備えるガス浄化フィルタであって、
前記ガス浄化触媒を担持させた触媒担持層と、前記ガス浄化触媒を担持させないろ過層と、を有し、
前記触媒担持層と前記ろ過層との境界を、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を持つように構成した
ガス浄化フィルタ。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記フィルタ本体の前記触媒担持層と前記ろ過層との前記境界を、前記ガスの前記流れ方向において前記下流側に存在する前記フィルタ本体の前記表面から、以下の式(1)で示される前記触媒担持層の推定流路径Dxに対して5倍以上の距離を持ち、かつ、前記フィルタ本体の厚さの10%以下に構成する
請求項1に記載のガス浄化フィルタ。
TIFF
2024155269000004.tif
18
170
上記の式1において、Dxは推定流路径、μは排ガス粘性係数、vは排ガス流速、Lはフィルタ本体の厚み、ΔPはガス浄化フィルタの圧損とする
【請求項3】
前記フィルタ本体が、ポリテトラフルオロエチレン系繊維を主組成として形成された
請求項1または2に記載のガス浄化フィルタ。
【請求項4】
前記ガス浄化触媒が脱硝機能を有する
請求項1または2に記載のガス浄化フィルタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化学物質を含有するガスから化学物質を除去するための触媒を担持したガス浄化フィルタに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
廃棄物を焼却した時に発生する排ガス(ガス)には、ばいじんと共に塩化物、窒化物及びダイオキシン等の化学物質が含まれることがある。このような排ガスは、ばいじん及び化学物質を法定の基準値以下に除去されてから大気中に放出される。この除去のため、排ガスが流れる経路の途中に、化学物質除去用の触媒を担持したガス浄化フィルタが配置される。
例えば、下記特許文献1には、ガスの流れ方向の下流に向かうにつれ触媒の密度が吸着剤の密度より小さくなる領域を有し、上流側に位置する第一面よりも下流の第二面には実質的に触媒が付着していないろ布を備えたガス浄化フィルタが開示されている。
また、下記特許文献2には、触媒を担持したフェルトパッドの下流に、穿孔したフルオロポリマーフィルムが貼付されたガス浄化フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-155295号公報
特開2022-130511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガス浄化フィルタは、フィルタ本体が触媒を担持する触媒担持層の厚みが大きいほど、ガスと触媒との接触時間が増えてガス中の化学物質の除去性能が向上する。一方で、触媒担持層では、触媒粒径の不均一性や触媒の付着状況の不均一性によってガス流路の拡縮が発生する。このような流路を通過してガスの流れが乱れると、触媒の剥離やフィルタの摩耗が起きる可能性がある。その結果、ガス浄化フィルタの耐久性が不十分となるおそれがある。
特にろ布を有底円筒状(袋状)に形成した円筒形フィルタの外側から内側にガスを通過させるショックパルス型のバグフィルタにおいて、円筒内部(フィルタ下流側外部)ではガスが乱流に遷移している可能性が高い。フィルタ厚みを全て触媒担持層として形成した場合、フィルタ内部で流路の拡縮などにより排ガスの流れが乱れたまま円筒内部の表面に達することで、円筒内部の表面付近では流れの乱れがより大きくなってしまう懸念がある。
【0005】
上記特許文献1のガス浄化フィルタは、下流側の第二面に触媒を担持しない構成であるが、フィルタ内で触媒がガスの流れにどのような影響を及ぼすか開示がなくフィルタ全体に対してどの程度の厚みが触媒を担持しない層となればよいかは開示されていない。そのため、触媒を担持しない層の厚みによっては、ガス浄化フィルタのガス浄化性能の維持が不十分となる可能性がある。また、上記特許文献2のように、触媒を担持したフェルトパッドとは別部材を用意しようとすると、その分の材料や作業のコストが増えてしまう。
上記の理由により、従来の技術では、ガス浄化フィルタの耐久性とガス浄化性能との両方に改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明では、フィルタを通過するガスに対する流体力学的知見を考慮して、ガス浄化フィルタ内でガス浄化触媒を担持する触媒担持層とガス浄化触媒を担持しないろ過層の境界を適切に定めることで、ガス浄化フィルタのガス浄化性能の維持とフィルタ耐久性の向上を両立させるガス浄化フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のガス浄化フィルタは、複数の繊維により形成されるフィルタ本体と、前記フィルタ本体に付着したガス浄化触媒と、を備えるガス浄化フィルタであって、前記ガス浄化触媒を担持させた触媒担持層と、前記ガス浄化触媒を担持させないろ過層と、を有し、前記触媒担持層と前記ろ過層との境界を、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を持つように構成したガス浄化フィルタである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のガス浄化フィルタによれば、フィルタ内にガス浄化触媒を担持させないろ過層を有することで、ガス浄化触媒の粒径やフィルタ本体にガス浄化触媒が不均一に付着することによって拡縮した流路に発生するガス浄化フィルタ内のガス流れの乱れ(不均一な流量分布)をろ過層で抑えることができる。そのため、ガス流れの乱れによって発生する可能性のあるフィルタ本体からのガス浄化触媒の剥離やフィルタ本体の摩耗を防止して、ガス浄化フィルタの耐久性を向上させる。
また、前記触媒担持層と前記ろ過層との境界が、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を離隔する構成により、触媒を実質的に担持しないろ過層を適切に定めることで、ガス浄化フィルタのガス浄化性能を維持することができる。
このように、フィルタを通過するガスに対する流体力学的知見を考慮して、ガス浄化フィルタ内でガス浄化触媒を担持する触媒担持層とガス浄化触媒を担持しないろ過層の境界を適切に定めることで、ガス浄化触媒の浄化性能とガス浄化フィルタの耐久性向上を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係るガス浄化フィルタの概略構成図である。
実施形態に係るガス浄化フィルタにおける境界部の拡大図である。
実施形態に係るガス浄化フィルタを適用したガス浄化設備の概略構成図である。
図3のガス浄化設備におけるバグフィルタの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1乃至図4を参照して、実施形態としてのガス浄化フィルタについて説明する。以下に示す構成等はあくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。実施形態及び変形例で示す各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、当該各構成は、本発明の必須の構成要件を除き、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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