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公開番号
2024154973
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023069253
出願日
2023-04-20
発明の名称
共電解システム
出願人
株式会社SOKEN
,
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C25B
1/04 20210101AFI20241024BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】合成ガスの目標組成比を確実に得られる共電解システムを提供する。
【解決手段】共電解システム1は、固体電解質膜21と燃料電極22と酸素電極23とを有する電解セル20と、燃料電極22にCO
2
及びH
2
Oを供給する燃料ガス供給管3と、酸素電極23に大気を供給する大気供給管4と、燃料電極22で生成したH
2
及びCOを含む合成ガスを排出する合成ガス排出管5と、酸素電極23で生成したO
2
を排出する酸素排出管6とを備える。共電解システム1は、更に、合成ガスの一部を燃料ガス供給管3に還流する還流管7を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体電解質膜と燃料電極と酸素電極とを有する電解セルと、
前記燃料電極にCO
2
及びH
2
Oを供給する燃料ガス供給管と、
前記酸素電極に大気を供給する大気供給管と、
前記燃料電極で生成したH
2
及びCOを含む合成ガスを排出する合成ガス排出管と、
前記酸素電極で生成したO
2
を排出する酸素排出管と、
を備えた共電解システムであって、
前記合成ガスの一部を前記燃料ガス供給管に還流する還流管を更に備えることを特徴とする共電解システム。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記還流管を流れる前記合成ガスの流量を調整する流量調整弁と、
前記合成ガス排出管を流れる前記合成ガスの組成比の検出結果又は前記電解セルを流れる電解電流の検出結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を制御する制御部と、
を更に備える請求項1に記載の共電解システム。
【請求項3】
前記燃料ガス供給管は、CO
2
及びH
2
Oを所定温度以上に加熱する第1エリアと、前記第1エリアの上流側に位置するとともにCO
2
及びH
2
Oを前記所定温度未満に加熱する第2エリアとを有し、
前記還流管は、前記合成ガス排出管と前記燃料ガス供給管の前記第1エリアとを接続する第1還流管と、前記合成ガス排出管と前記燃料ガス供給管の前記第2エリアとを接続する第2還流管とを有し、
前記第1還流管に第1流量調整弁が設けられ、前記第2還流管に第2流量調整弁が設けられ、
前記制御部は、前記合成ガスの組成比の検出結果又は前記電解電流の検出結果に基づいて、前記第1流量調整弁の開度及び前記第2流量調整弁の開度を制御する請求項2に記載の共電解システム。
【請求項4】
前記燃料ガス供給管の内部において、前記第1還流管との合流部よりも下流側の前記第1エリア、及び、前記第2還流管との合流部よりも下流側の前記第2エリアの少なくとも一方には、触媒拡散体が設けられている請求項3に記載の共電解システム。
【請求項5】
前記第1還流管との合流部よりも下流側の前記第1エリアの内部には、第1触媒拡散体が設けられ、前記第2還流管との合流部よりも下流側の前記第2エリアの内部には、第1触媒拡散体と異なる第2触媒拡散体が設けられている請求項4に記載の共電解システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、共電解システムに関し、特にCO
2
とH
2
Oを原料として同時に電解してH
2
及びCOを含む合成ガスを生成する固体酸化物形電解セル共電解システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、このような技術分野として、例えば特許文献1に記載されるものがある。特許文献1には、再生可能エネルギ由来の供給電力の変動に対応しながら、合成ガス目標組成比であるH
2
/CO=2を得られる技術が開示されている。より具体的には、CO
2
とH
2
Oの電気分解によりCO及びH
2
を同時に生成する第1装置と、H
2
Oの電気分解によりH
2
を生成する第2装置とをそれぞれ用意し、安定電力の場合は第1装置を用いて共電解を実施し、変動電力の場合は第2装置を用いて水電解を実施する。これをもってH
2
とCOとの比率を調整し、合成ガス目標組成比の実現を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5605437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の共電解システムでは、合成ガスの目標組成比を得られない可能性があった。
【0005】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、合成ガスの目標組成比を確実に得られる共電解システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る共電解システムは、固体電解質膜と燃料電極と酸素電極とを有する電解セルと、前記燃料電極にCO
2
及びH
2
Oを供給する燃料ガス供給管と、前記酸素電極に大気を供給する大気供給管と、前記燃料電極で生成したH
2
及びCOを含む合成ガスを排出する合成ガス排出管と、前記酸素電極で生成したO
2
を排出する酸素排出管と、を備えた共電解システムであって、前記合成ガスの一部を前記燃料ガス供給管に還流する還流管を更に備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る共電解システムでは、CO及びH
2
を含む合成ガスの一部を還流管を介して燃料ガス供給管に還流するので、還流合成ガス中のH
2
が逆水性ガスシフト反応を進行させることによりCOの生成量を増やし、還流合成ガス中のCOが水性ガスシフト反応を進行させることによりH
2
の生成量を増やすことができる。このように水性ガスシフト反応及び逆水性ガスシフト反応を利用し合成ガスの組成比を調整することができるので、合成ガスの目標組成比を確実に得られる。
【0008】
本発明に係る共電解システムにおいて、前記還流管を流れる前記合成ガスの流量を調整する流量調整弁と、前記合成ガス排出管を流れる前記合成ガスの組成比の検出結果又は前記電解セルを流れる電解電流の検出結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を制御する制御部と、を更に備えることが好ましい。このようにすれば、制御部は合成ガスの組成比の検出結果又は電解電流の検出結果に基づいて、合成ガスの目標組成比となるように流量調整弁の開度を制御することで、合成ガスの目標組成比をより確実に得られる。
【0009】
本発明に係る共電解システムにおいて、前記燃料ガス供給管は、CO
2
及びH
2
Oを所定温度以上に加熱する第1エリアと、前記第1エリアの上流側に位置するとともにCO
2
及びH
2
Oを前記所定温度未満に加熱する第2エリアとを有し、前記還流管は、前記合成ガス排出管と前記燃料ガス供給管の前記第1エリアとを接続する第1還流管と、前記合成ガス排出管と前記燃料ガス供給管の前記第2エリアとを接続する第2還流管とを有し、前記第1還流管に第1流量調整弁が設けられ、前記第2還流管に第2流量調整弁が設けられ、前記制御部は、前記合成ガスの組成比の検出結果又は前記電解電流の検出結果に基づいて、前記第1流量調整弁の開度及び前記第2流量調整弁の開度を制御することが好ましい。このようにすれば、合成ガスの組成比の検出結果又は電解電流の検出結果に基づいて第1還流管と第2還流管とを切り替えるとともに、合成ガスの還流先の温度を変えることで逆水性ガスシフト反応と水性ガスシフト反応との反応比率を調整することにより、合成ガスの目標組成比をより確実に得られる。
【0010】
本発明に係る共電解システムにおいて、前記燃料ガス供給管の内部において、前記第1還流管との合流部よりも下流側の前記第1エリア、及び、前記第2還流管との合流部よりも下流側の前記第2エリアの少なくとも一方には、触媒拡散体が設けられていることが好ましい。このようにすれば、触媒拡散体を用いて水性ガスシフト反応又は逆水性ガスシフト反応を促進することで、合成ガスの目標組成比をより確実に得られる。
(【0011】以降は省略されています)
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