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公開番号
2024153768
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2024121246,2021558816
出願日
2024-07-26,2020-03-31
発明の名称
多能性幹細胞の胸腺上皮細胞および胸腺上皮前駆細胞分化を促進する方法
出願人
ザ・トラスティーズ・オブ・コロンビア・ユニバーシティ・イン・ザ・シティ・オブ・ニューヨーク
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20241022BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】多能性幹細胞の胸腺上皮細胞または胸腺上皮前駆細胞への分化を促進する方法、ならびに方法によって取得される細胞、ならびにそのような細胞を含む溶液、組成物、および医薬組成物を提供する。
【解決手段】胚性幹細胞(ESCs)および誘導多能性幹細胞(iPSCs)を含むヒト多能性幹細胞(hPSCs)の胸腺上皮細胞(TECs)または胸腺上皮前駆細胞(TEC前駆細胞)(TEPs)への分化を誘導する方法であって、ヒト多能性幹細胞を内胚葉細胞に分化させる工程、得られた内胚葉細胞を培養し、BMPを阻害する因子およびTGFβシグナル伝達を阻害する因子と内胚葉細胞を接触させ、および細胞を、HOXA3発現を刺激する因子、およびTBX1発現を刺激する因子とさらに接触させることにより、内胚葉細胞を前腸前部細胞へ分化させる工程を含む、ヒト多能性幹細胞を内胚葉細胞に分化させる方法を提供する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
明細書または図面に実質的に記載された発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年4月1日に出願された米国特許出願第62/827,383号の関連出願であり、これに基づく優先権を主張するものである。なお、上記特許出願は参照としてその全体が本明細書中に組み込まれる。
続きを表示(約 3,700 文字)
【0002】
政府の支援についての説明
本発明は米国国立衛生研究所により授与された助成金番号DK104207、DK103585およびAI045897の下で政府援助によってなされた。連邦政府は本発明において一定の権利を有している。
【0003】
本開示は、多能性幹細胞の胸腺上皮細胞または胸腺上皮前駆細胞への分化を促進する方法、この方法により取得される細胞、ならびにそのような細胞を含む溶液、組成物、および医薬組成物を提供する。本開示はまた、疾病治療および予防のために、ならびに器官を作成するために胸腺上皮細胞または胸腺上皮前駆細胞を利用する方法、また、他の用途、およびキットも提供する。
【背景技術】
【0004】
胸腺はT細胞の発生および教育を担う主要なリンパ器官である。胸腺上皮細胞(TECs)は胸腺間質の主要な構成要素である。胸腺皮質のTECs(cTECs)はT細胞の正の選択に特化され、一方、髄質のTECs(mTECs)はT細胞の負の選択に関与する。TEC媒介性選択は、自己のMHC分子が提示する外来抗原を認識できる、自己寛容性で多様性に富むT細胞レパートリーを促進する。正常な胸腺形成は、TECsに加えて間質細胞種および造血細胞種が高度に系統化されたネットワークを含む。
【0005】
ヒト多能性幹細胞(hPSCs)からの機能的TECsもしくはTECs前駆細胞(TEPs)のインビトロ生成は、先天性の障害(ディジョージ症候群など)および後天性機能不全(HIV感染、高用量化学療法および放射線治療、それ自体が胸腺細胞増殖機能低下を引き起こす、加齢と組み合わされた移植片対宿主病および長期の免疫抑制療法による)による胸腺不全を有する患者におけるT細胞再構成を支援する細胞、組織または器官を作成し得る。成人胸腺におけるTECsの数には限りがあり、また出生後の胸腺からTECsを増殖させる信頼性のある方法は見出し難いので、多能性幹細胞(PSCs)からTECsを生成することは、一つの重要な目標である。TECへのhPSCの厳密に管理された分化のインビトロプロトコルを創成することは、発生の時間的なおよびサイトカイン指示の正確な知識と応用を必要とする。マウス(Parentら、2013;Sunら、2013;Sohら、2014;Bredenkampら、2014))またはヒト(Suら、2015)のT細胞発生を支持するマウスまたはヒトPSCからの機能的TEPの生成が報告されているが、ヒトナイーブT細胞を多量に再構成させることは実証されていない。したがって、当該技術分野において、ヒトTEPsおよびTECsを作成する方法が求められている。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で、インビトロで胸腺上皮前駆細胞(TEC前駆細胞)への胚性幹細胞(ESCs)および誘導多能性幹細胞(iPSCs)を含むヒト多能性幹細胞(hPSCs)の分化を誘導するための効率的方法を示し、ここで胸腺上皮細胞(TECs)または胸腺上皮細胞前駆細胞(TEPs)はインビボで胸腺器官およびT細胞を生成できる。
【0007】
本プロトコルは、蛋白質トランスダクションまたは遺伝的改変を用いずに現在までに報告されたFOXN1の最大のインビトロ発現を達成した。培養後、細胞は上皮マーカーであるEpCam、ケラチン5およびケラチン8を発現した。ヒト胸腺間葉細胞(ThyMES)と混合された場合、インビボで移植された細胞は、ヒト造血幹細胞(HSCs)を静注された胸腺切除NOD-scid IL2Rgamma
null
(NSG)マウス(Khosravi-Mahrarlooeiら、2020)において、ナイーブヒトT細胞の再構成を支持した。
【0008】
本開示の一つの実施態様は、胚性幹細胞(ESCs)および誘導多能性幹細胞(iPSCs)を含むヒト多能性幹細胞(hPSCs)の胸腺上皮細胞(TECs)または胸腺上皮前駆細胞(TEC前駆細胞)(TEPs)への分化を誘導する方法であって;
(1)ヒト多能性幹細胞を内胚葉細胞に分化させる工程;
(2)得られた内胚葉細胞を培養し、BMPを阻害する因子およびTGFβシグナル伝達を阻害する因子と内胚葉細胞を接触させるあるいはインキュベートする、および細胞を、HOXA3発現を刺激する因子およびTBX1発現を刺激する因子とさらに接触させる、あるいはインキュベートすることにより、内胚葉細胞を前腸前部細胞へ分化させる工程;
(3)得られた前腸前部細胞をさらに培養し、TBX1の発現を刺激する因子およびPAX9ならびにPAX1の発現を刺激する因子と前腸前部細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、前腸前部細胞を咽頭内胚葉細胞に分化させる工程;
(4)得られた咽頭内胚葉細胞をさらに培養し、BMPを阻害する因子と咽頭内胚葉細胞を接触させるあるいはインキュベートすること、およびその後BMPと咽頭内胚葉細胞を接触させるインキュベートすることにより、咽頭内胚葉細胞を遠位咽頭嚢(PP)に特化した細胞、胸腺上皮細胞または胸腺上皮前駆細胞に分化させる工程;および
(5)サバイビン阻害剤と方法の終期においてTECsまたはTEPsを接触させるあるいはインキュベートする工程、
を含む方法である。
【0009】
さらなる実施態様は、胚性幹細胞(ESCs)および誘導多能性幹細胞(iPSCs)を含むヒト多能性幹細胞(hPSCs)から胸腺上皮細胞(TECs)または胸腺上皮前駆細胞(TEPs)を得る方法であって;
(1)ヒト多能性幹細胞を内胚葉細胞に分化させる工程;
(2)得られた内胚葉細胞を培養し、内胚葉細胞をBMPを阻害する因子およびTGFβシグナル伝達を阻害する因子と接触させるあるいはインキュベートすること、およびHOXA3発現を刺激する因子およびTBX1発現を刺激する因子と細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、内胚葉細胞を前腸前部細胞へ分化させる工程;
(3)得られた前腸前部細胞をさらに培養し、TBX1の発現を刺激する因子およびPAX9ならびにPAX1の発現を刺激する因子と前腸前部細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、前腸前部細胞を咽頭内胚葉細胞に分化させる工程;
(4)得られた咽頭内胚葉細胞をさらに培養し、BMPを阻害する因子と咽頭内胚葉細胞を、接触させたるあるいはインキュベートすること、およびその後BMPと咽頭内胚葉細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、咽頭内胚葉細胞を遠位咽頭嚢(PP)に特化した細胞、胸腺上皮細胞または胸腺上皮前駆細胞に分化させる工程;および
(5)サバイビン阻害剤と方法の終期においてTECsまたはTEPsを接触させるあるいはインキュベートする工程、
を含む方法である。
【0010】
本開示のさらなる実施態様は、胚性幹細胞(ESCs)および誘導多能性幹細胞(iPSCs)を含むヒト多能性幹細胞(hPSCs)の胸腺上皮細胞(TECs)または胸腺上皮前駆細胞(TEC前駆細胞)(TEPs)への分化を誘導する方法であって;
(1)多能性幹細胞を血清不含の分化培地で培養すること、およびヒト骨形成蛋白質(BMP)、ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)およびヒトアクチビンAと細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、多能性幹細胞を内胚葉細胞に分化させる工程;
(2)工程(1)の内胚葉細胞を分化培地で培養すること、およびノギン(Noggin)、SB431542、レチノイン酸およびFGF8bと細胞を接触させるまたはインキュベートすることにより、内胚葉細胞を前腸前部細胞に分化させる工程;
(3)工程(2)からの前腸前部細胞を分化培地で培養すること、およびFGF8bおよびレチノイン酸その後FGF8bおよびソニック・ヘッジホッグ(sonic hedgehog(Shh))と細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、前腸前部細胞を咽頭内胚葉細胞に分化させる工程;
(4)工程(3)からの咽頭内胚葉細胞を分化培地で培養すること、およびノギンと細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、咽頭内胚葉細胞を第3咽頭嚢に特殊化したものへと分化させる工程;
(5)工程(3)または工程(4)からの咽頭内胚葉細胞を分化培地で培養すること、およびBMPと細胞を接触させるあるいはインキュベートすることにより、細胞を第3咽頭嚢に特化した細胞、TEPsまたはTECsにさらに分化させる工程;および
(6)サバイビン阻害剤に細胞を曝露する工程、
を含む方法である。
(【0011】以降は省略されています)
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