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公開番号
2024151602
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023065070
出願日
2023-04-12
発明の名称
弾性波フィルタ装置
出願人
株式会社村田製作所
代理人
弁理士法人北斗特許事務所
主分類
H03H
9/145 20060101AFI20241018BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】特性と小型化とを両立する。
【解決手段】複数の弾性波共振子14の各々は、圧電性基板2の厚さ方向からの平面視で、中央領域と、中央領域よりも弾性波の音速が遅い第1領域と、中央領域よりも弾性波の音速が遅い第2領域と、を有する。複数の弾性波共振子14は、第1弾性波共振子11と、第2弾性波共振子12と、を有する。第1弾性波共振子11は、所定方向において第1領域の外側に所定方向の長さが0.3λ以上のギャップ50を有し、中央領域よりも弾性波の音速が速い第3領域と、所定方向において第2領域の外側に所定方向の長さが0.3λ以上のギャップ40を有し、中央領域よりも弾性波の音速が速い第4領域と、を更に含む。第2弾性波共振子12は、第3領域及び第4領域を含まない。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の弾性波共振子を備え、
前記複数の弾性波共振子の各々は、
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられているIDT電極と、を含み、
前記IDT電極は、
第1バスバーと、
所定方向において前記第1バスバーに対向している第2バスバーと、
前記所定方向において前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延びている複数の第1電極指と、
前記所定方向において前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延びている複数の第2電極指と、を有し、
前記複数の第1電極指の先端縁の包絡線と前記複数の第2電極指の先端縁の包絡線との間の領域を交差領域とし、
前記IDT電極の電極指ピッチで定まる弾性波の波長をλとし、
前記複数の弾性波共振子の各々は、前記圧電性基板の厚さ方向からの平面視で、
前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む中央領域と、
前記複数の第1電極指の先端部を含み、前記中央領域よりも弾性波の音速が遅い第1領域と、
前記複数の第2電極指の先端部を含み、前記中央領域よりも弾性波の音速が遅い第2領域と、を有し、
前記複数の弾性波共振子は、
第1弾性波共振子と、
第2弾性波共振子と、を有し、
前記第1弾性波共振子の前記圧電性基板と前記第2弾性波共振子の前記圧電性基板とが共通であり、
前記第1弾性波共振子は、
前記所定方向において前記第1領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有し、前記中央領域よりも弾性波の音速が速い第3領域と、
前記所定方向において前記第2領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有し、前記中央領域よりも弾性波の音速が速い第4領域と、を更に含み、
前記第2弾性波共振子は、
前記第3領域及び前記第4領域を含まない、
弾性波フィルタ装置。
続きを表示(約 3,800 文字)
【請求項2】
複数の弾性波共振子を備え、
前記複数の弾性波共振子の各々は、
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられているIDT電極と、を含み、
前記IDT電極は、
第1バスバーと、
所定方向において前記第1バスバーに対向している第2バスバーと、
前記所定方向において前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延びている複数の第1電極指と、
前記所定方向において前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延びている複数の第2電極指と、を有し、
前記複数の第1電極指の先端縁の包絡線と前記複数の第2電極指の先端縁の包絡線との間の領域を交差領域とし、
前記IDT電極の電極指ピッチで定まる弾性波の波長をλとし、
前記複数の弾性波共振子の各々は、前記圧電性基板の厚さ方向からの平面視で、
前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む中央領域と、
前記複数の第1電極指の先端部を含み、前記複数の第1電極指のうち少なくとも1つの第1電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第1質量付加膜を含む第1領域と、
前記複数の第2電極指の先端部を含み、前記複数の第2電極指のうち少なくとも1つの第2電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第2質量付加膜を含む第2領域と、を有し、
前記複数の第1電極指の前記先端部は、前記第1電極指の前記先端縁を含む部分であり、
前記複数の第2電極指の前記先端部は、前記第2電極指の前記先端縁を含む部分であり、
前記複数の弾性波共振子は、
第1弾性波共振子と、
第2弾性波共振子と、を有し、
前記第1弾性波共振子の前記圧電性基板と前記第2弾性波共振子の前記圧電性基板とが共通であり、
前記第1弾性波共振子は、
前記所定方向において前記第1領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する第3領域と、
前記所定方向において前記第2領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する第4領域と、を更に含み、
前記第2弾性波共振子は、
前記第3領域及び前記第4領域を含まない、
弾性波フィルタ装置。
【請求項3】
複数の弾性波共振子を備え、
前記複数の弾性波共振子の各々は、
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられているIDT電極と、を含み、
前記IDT電極は、
第1バスバーと、
所定方向において前記第1バスバーに対向している第2バスバーと、
前記所定方向において前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延びている複数の第1電極指と、
前記所定方向において前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延びている複数の第2電極指と、を有し、
前記複数の第1電極指の先端縁の包絡線と前記複数の第2電極指の先端縁の包絡線との間の領域を交差領域とし、
前記IDT電極の電極指ピッチで定まる弾性波の波長をλとし、
前記複数の弾性波共振子の各々は、前記圧電性基板の厚さ方向からの平面視で、
前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む中央領域と、
前記複数の第1電極指の先端部を含み、前記複数の第1電極指のうち少なくとも1つの第1電極指の前記先端部が第1太幅部を含む第1領域と、
前記複数の第2電極指の先端部を含み、前記複数の第2電極指のうち少なくとも1つの第2電極指の前記先端部が第2太幅部を含む第2領域と、を有し、
前記第1太幅部の幅は、前記少なくとも1つの第1電極指の中央部の幅よりも広く、
前記第2太幅部の幅は、前記少なくとも1つの第2電極指の中央部の幅よりも広く、
前記複数の弾性波共振子は、
第1弾性波共振子と、
第2弾性波共振子と、を有し、
前記第1弾性波共振子の前記圧電性基板と前記第2弾性波共振子の前記圧電性基板とが共通であり、
前記第1弾性波共振子は、
前記所定方向において前記第1領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する第3領域と、
前記所定方向において前記第2領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する第4領域と、を更に含み、
前記第2弾性波共振子は、
前記第3領域及び前記第4領域を含まない、
弾性波フィルタ装置。
【請求項4】
第1入出力電極及び第2入出力電極を更に備え、
前記複数の弾性波共振子は、
前記第1入出力電極と前記第2入出力電極との間の信号経路に設けられている2以上の弾性波共振子と、
前記信号経路とグランドとの間に接続されている2以上の弾性波共振子と、を含み、
前記複数の弾性波共振子は
前記第1弾性波共振子を少なくとも2つ有し、
前記少なくとも2つの第1弾性波共振子は、
前記信号経路に設けられている前記2以上の弾性波共振子のうち前記電極指ピッチが最も大きい弾性波共振子と、
前記信号経路とグランドとの間に接続されている前記2以上の弾性波共振子のうち前記電極指ピッチが最も小さい弾性波共振子と、を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項5】
第1入出力電極及び第2入出力電極を更に備え、
前記複数の弾性波共振子は、
前記第1入出力電極と前記第2入出力電極との間の信号経路に設けられている2以上の弾性波共振子と、
前記信号経路とグランドとの間に接続されている2以上の弾性波共振子と、を含み、
前記複数の弾性波共振子は、
前記第2弾性波共振子を少なくとも2つ有し、
前記少なくとも2つの第2弾性波共振子は、
前記信号経路に設けられている前記2以上の弾性波共振子のうち前記電極指ピッチが最も大きい弾性波共振子と、
前記信号経路とグランドとの間に接続されている前記2以上の弾性波共振子のうち前記電極指ピッチが最も小さい弾性波共振子と、を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの第1弾性波共振子の共振周波数と反共振周波数との間の周波数帯の少なくとも一部は、前記弾性波フィルタ装置の有する通過帯域に含まれる、
請求項4に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項7】
前記第1領域は、
前記複数の第1電極指のうち少なくとも1つの第1電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第1質量付加膜を含み、
前記第2領域は、
前記複数の第2電極指のうち少なくとも1つの第2電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第2質量付加膜を含み、
前記複数の第1電極指の前記先端部は、前記第1電極指の前記先端縁を含む部分であり、
前記複数の第2電極指の前記先端部は、前記第2電極指の前記先端縁を含む部分である、
請求項1に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項8】
前記第1領域では、
前記複数の第1電極指のうち少なくとも1つの第1電極指の前記先端部が、第1太幅部を含み、
前記第1太幅部の幅は、前記少なくとも1つの第1電極指の中央部の幅よりも広く、
前記第2領域では、
前記複数の第2電極指のうち少なくとも1つの第2電極指の前記先端部が、第2太幅部を含み、
前記第2太幅部の幅は、前記少なくとも1つの第2電極指の中央部の幅よりも広い、
請求項1に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項9】
前記圧電性基板は、
支持基板と、
前記支持基板上に設けられている高音速膜と、
前記高音速膜に設けられている低音速膜と、
前記低音速膜上に設けられている圧電体層と、を含み、
前記高音速膜は、前記圧電体層を伝搬するバルク波の音速よりも、前記高音速膜を伝搬するバルク波の音速が高速となる膜であり、
前記低音速膜は、前記圧電体層を伝搬するバルク波の音速よりも、前記低音速膜を伝搬するバルク波の音速が低速となる膜である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
【請求項10】
前記圧電性基板は、
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に設けられている窒化ケイ素膜と、
前記窒化ケイ素膜上に設けられている酸化ケイ素膜と、
前記酸化ケイ素膜上に設けられている圧電体層と、を含み、
前記圧電体層の材料は、リチウムタンタレート又はリチウムニオベイトを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に弾性波フィルタ装置に関し、より詳細には、複数の弾性波共振子を備える弾性波フィルタ装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の弾性波共振子を備える弾性波フィルタ装置を開示している。
【0003】
特許文献1に開示された弾性波フィルタ装置では、各弾性波共振子が、圧電基板と、圧電基板上に形成されたIDT電極とを有する。IDT電極は、第1のバスバーと、第1のバスバーと隔てられて配置された第2のバスバーと、第1のバスバーに基端が電気的に接続されており、第2のバスバーに向かって延びる複数本の第1の電極指と、第2のバスバーに基端が接続されており、第1のバスバーに向かって延びる複数本の第2の電極指と、を有する。
【0004】
IDT電極が、IDT電極の第1,第2の電極指の延びる方向をIDT電極における幅方向としたときに、幅方向中央に中央領域、その外側に低音速領域、さらに外側に高音速領域を有するように構成されている。
【0005】
特許文献1に開示された弾性波フィルタ装置は、横モードリップルを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2014/192755号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
弾性波フィルタ装置では、小型化が望まれる場合がある。
【0008】
本発明の目的は、特性と小型化とを両立することが可能な弾性波フィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る弾性波フィルタ装置は、複数の弾性波共振子を備える。前記複数の弾性波共振子の各々は、圧電性基板と、IDT電極と、を含む。前記IDT電極は、前記圧電性基板上に設けられている。前記IDT電極は、第1バスバーと、第2バスバーと、複数の第1電極指と、複数の第2電極指と、を有する。前記第2バスバーは、所定方向において前記第1バスバーに対向している。前記複数の第1電極指は、前記所定方向において前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延びている。前記複数の第2電極指は、前記所定方向において前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延びている。前記複数の第1電極指の先端縁の包絡線と前記複数の第2電極指の先端縁の包絡線との間の領域を交差領域とし、前記IDT電極の電極指ピッチで定まる弾性波の波長をλとし、前記複数の弾性波共振子の各々は、前記圧電性基板の厚さ方向からの平面視で、中央領域と、第1領域と、第2領域と、を有する。前記中央領域は、前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む。前記第1領域は、前記複数の第1電極指の先端部を含み、前記中央領域よりも弾性波の音速が遅い。前記第2領域は、前記複数の第2電極指の先端部を含み、前記中央領域よりも弾性波の音速が遅い。前記複数の弾性波共振子は、第1弾性波共振子と、第2弾性波共振子と、を有する。前記第1弾性波共振子の前記圧電性基板と前記第2弾性波共振子の前記圧電性基板とが共通である。前記第1弾性波共振子は、第3領域と、第4領域と、を更に含む。前記第3領域は、前記所定方向において前記第1領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有し、前記中央領域よりも弾性波の音速が速い。前記第4領域は、前記所定方向において前記第2領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有し、前記中央領域よりも弾性波の音速が速い。前記第2弾性波共振子は、前記第3領域及び前記第4領域を含まない。
【0010】
本発明の別の一態様に係る弾性波フィルタ装置は、複数の弾性波共振子を備える。前記複数の弾性波共振子の各々は、圧電性基板と、IDT電極と、を含む。前記IDT電極は、前記圧電性基板上に設けられている。前記IDT電極は、第1バスバーと、第2バスバーと、複数の第1電極指と、複数の第2電極指と、を有する。前記第2バスバーは、所定方向において前記第1バスバーに対向している。前記複数の第1電極指は、前記所定方向において前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延びている。前記複数の第2電極指は、前記所定方向において前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延びている。前記複数の第1電極指の先端縁の包絡線と前記複数の第2電極指の先端縁の包絡線との間の領域を交差領域とし、前記IDT電極の電極指ピッチで定まる弾性波の波長をλとし、前記複数の弾性波共振子の各々は、前記圧電性基板の厚さ方向からの平面視で、中央領域と、第1領域と、第2領域と、を有する。前記中央領域は、前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む。前記中央領域は、前記所定方向における前記IDT電極の前記交差領域の中央部を含む。前記第1領域は、前記複数の第1電極指の先端部を含み、前記複数の第1電極指のうち少なくとも1つの第1電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第1質量付加膜を含む。前記第2領域は、前記複数の第2電極指の先端部を含み、前記複数の第2電極指のうち少なくとも1つの第2電極指の前記先端部の少なくとも一部に重なる第2質量付加膜を含む。前記複数の第1電極指の前記先端部は、前記第1電極指の先端縁を含む部分である。前記複数の第2電極指の前記先端部は、前記第2電極指の先端縁を含む部分である。前記複数の弾性波共振子は、第1弾性波共振子と、第2弾性波共振子と、を有する。前記第1弾性波共振子の前記圧電性基板と前記第2弾性波共振子の前記圧電性基板とが共通である。前記第1弾性波共振子は、第3領域と、第4領域と、を更に含む。前記第3領域は、前記所定方向において前記第1領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する。前記第4領域は、前記所定方向において前記第2領域の外側に前記所定方向の長さが0.3λ以上のギャップを有する。前記第2弾性波共振子は、前記第3領域及び前記第4領域を含まない。
(【0011】以降は省略されています)
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