特許ウォッチ

公開番号2024146246
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059030
出願日2023-03-31
発明の名称車両用乗員拘束装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B60R 21/231 20110101AFI20241004BHJP(車両一般)
要約【課題】車両用シートの位置によらず、膨張展開したセンターエアバッグで乗員を効果的に拘束できる車両用乗員拘束装置を得る。
【解決手段】前後方向に移動可能に設けられた車両用シート12と、車両用シート12よりも車幅方向内側に設けられたコンソールボックス20と、コンソールボックス20に車幅方向を軸方向として回動可能に搭載され、コンソールボックス20の側壁26から車両用シート12に着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開するとともに、その一部がコンソールボックス20の上面28Aに張り出して接触するセンターエアバッグ36と、を備えた車両用乗員拘束装置10であって、側面視で、シートバック16の前端面16Aがコンソールボックス20の前面22Aよりも前方側に位置するとき、センターエアバッグ36が前傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
車室に車両前後方向に移動可能に設けられた車両用シートと、
前記車室における前記車両用シートよりも車幅方向内側に設けられたコンソールボックスと、
前記コンソールボックスに車幅方向を軸方向として回動可能に搭載され、インフレータからガスが内部に供給されることにより、前記コンソールボックスの側壁から前記車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開するとともに、その一部が前記コンソールボックスの上面に張り出して接触するセンターエアバッグと、
を備え、
側面視で、前記車両用シートのシートバックの側部における前端面が前記コンソールボックスの前面よりも車両前方側に位置する前側位置を前記車両用シートが採ったとき、前記センターエアバッグが前傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動し、前記シートバックの側部における前端面が前記コンソールボックスの前面よりも車両後方側に位置する後側位置を前記車両用シートが採ったとき、前記センターエアバッグが後傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動する車両用乗員拘束装置。
続きを表示（約 370 文字）【請求項２】
前記センターエアバッグは、前記車両用シートの移動に連動して回動する構成とされている請求項１に記載の車両用乗員拘束装置。
【請求項３】
前記センターエアバッグは、前記車両用シートに着座した乗員の体格を検知する乗員検知センサの検知結果に基づいて回動する構成とされている請求項１に記載の車両用乗員拘束装置。
【請求項４】
前記コンソールボックスには、電動モータの駆動によって回転する回転機構が設けられており、
前記センターエアバッグは、前記回転機構の回転によって回動する請求項２又は請求項３に記載の車両用乗員拘束装置。
【請求項５】
前記センターエアバッグは、膨張展開完了後の形状が円柱状を成すように形成されている請求項１～請求項３の何れか１項に記載の車両用乗員拘束装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用乗員拘束装置に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
ファーサイドエアバッグ（センターエアバッグ）の下端部を乗員の腰部とコンソールボックスとの間に展開させ、乗員の車幅方向内側への移動を抑制するようにした車両用乗員拘束システムは、従来から知られている（例えば、特許文献１又は特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１２－０８１９５８号公報
特開２０１４－１０８７４０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、膨張展開したセンターエアバッグの下端部が、コンソールボックスと側面視で充分にオーバーラップしていない場合、換言すれば、小柄な乗員の場合など、シートバックの側部における前端面が、コンソールボックスの前面よりも前方側に位置する前側位置を車両用シートが採る場合、膨張展開されたセンターエアバッグによる乗員拘束時において、そのセンターエアバッグはコンソールボックスから充分な反力を得難い。
【０００５】
そのため、車両の側面衝突による慣性力で車幅方向内側へ移動する乗員は、そのセンターエアバッグと共に車幅方向内側へ倒れる可能性がある。すなわち、膨張展開したセンターエアバッグで乗員を効果的に拘束することが困難になるおそれがある。このように、車両用シートの位置によらず（車両用シートが前側位置を採ったときでも）、膨張展開したセンターエアバッグで乗員を効果的に拘束できるようにする構成には、未だ改善の余地がある。
【０００６】
そこで、本発明は、車両用シートの位置によらず、膨張展開したセンターエアバッグで乗員を効果的に拘束できる車両用乗員拘束装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第１の態様の車両用乗員拘束装置は、車室に車両前後方向に移動可能に設けられた車両用シートと、前記車室における前記車両用シートよりも車幅方向内側に設けられたコンソールボックスと、前記コンソールボックスに車幅方向を軸方向として回動可能に搭載され、インフレータからガスが内部に供給されることにより、前記コンソールボックスの側壁から前記車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開するとともに、その一部が前記コンソールボックスの上面に張り出して接触するセンターエアバッグと、を備え、側面視で、前記車両用シートのシートバックの側部における前端面が前記コンソールボックスの前面よりも車両前方側に位置する前側位置を前記車両用シートが採ったとき、前記センターエアバッグが前傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動し、前記シートバックの側部における前端面が前記コンソールボックスの前面よりも車両後方側に位置する後側位置を前記車両用シートが採ったとき、前記センターエアバッグが後傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動する。
【０００８】
第１の態様の発明によれば、車両の側面衝突時に、インフレータが作動し、そのインフレータから噴出されたガスが、コンソールボックスに車幅方向を軸方向として回動可能に搭載されたセンターエアバッグの内部に供給される。これにより、そのセンターエアバッグが、コンソールボックスの側壁から車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開する。
【０００９】
ここで、車両用シートに着座する乗員が小柄な乗員のときには、側面視で、シートバックの側部における前端面がコンソールボックスの前面よりも車両前方側に位置する前側位置を車両用シートが採る。このとき、センターエアバッグは、前傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動する。したがって、車両用シートが前側位置を採ったときでも、車両の側面衝突時には、センターエアバッグが乗員の車幅方向内側へ膨張展開可能になる。そして、このセンターエアバッグは、その一部がコンソールボックスの上面に張り出して接触するため、コンソールボックスから効果的に反力が得られる。よって、その膨張展開したセンターエアバッグで乗員が効果的に拘束される。
【００１０】
一方、車両用シートに着座する乗員が大柄な乗員のときには、側面視で、シートバックの側部における前端面がコンソールボックスの前面よりも車両後方側に位置する後側位置を車両用シートが採る。このとき、センターエアバッグは、後傾姿勢で膨張展開可能となるように予め回動する。したがって、車両用シートが後側位置を採ったときでも、車両の側面衝突時には、センターエアバッグが乗員の車幅方向内側へ膨張展開可能になる。そして、このセンターエアバッグは、その一部がコンソールボックスの上面に張り出して接触するため、コンソールボックスから効果的に反力が得られる。よって、その膨張展開したセンターエアバッグで乗員が効果的に拘束される。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許