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公開番号2024146186
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058935
出願日2023-03-31
発明の名称異常ネルンスト効果材、熱電変換モジュールおよび熱流センサ
出願人国立大学法人 東京大学,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 15/20 20230101AFI20241004BHJP()
要約【課題】安価で且つ高い異常ネルンスト係数の絶対値を有する異常ネルンスト効果材を提供する。
【解決手段】異常ネルンスト効果材は、Fe3AlxGa1-xの組成式で表され、0.25<x<0.60を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Fe

Al

Ga
1-x
の組成式で表され、0.25≦x≦0.60を満たし、300Kの温度条件で、磁束密度2Tの磁場を印加したときの異常ネルンスト係数の絶対値が、5.0μV/K以上である異常ネルンスト効果材。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
0.25<x≦0.45を満たす、請求項1に記載の異常ネルンスト効果材。
【請求項3】
多結晶体である、請求項1に記載の異常ネルンスト効果材。
【請求項4】
前記多結晶体が、D0

構造である、請求項3に記載の異常ネルンスト効果材。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の異常ネルンスト効果材を備え、
300Kの温度条件で、磁束密度2Tの磁場を印加したときの前記異常ネルンスト効果材の異常ネルンスト係数の絶対値が、5.0μV/K以上である、熱電変換モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の熱電変換モジュールを備える、熱流センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異常ネルンスト効果材、熱電変換モジュールおよび熱流センサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
未利用の熱エネルギーを活用するために、熱電変換モジュールの開発が積極的に行われている。熱電変換モジュールとしては、温度勾配によって電圧を発生させることが可能なゼーベック効果(Seebeck Effect)を利用した熱電変換モジュールがよく知られている。
【0003】
ゼーベック効果では、温度勾配と同じ方向に電圧が生じることから、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは複雑な3次元構造となる。そのため、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは大面積化やフィルム化が困難である。また、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは、希少性の高い材料が用いられており、製造コストが高いという課題がある。
【0004】
ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールに対し、近年、異常ネルンスト効果(Anomalous Nernst Effect)により起電力を生じる異常ネルンスト効果材を用いた熱電変換モジュールが提案されている。異常ネルンスト効果とは、磁性体に熱流を流して温度差が生じたときに、磁化方向と温度勾配の双方に直交する方向に電圧が生じる現象である。
【0005】
異常ネルンスト効果では、温度勾配に直交する方向に電圧が生じることから、異常ネルンスト効果を利用した熱電変換モジュールでは、熱源に沿うように展開することができ、大面積化及びフィルム化がしやすいという利点がある。
【0006】
例えば、特許文献1には、フェルミエネルギーE

の近傍にワイル点を有するバンド構造の強磁性体からなり、異常ネルンスト効果により起電力を生じる熱電機構を有する、熱電変換素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/009308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されているCo

MnGaなどの材料は、常温~100℃の温度範囲で高い発電性能を示すが、Coなどの高価な原料を用いているという問題がある。そのため、安価で常温~100℃の温度範囲で高い発電性能を示す材料が求められている。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みなされた発明であり、安価で且つ常温~100℃の温度範囲で高い発電性能を示す異常ネルンスト効果材、熱電変換モジュールおよび熱流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
<1>本発明の態様1の異常ネルンスト効果材は、Fe

Al

Ga
1-x
の組成式で表され、0.25≦x≦0.60を満たし、300Kの温度条件で、磁束密度2Tの磁場を印加したときの異常ネルンスト係数の絶対値が、5.0μV/K以上である。
<2>本発明の態様2は、上記態様1の異常ネルンスト効果材において、0.25<x≦0.45を満たしてもよい。
<3>本発明の態様3は、上記態様1または上記態様2の異常ネルンスト効果材において、多結晶体であってもよい。
<4>本発明の態様4は、上記態様3の異常ネルンスト効果材において、前記多結晶体が、D0

構造であってもよい。
<5>本発明の態様5の熱電変換モジュールは、上記態様1~4のいずれか1つに記載の異常ネルンスト効果材を備え、300Kの温度条件で、磁束密度2Tの磁場を印加したときの前記異常ネルンスト効果材の異常ネルンスト係数の絶対値が、5.0μV/K以上である。
<6>本発明の態様6の熱流センサは、態様5の熱電変換モジュールを備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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