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公開番号2025059837
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170178
出願日2023-09-29
発明の名称電力変換システム、ヒートポンプシステム、及び太陽光発電システム
出願人ダイキン工業株式会社,国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人
主分類H02M 3/155 20060101AFI20250403BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】太陽電池などのDC電源からの電力を、DC負荷に供給しつつ、系統連系インバータにより交流化して電力系統に逆潮流させる機能を有する電力変換システムにおいて、DC負荷に応じて、DC負荷の運転効率を向上させる。
【解決手段】電力交換システム1は、DC電源40を接続可能なDC/DCコンバータ10と、系統連系インバータ30と、DC/DCコンバータと系統連系インバータ30とを接続したDCリンク20と、を備え、系統連系インバータ30のAC側の系統電圧Vacの半周期内において、DCリンク20に接続可能なDC負荷50に応じてDCリンク電圧Vdcを調整することにより、DC負荷の運転効率を向上させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
DC電源を接続可能なDC/DCコンバータと、
系統連系インバータと、
前記DC/DCコンバータと前記系統連系インバータとを接続したDCリンクと、を備え、
前記系統連系インバータのAC側の系統電圧の半周期内において、前記DCリンクに接続可能なDC負荷に応じて当該DCリンクの電圧が調整される、
電力変換システム。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記DCリンクの電圧は、当該DCリンクに接続可能なDC負荷の状態に応じて調整される、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記DCリンクは、前記DC負荷として、当該DCリンクの電圧によって出力が変化するDC負荷が接続可能である、請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記DCリンクは、前記DC負荷として、電力変換器を含み、当該電力変換器の電力変換の状態に応じて、当該DCリンクの電圧が調整されるDC負荷が接続可能である、請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記DCリンクは、前記DC負荷として、回転電機を可変速運転する前記電力変換器を含み、当該回転電機の運転状態に応じて、当該DCリンクの電圧が調整されるDC負荷が接続可能である、請求項4に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記DCリンクの電圧の調整は、前記系統電圧の半周期内において、当該DCリンクに接続可能な前記DC負荷に応じて調整する期間と、当該系統電圧に基づく電圧となるように調整する期間とを含む制御を有する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記系統電圧に基づく電圧は、当該系統電圧の絶対値よりも大きい電圧である、請求項6に記載の電力変換システム。
【請求項8】
前記系統連系インバータは、前記DCリンクに接続可能な前記DC負荷に応じて、PWM動作、PAM動作、及び整流動作のいずれかで制御される、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項9】
前記DCリンクは、スイッチ回路を介して、前記DC負荷が接続可能である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項10】
前記DCリンクに設けられたコンデンサより容量の大きいコンデンサが、前記DC負荷の入力側に、当該DC負荷に並列に設けられている、請求項9に記載の電力変換システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システム、ヒートポンプシステム、及び太陽光発電システムに関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、発電装置が発電した直流電力を交流電力に変換する電力変換装置であって、発電装置の出力電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路と、昇圧コンバータ回路の出力電圧を交流電力に変換して系統に連系するインバータ回路と、昇圧コンバータ回路の出力電力を変換して内部負荷に供給する降圧コンバータ回路と、制御器と、を備え、制御器は、発電装置の出力電力を昇圧コンバータ回路及び降圧コンバータ回路を介して内部負荷に供給する場合は、昇圧コンバータ回路の出力電圧を系統の交流電力の最大値より低い電圧値以下にする電力変換装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2011/099280号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池などのDC電源からの電力を、DC負荷に供給しつつ、系統連系インバータにより交流化して電力系統に逆潮流させる機能を有する電力変換システムでは、DC負荷に適正な電力を供給し、DC負荷の運転効率を向上させることが求められている。
【0005】
本開示は、DC負荷に応じて、DC負荷の運転効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点の電力変換システムは、DC電源を接続可能なDC/DCコンバータと、系統連系インバータと、前記DC/DCコンバータと前記系統連系インバータとを接続したDCリンクと、を備え、前記系統連系インバータのAC側の系統電圧の半周期内において、前記DCリンクに接続可能なDC負荷に応じて当該DCリンクの電圧が調整される。これにより、DC負荷の運転効率が向上する。
第2の観点の電力変換システムは、第1の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクの電圧は、当該DCリンクに接続可能な前記DC負荷の状態に応じて調整される。これにより、DC負荷に印加される電圧を適正にできる。
第3の観点の電力変換システムは、第2の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクは、前記DC負荷として、当該DCリンクの電圧によって出力が変化するDC負荷が接続可能である。これにより、DC負荷の出力を適正にできる。
第4の観点の電力変換システムは、第2の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクは、前記DC負荷として、電力変換器を含み、当該電力変換器の電力変換の状態に応じて、当該DCリンクの電圧が調整されるDC負荷が接続可能である。これにより、電力変換器を含むDC負荷に印加される電圧を適正にできる。
第5の観点の電力変換システムは、第4の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクは、前記DC負荷として、回転電機を可変速運転する前記電力変換器を含み、当該回転電機の運転状態に応じて、当該DCリンクの電圧が調整されるDC負荷が接続可能である。これにより、回転電機を可変速運転する電力変換器を含むDC負荷に印加される電圧を適正にできる。
第6の観点の電力変換システムは、第1の観点乃至第5の観点のいずれか1つの電力変換システムであって、前記DCリンクの電圧の調整は、前記系統電圧の半周期内において、当該DCリンクに接続可能な前記DC負荷に応じて調整する期間と、当該系統電圧に基づく電圧となるように調整する期間とを含む制御を有する。これにより、DC負荷に過剰な電圧が印加されるのが抑制できる。
第7の観点の電力変換システムは、第6の観点の電力変換システムであって、前記系統電圧に基づく電圧は、当該系統電圧の絶対値よりも大きい電圧である。これにより、DCリンクの電圧の変動にかかわらず、系統連系インバータに必要な電圧が確保できる。
第8の観点の電力変換システムは、第1の観点乃至第7の観点のいずれか1つの電力変換システムであって、前記系統連系インバータは、前記DCリンクに接続可能な前記DC負荷に応じて、PWM動作、PAM動作、及び整流動作のいずれかで制御される。これにより、系統連系インバータの制御によりDC負荷に印加される電圧が適正にできる。
第9の観点の電力変換システムは、第1の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクは、スイッチ回路を介して、前記DC負荷が接続可能である。これにより、DC負荷に過剰な電圧が印加されることが抑制できる。
第10の観点の電力変換システムは、第9の観点の電力変換システムであって、前記DCリンクに設けられたコンデンサより容量の大きいコンデンサが、前記DC負荷の入力側に、当該DC負荷に並列に設けられている。これにより、DCリンクの電圧及びDC負荷の電圧の制御が容易になる。
第11の観点の電力変換システムは、第9の観点又は第10の観点の電力変換システムであって、前記スイッチ回路は、前記DCリンクの電圧が前記DC負荷に応じて予め定められた電圧範囲にある間においてオンに制御される。これにより、DC負荷に過剰な電圧が印加されることが抑制できる。
第12の観点の電力変換システムは、第9の観点乃至第11の観点のいずれか1つの電力変換システムであって、前記スイッチ回路は、前記DCリンクの電圧が前記DC負荷の入力電圧に応じて予め定められた電圧範囲にある間においてオンに制御される。これにより、スイッチ回路をオンしたときに過剰な電流が流れることが抑制できる。
第13の観点の電力変換システムは、第9の観点乃至第12の観点のいずれか1つの電力変換システムであって、前記DC/DCコンバータは、当該DC/DCコンバータに接続可能な前記DC電源と、前記DCリンクに接続可能な前記DC負荷とを、ダイオードを介して接続する。これにより、ダイオードがオン状態になると、電流経路での損失が低減される。
第14の観点のヒートポンプシステムは、第1の観点乃至第13の観点のいずれか1つに記載の電力変換システムと、前記DC負荷としてヒートポンプ機器と、を備える。これにより、別にDC/DCコンバータを設けることを要しない。
第15の観点の太陽光発電システムは、第1の観点乃至第13の観点のいずれか1つに記載の電力変換システムと、前記DC電源として太陽電池と、を備える。これにより、太陽電池を電力系統に連系させながら、DC負荷に印加される電圧を適正にできる発電システムを簡素な回路構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1の実施の形態に係る電力変換システムの一例を示す図である。
系統連系インバータを並列/逆潮流で動作させた場合において、DCリンク電圧と、電力系統のAC電圧及びAC電流との関係を説明する図である。(a)は、DCリンク電圧が330Vの場合、(b)は、DCリンク電圧が270Vの場合、(c)は、DCリンク電圧がAC電圧より低い部分を昇圧する調整を行った場合である。
DC電源とDC/DCコンバータとの組をN組備えた電力変換システムを説明する図である。
DC負荷をM個備えた電力変換システムを説明する図である。
DC電源とDC/DCコンバータとの組をN組備え、且つDC負荷をM個備える電力変換システムを説明する図である。
系統連系インバータの動作モードを説明する図である。
並列/逆潮流において、DC負荷に給電する動作モードを説明する図である。
DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値の変化によるDCリンク電圧目標値を説明する図である。(a)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より小さい場合、(b)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より大きいが、AC電圧のピーク電圧の絶対値より小さい場合、(c)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がAC電圧のピーク電圧の絶対値より大きい場合である。
電圧マージンを加えた場合におけるDCリンク電圧目標値の変化を説明する図である。(a)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より小さい場合、(b)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より大きいが、交流電圧のピーク電圧の絶対値に電圧マージンを加えた値より小さい場合、(c)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がAC電圧のピーク電圧の絶対値に電圧マージンを加えた値より大きい場合である。
並列/逆潮流において、DC負荷に給電しない動作モードを説明する図である。
並列/逆潮流において、DC負荷に給電しない動作モードにおけるDCリンク電圧目標値を説明する図である。
並列/順潮流において、DC電源と電力系統とからDC負荷に給電する動作モードを説明する図である。
並列/順潮流において、電力系統からDC負荷に給電する動作モードを説明する図である。
解列において、DC電源からDC負荷に給電する動作モードを説明する図である。
解列において、DC電源からDC負荷に給電する動作モードにおけるDCリンク電圧目標値を説明する図である。(a)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より大きい場合、(b)は、DC/DCコンバータの出力電圧の下限値がDC負荷に基づくDCリンク電圧目標値より大きい場合である。
第2の実施の形態の電力変換システムの一例を示す図である。
DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値の変化によるDCリンク電圧目標値を説明する図である。(a)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より小さい場合、(b)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値がDC/DCコンバータの出力電圧の下限値より大きいが、交流電圧のピーク電圧の絶対値より小さい場合、(c)は、DC負荷に基づくDCリンク電圧目標値が交流電圧vacのピーク電圧の絶対値より大きい場合である。
負荷スイッチによって生じる突入電流を抑制する手段を説明する図である。(a)は、突入電流が発生する場合、(b)は、突入電流を抑制した場合である。
第2の実施の形態に係る電力変換システムの変形例である電力変換システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(電力変換システム1)
図1は、第1の実施の形態に係る電力変換システム1の一例を示す図である。
電力変換システム1は、直流/直流コンバータ10と、直流リンク20と、系統連系インバータ30とを備える。以下では、直流/直流コンバータ10をDC/DCコンバータ10と、直流リンク20をDCリンク20と表記する。DCリンク20は、DC/DCコンバータ10と系統連系インバータ30とを接続する。DC/DCコンバータ10の出力側、及び系統連系インバータ30の入力側がDCリンク20である。DCリンク20には、コンデンサC1が設けられている。コンデンサC1の両端子間の電圧がDCリンク20の電圧であり、DCリンク電圧v
dc
と表記する。
【0009】
DC/DCコンバータ10の入力側には、直流電源40が接続されている。以下では、直流をDCと表記し、直流電源40をDC電源40と表記する。ここでは、DC電源40は、太陽電池(photovoltaic cell)であるとし、DC電源40の出力電圧をDC電源電圧v
pv
と表記する。DC/DCコンバータ10は、DC電源40が接続可能に構成されている。
【0010】
DCリンク20には、直流負荷50が接続されている。以下では、直流負荷50をDC負荷50と表記する。DC負荷50は、DCリンク20から電力が供給される。DCリンク20は、DC負荷50が接続可能に構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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