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公開番号2024145588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058012
出願日2023-03-31
発明の名称表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
出願人古河電気工業株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C25D 7/06 20060101AFI20241004BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】所定の熱処理後であっても、ニッケル層が磁化することを抑制でき、優れた伝送特性及び耐熱性を発揮し得る表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板を提供する。
【解決手段】銅箔基体の少なくとも一方の面に、ニッケルを含む表面処理層を含む表面処理皮膜を有する表面処理銅箔であって、300℃で2時間熱処理された後の状態における、飽和磁束密度(Bs300)が5.0×10-3T以下である、表面処理銅箔。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
銅箔基体の少なくとも一方の面に、ニッケルを含む表面処理層を含む表面処理皮膜を有する表面処理銅箔であって、
300℃で2時間熱処理された後の状態における、飽和磁束密度(Bs
300
)が5.0×10
-3
T以下である、表面処理銅箔。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
300℃で2時間熱処理された後の状態における、残留磁束密度(Br
300
)が5.0×10
-4
T以下である、請求項1に記載の表面処理銅箔。
【請求項3】
下記の要件(I)及び(II)を満たす、請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
要件(I):300℃で2時間の熱処理後の飽和磁束密度Bsの増加率[{(Bs
300
-Bs

)/Bs

}×100]が300%以下である。
要件(II):300℃で2時間の熱処理後の残留磁束密度Brの増加率[{(Br
300
-Br

)/Br

}×100]が300%以下である。
上記要件(I)及び(II)において、Bs
300
は300℃で2時間熱処理された後の状態における飽和磁束密度、Bs

は前記熱処理前の状態における飽和磁束密度、Br
300
は300℃で2時間熱処理された後の状態における残留磁束密度、Br

は前記熱処理前の状態における残留磁束密度である。
【請求項4】
前記表面処理皮膜を有する面において、ニッケル付着量が0.02mg/dm

以上3.0mg/dm

以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
【請求項5】
前記表面処理皮膜が、前記銅箔基体側から順に、粗化処理層と、前記ニッケルを含む表面処理層と、を含み、
前記表面処理皮膜の表面において、ISO25178に準拠して光学式で測定した算術平均高さSaが0.02μm以上0.35μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
【請求項6】
前記ニッケルを含む表面処理層が、亜鉛、リン、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、コバルト及びニオブからなる群から選択される1種以上の元素を含むニッケル合金で構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の表面処理銅箔を備える、銅張積層板。
【請求項8】
請求項7に記載の銅張積層板を備える、プリント配線板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
表面処理銅箔は、プリント配線板の回路用銅箔や、リチウムイオン二次電池の負極集電体等の様々な用途で用いられている。
【0003】
特にプリント配線板の分野では、近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して優れた高周波対応が求められている。
【0004】
このようなプリント配線板に用いられる回路用銅箔は、高周波帯域になるほど、表皮効果の影響で、回路導体の表面状態、つまりは表面に処理されている異種金属も重要になる。
特に、異種金属で広く用いられているニッケル(Ni)は、常温で強磁性を示す金属である。そのため、回路用銅箔の表面にニッケルが存在する場合、磁性の影響により導体内の電流分布及び磁界分布が影響を受け、表面処理銅箔の伝送特性が悪化する問題がある。
【0005】
一方で、プリント配線板を作製するにあたっては、回路用銅箔と樹脂基材とを貼り合わせる必要があり、その際、銅箔-樹脂基材間において、良好な密着性が求められ、特に耐熱密着性(以下、単に「耐熱性」ということがある。)が求められる。このような耐熱性に対し、回路用銅箔の表面におけるニッケルは、重要な役割を担う。
すなわち、回路用銅箔の表面におけるニッケルの存在は、伝送特性と、耐熱性とでトレードオフの関係にある。
【0006】
上記両特性を改善することを目的とした公知例としては、特許文献1及び2の技術が挙げられる。特許文献1では、伝送特性に与える強磁性金属の影響を抑制するために、銅箔の表面処理層におけるCo,Ni,Moの合計付着量を所定量以下に制御し、且つ、表面処理層に所定形状の粒子を形成することが提案されている。また、特許文献2では、表面処理銅箔の元箔(銅箔基体)の製造工程を制御することで、磁性を所定の条件に制御(非磁性化)した表面処理銅箔が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第7055049号公報
特許第7174869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1及び2のいずれにおいても、製造後のまま、熱履歴を持たない表面処理銅箔の磁性のみが検討されており、プリント配線板の製造過程における、樹脂基材との熱圧着や、はんだリフロー時の熱負荷による影響は、何ら考慮されていなかった。
【0009】
これに対し、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、ニッケルを含む表面処理層(以下、単に「ニッケル層(Ni層)」ということがある。)を含む表面処理皮膜を有する表面処理銅箔が、製造後に熱履歴を持たない状態で非磁性化されていても、上記のようなプリント配線板を製造する過程で、回路導体としての表面処理銅箔に熱処理が施された場合、該表面処理銅箔の表面処理皮膜におけるニッケル層が事後的に磁性を発現(磁化)する場合があることが分かった。
上述のように、プリント配線板の製造過程で受ける熱処理により、回路導体としての表面処理銅箔の表面処理皮膜において、ニッケル層が磁化した場合には、伝送特性が悪化する問題を招来する。
そのため、所定の熱処理後であっても、ニッケル層が磁化することを抑制でき、優れた伝送特性及び耐熱性を発揮し得る、表面処理銅箔が求められている。
【0010】
そこで本発明は、所定の熱処理後であっても、ニッケル層が磁化することを抑制でき、優れた伝送特性及び耐熱性を発揮し得る表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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