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公開番号2024141978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053894
出願日2023-03-29
発明の名称めっき物の製造方法及びめっき物
出願人アキレス株式会社
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類C23C 18/20 20060101AFI20241003BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】本発明は、めっき析出性を担保するために、具体的な熱処理温度を設け、めっき析出性及び密着性を両立できるめっき物の製造方法及び該方法により製造されるめっき物を提供することを目的とする。
【解決手段】めっき物は基板上にめっき下地塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程1、めっき下地層を熱処理温度TAにより熱処理する工程2、無電解めっき又は無電解めっきと電解めっきにより金属めっき膜を形成する工程3、及び金属めっき膜を熱処理温度TBにより熱処理し、めっき物が得られる工程4を含むめっき物の製造方法により製造される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板上にめっき下地塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程1、
めっき下地層を熱処理温度T

により熱処理する工程2、
無電解めっき又は無電解めっきと電解めっきにより金属めっき膜を基板上に形成する工程3、及び
金属めっき膜を熱処理温度T

により熱処理し、金属めっき膜を有するめっき物が得られる工程4を含むめっき物の製造方法であって、
前記めっき下地塗料は、エポキシ樹脂、導電性高分子、無機系フィラー及び溶媒を含み、前記導電性高分子と前記エポキシ樹脂は質量比で1:8~1:46の割合であり、
前記熱処理温度T

は、溶剤が揮発する温度とめっき下地層の触媒吸着性が低下する温度との間にあり、
前記熱処理温度T

は、エポキシ樹脂が硬化する温度と銅害が発生する温度との間にあることを特徴とするめっき物の製造方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記めっき下地塗料において、エポキシ樹脂1質量部に対して、前記無機系フィラーが0.3~1.0質量部が含まれる、請求項1に記載のめっき物の製造方法。
【請求項3】
前記導電性高分子と前記エポキシ樹脂は質量比で1:9~1:14の割合である、請求項1に記載のめっき物の製造方法。
【請求項4】
前記熱処理温度T

は、80℃~140℃であり、前記熱処理温度T

は120℃~150℃である、請求項1に記載のめっき物の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載されるめっき物の製造方法により製造されるめっき物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高温環境下に曝されても基材と金属めっき層との密着性に優れ、且つ、めっき析出性にも優れるめっき物の製造方法及び該方法により製造されるめっき物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
様々な基材へめっき処理して得られるめっき物が、実用される際にめっき層が効果を実現するために使用環境や目的に耐えられ、基材から剥離しない必要がある。めっき密着性がめっき処理方法を検討する際に最も重要な検討事項である。
【0003】
熱負荷後においても高い密着性を有する、ポリイミド樹脂フィルムの表面に銅箔を積層しためっき物(フレキシブルプリント基板)が報告されている。特開2004-79660号公報(特許文献1)は、ポリイミド樹脂フィルムの表面にニッケル又はニッケル合金を無電解めっきし、該めっき層の表面に銅を電気めっきすることにより、熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物(フレキシブルプリント基板)を開示する。
上記めっき物は、ニッケル等の無電解めっき層の接着力、延いてはその無電解めっき層の表面に形成される銅めっき層の接着力を物理的に(粗化によるアンカー効果)及び化学的に(官能基への結合)高めるために、基材となるポリイミド樹脂フィルムを、初めにプラズマ処理し、続いてアルカリ金属水酸化物で活性化する必要があった。
【0004】
また、特開昭59-129489号公報(特許文献2)のプリント配線用基板めっき方法には、ポリイミド樹脂を不完全に硬化させる手順及び完全に硬化させる手順を分けることにより、無電化めっきのめっき密着強度を向上させる方法が記載された。
【0005】
ところで、国際公開WO2015/019596(特許文献3)の無電解めっき下地膜形成用組成物には、導電性高分子とエポキシ樹脂を含んだ下地塗料を基材に塗工して、めっき下地塗料を形成し、その後に無電解めっきをすることで、金属めっき膜を形成する技術が知られている。
しかし、“めっき物”を作る際に、めっき下地塗料を硬化させる為に高熱で処理をする場合があり、処理後の“めっき下地塗料(層)”には、金属皮膜の析出する性能、即ちめっき析出性が低下する問題が生じている。
また、“めっき下地塗料(層)”のめっき析出性が低下すると、高精度な微細パターンをめっき処理する際にめっきが綺麗に析出せず、抵抗値上昇や断線といった不具合が発生する。
【0006】
一方で、めっき析出性を担保する為に低温で熱処理を行うと、必要とされる密着性を得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-79660号公報
特開昭59-129489号公報
国際公開WO2015/019596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、めっき析出性を担保するために、具体的な熱処理温度を設け、めっき析出性及び密着性を両立できる無電解めっき下地層の硬化プロセス及び該プロセスにより製造さ
れるめっき物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するものである。すなわち本発明は以下を包含する。
本発明の第1形態は、基板上にめっき下地塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程1、めっき下地層を熱処理温度T

により熱処理する工程2、無電解めっき又は無電解めっきと電解めっきにより金属めっき膜を基板上に形成する工程3、及び金属めっき膜を熱処理温度T

により熱処理し、金属めっき膜を有するめっき物が得られる工程4を含むめっき物の製造方法であって、前記めっき下地塗料は、エポキシ樹脂、導電性高分子、無機系フィラー及び溶媒を含み、前記導電性高分子と前記エポキシ樹脂は質量比で1:8~1:46の割合であり、前記熱処理温度T

は、溶剤が揮発する温度とめっき下地層の触媒吸着性が低下する温度との間にあり、前記熱処理温度T

は、エポキシ樹脂が硬化する温度と銅害が発生する温度との間にあることを特徴とするめっき物の製造方法に関する。
本発明の第2形態は、前記めっき下地塗料において、エポキシ樹脂1質量部に対して、前記無機系フィラーが0.3~1.0質量部が含まれる、第1形態に記載のめっき物の製造方法に関する。
本発明の第3形態は、前記導電性高分子と前記エポキシ樹脂は質量比で1:9~1:14の割合である、第1形態に記載のめっき物の製造方法に関する。
本発明の第4形態は、前記熱処理温度T

は、80℃~140℃であり、前記熱処理温度T

は120℃~150℃である、第1形態に記載のめっき物の製造方法に関する。
本発明の第5形態は第1形態乃至第4形態に記載されるめっき物の製造方法により製造されるめっき物に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明より、高温環境下に曝されても基材と金属めっき層との高い密着性を奏すると共に、めっき析出性にも優れるめっき物の製造方法及び該方法より製造されるめっき物が提供される。
具体的には、めっき析出性として、例えば配線の幅が100μm以上連続したパターンが密集している密部も確実にめっきできる性能が達成され、また、ピール強度0.35N/mm以上の密着性が達成される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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