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公開番号2024141845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053693
出願日2023-03-29
発明の名称ガスメータ、及びそれを備えたガス課金システム
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類G01F 1/66 20220101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】外部からの電力供給がない状態でも、ガスの種類等の変動に対応した流量の測定ができると共に、長期間に亘って継続使用を可能にする。
【解決手段】一対の低抵抗体R1、R2が設けられるバイパス流路BLでの温度分布に基づいてガスの質量流量を電力の供給により導出可能な質量流量導出部C2aとを備えると共に、ガス通流路Lのガスの通流方向を横断する方向に沿う梁部材HAに、一端を片持ち姿勢で取り付けられ、且つガスの流れにより振動して電力を発生する自己励起式の自励式発電シートGSを備え、ガス通流路Lにガスが通流しているときの自励式発電シートGSにて発電される電力が、少なくとも一対の低抵抗体R1、R2及び質量流量導出部C2aへ供給可能に構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力の供給によりガス通流路において超音波を送受信すると共に前記ガス通流路を通流する前記超音波の速度に基づいて前記ガス通流路を通流するガスの体積流量を導出する体積流量導出部を備えるガスメータであって、
前記ガス通流路を通流するガスの一部をバイパスして通流可能なバイパス流路と、前記バイパス流路でガスの通流方向に沿う形で設けられ且つ電力の供給により発熱する一対の低抵抗体と、一対の前記低抵抗体が設けられる前記バイパス流路での温度分布に基づいてガスの質量流量を電力の供給により導出可能な質量流量導出部とを備えると共に、
前記ガス通流路のガスの通流方向を横断する方向に沿う梁部材に、一端を片持ち姿勢で取り付けられ、且つ前記ガスの流れにより振動して電力を発生する自己励起式の自励式発電シートを備え、
前記ガス通流路にガスが通流しているときの前記自励式発電シートにて発電される電力が、少なくとも一対の前記低抵抗体及び前記質量流量導出部へ供給可能に構成されているガスメータ。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記ガス通流路を遮断する遮断弁が設けられると共に、
前記ガス通流路のガスの通流方向で前記遮断弁の下流側出口に、前記梁部材及び前記自励式発電シートが設けられている請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記梁部材は、鉛直方向に沿う形で形成される前記ガス通流路の管径方向に沿い且つ水平方向に沿って配設され、
前記自励式発電シートは、前記梁部材に一端を片持ち姿勢で取り付けられた自然状態において、一端から他端へ向かう方向が鉛直方向に沿う姿勢で配設されている請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記自励式発電シートは、前記梁部材に複数併設されると共に、電気的に直列に接続して設けられている請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項5】
前記ガス通流路にガスが通流しているときの前記自励式発電シートにて発電される電力は、一対の前記低抵抗体及び前記質量流量導出部へ供給されると共に前記体積流量導出部へ供給可能に構成されている請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項6】
前記ガス通流路にガスが通流しているときの前記自励式発電シートにて発電される電力は、蓄電されることなく、少なくとも一対の前記低抵抗体及び前記質量流量導出部へ供給可能に構成されている請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項7】
前記体積流量導出部にて導出される前記体積流量と、前記質量流量導出部にて導出される前記質量流量との積算値を各別に表示可能な表示部を備えている請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のガスメータを備えたガス課金システムであって、
前記体積流量導出部にて導出される単位時間当たりの前記体積流量と、前記質量流量導出部にて導出される単位時間当たりの前記質量流量とに基づいて、ガス料金を算出するガス課金システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の供給によりガス通流路において超音波を送受信すると共に前記ガス通流路を通流する前記超音波の速度に基づいて前記ガス通流路を通流するガスの体積流量を導出する体積流量導出部を備えるガスメータ、及びそれを備えたガス課金システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータとして、電力の供給によりガス通流路において超音波を送受信すると共に前記ガス通流路を通流する前記超音波の速度に基づいて前記ガス通流路を通流するガスの体積流量を導出する体積流量導出部を備える、所謂、超音波流量計が知られている(特許文献1を参照)。
昨今のガスの自由化により、バイオマス由来のガス等が供給されることに伴い、様々なガス種、ガス組成、熱量のガスが供給されるガス供給環境となることが想定される。
上述のようなガス供給環境の変化に対応するべく、上記特許文献1に開示の技術にあっては、ガスの種類等の変動に起因した超音波の送信強度の増幅異常警報の発報や、ガスの種類等の変動に起因したガス通流路の異常遮断が実行されることを防止できる超音波メータに係る技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-181174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上記特許文献1に開示の技術にあっては、ガスの種類等の変動に応じて、超音波の送信強度の増幅異常警報の発報や、ガスの種類等の変動に起因したガス通流路の異常遮断を防ぐことができるものの、ガスの種類等の変動に対応した流量の測定を行うような構成とはなっていなかった。
また、特許文献1に開示の超音波流量計のような従来の流量計は、電池駆動式であるため、消費電力を極力抑制するという制約下で運用されており、このような制約下において、ガスの種類等の変動に対応した流量の測定ができるような新たな流量計の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部からの電力供給がない状態でも、ガスの種類等の変動に対応した流量の測定ができると共に、長期間に亘って継続使用が可能なガスメータ、及びガス課金システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのガスメータは、
電力の供給によりガス通流路において超音波を送受信すると共に前記ガス通流路を通流する前記超音波の速度に基づいて前記ガス通流路を通流するガスの体積流量を導出する体積流量導出部を備えるガスメータであって、その特徴構成は、
前記ガス通流路を通流するガスの一部をバイパスして通流可能なバイパス流路と、前記バイパス流路でガスの通流方向に沿う形で設けられ且つ電力の供給により発熱する一対の低抵抗体と、一対の前記低抵抗体が設けられる前記バイパス流路での温度分布に基づいてガスの質量流量を電力の供給により導出可能な質量流量導出部とを備えると共に、
前記ガス通流路のガスの通流方向を横断する方向に沿う梁部材に、一端を片持ち姿勢で取り付けられ、且つ前記ガスの流れにより振動して電力を発生する自己励起式の自励式発電シートを備え、
前記ガス通流路にガスが通流しているときの前記自励式発電シートにて発電される電力を、少なくとも一対の前記低抵抗体及び前記質量流量導出部へ供給可能に構成されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、まずもって、ガス通流路のガスの通流方向を横断する方向に沿う梁部材に、一端を片持ち姿勢で取り付けられ、且つガスの流れにより振動して電力を発生する自己励起式の自励式発電シートを備えるから、ガス通流路に測定対象のガスが通流した場合に、当該自励式発電シートが振動することで、ガス通流時に電力を発生することができる。
更に、上記特徴構成によれば、ガス通流路を通流するガスの一部をバイパスして通流可能なバイパス流路と、バイパス流路でガスの通流方向に沿う形で設けられ且つ電力の供給により発熱する一対の低抵抗体と、一対の低抵抗体が設けられるバイパス流路での温度分布に基づいてガスの質量流量を電力の供給により導出可能な質量流量導出部とを備え、自励式発電シートにて発電される電力を、少なくとも一対の低抵抗体及び質量流量導出部へ供給可能に構成しているから、測定対象のガスがガス通流路を通流しているときに自励式発電シートにて発電される電力を、質量流量の導出時に電力を消費する電力消費部へ供給することで、外部から電力を供給することなく、質量流量を良好に導出することができる。
以上より、ガス通流路を伝播する超音波の速度に基づいて体積流量導出部にて導出される体積流量に加え、質量流量導出部にて導出される質量流量を、外部からの電力供給がない場合であっても、長期間に亘って測定可能なガスメータを実現できる。
【0008】
ガスメータの更なる特徴構成は、
前記ガス通流路を遮断する遮断弁が設けられると共に、
前記ガス通流路のガスの通流方向で前記遮断弁の下流側出口に、前記梁部材及び前記自励式発電シートが設けられている点にある。
【0009】
上記自励式発電シートは、ガスに乱流が発生している領域においては、ガスが整流である領域に比べて、高い発電電力を発生する。
上記特徴構成の如く、自励式発電シートを、ガス通流路のガスの通流方向で遮断弁の下流側出口であって、遮断弁やその弁座等によりガスの流れに乱流が生じる領域に、自励式発電シートを設けて、当該乱流により自励式発電シートを十分に振動させて、高い発電電力を得ることができる。
【0010】
ガスメータの更なる特徴構成は、
前記梁部材は、鉛直方向に沿う形で形成される前記ガス通流路の管径方向に沿い且つ水平方向に沿って配設され、
前記自励式発電シートは、前記梁部材に一端を片持ち姿勢で取り付けられた自然状態において、一端から他端へ向かう方向が鉛直方向に沿う姿勢で配設されている点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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