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公開番号2024141136
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052622
出願日2023-03-29
発明の名称ゴム補強用コード
出願人東レ・デュポン株式会社
代理人個人
主分類B60C 1/00 20060101AFI20241003BHJP(車両一般)
要約【課題】再生可能資源に由来する原材料を含み、タイヤ等に成形加工し易く、初期伸びを維持しつつ、一方で以降の伸度領域では高弾性率繊維特有の高弾性率を発揮する、ゴム補強用繊維コードを提供する。
【解決手段】有機繊維コードの表面を、少なくとも1層のラテックスを含むゴム用接着剤で被覆してなるゴム補強用コードであって、前記有機繊維コードが、再生可能資源に由来する原材料を含むナイロン繊維と、アラミド繊維を撚り合わせた撚糸コードであることを特徴とするゴム補強用コード。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機繊維コードの表面を、少なくとも1層のラテックスを含むゴム用接着剤で被覆してなるゴム補強用コードであって、
前記有機繊維コードが、再生可能資源に由来する原材料を含むナイロン繊維と、アラミド繊維を撚り合わせた撚糸コードであることを特徴とするゴム補強用コード。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記有機繊維コードは、再生可能資源に由来する原材料を含むナイロン繊維からなる1本以上の下撚りコード(A)と、アラミド繊維からなる1本以上の下撚りコード(B)が、それぞれ同一方向に撚糸された後、下撚り方向と逆方向に合撚されてなる複合コード(C)であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム補強用コード。
【請求項3】
前記ナイロン繊維は、脂肪族ジアミンと、再生可能資源に由来する原材料を含むジカルボン酸との縮重合によって得られるナイロン繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム補強用コード。
【請求項4】
前記有機繊維コードは、5%伸長時のヤング率が、1%伸長時のヤング率に対して2.0倍以上高いことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のゴム補強用コード。
【請求項5】
前記有機繊維コードは、再生資源に由来する原材料を含むナイロン繊維からなる下撚りコードの撚り係数TM(A)、アラミド繊維からなる下撚りコードの撚り係数TM(B)、及び合撚した複合コードの撚り係数TM(C)が、以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のゴム補強用コード。
0.5≦TM(A)/TM(B)≦1.0 (I)
1.0≦TM(C)/TM(B)≦1.5 (II)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ等に用いられるゴム補強用コードに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
タイヤコードは、ゴムとともにタイヤを形成する最も重要な材料である。タイヤの基本性能は、荷重負荷、制駆動、衝撃緩和、操縦安定性にある。タイヤコードに使用されている有機繊維としては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アラミド等があり、タイヤ種、適用部材、タイヤの要求性能に応じて使い分けされている。一般にタイヤコードに求められる性能は、強度、剛性(弾性率)、ゴムとの接着性、耐疲労性、寸法安定性、耐熱性等である。
【0003】
ナイロンは、耐疲労性、接着性の良さ、強度、伸びの高さが特徴で、ナイロン6、ナイロン66が、タイヤのカーカス材、ブレーカー材等に用いられている。ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)は、ナイロンより弾性率が高く、寸法安定性が良いが、接着性や強度が劣る。レーヨンは、タイヤの操縦安定性、乗心地を両立し易く、接着性が非常に良好で、加硫の際の熱収縮率が低い(耐熱性)点で優れているが、強度や耐疲労性が劣る。一方、アラミドは、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が、非常に高い強度と弾性率を有しており、乗用車用ラジアルタイヤや二輪車用タイヤのベルト材等として用いられている。
【0004】
しかしながら、ゴム補強用コードでは、成形加工のし易さから、初期伸びを維持することが求められ、その一方、以降の伸度領域では高弾性率が求められる。そのため、初期伸びが良好なナイロン繊維と、高弾性率を有するアラミド繊維との複合コードが多数提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0005】
特許文献1は、下撚りしたアラミド繊維ストランド2本を中間撚りしたもの1本と、下撚りしたナイロン繊維ストランド1本を、上撚りして得たコード(実施例1)は、下撚りしたアラミド繊維ストランド3本を撚り合わせたコード(比較例1)に比べて、コードの引抜き抗力(すなわち、ゴムとの接着力)が高く、タイヤの高速耐久性に優れることを開示している。
【0006】
特許文献2は、複数本のアラミド繊維の下撚り糸(A)と、1本のポリエステル繊維やポリアミド繊維の下撚り糸(B)を合糸して上撚りするときに、下撚り糸(A)の下撚り係数に対する、下撚り糸(B)の下撚り係数の比(B/A)を0.5~1.2とすることで、伸びの小ささと耐屈曲疲労性を両立でき、上撚り係数は、耐ホツレ性等の点から2以上が好ましく、引張強さや引張弾性率の点から4以下が好ましいことを開示している。
【0007】
特許文献3は、ホルマリンやレゾルシンは、近年、環境面から使用量の削減が求められているため、レゾルシン及びホルマリンを用いない環境への配慮がされた接着剤組成物に関する提案として、有機繊維コードが、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨン、リヨセル等、バイオ由来の材料から原材料を製造できる繊維を含むこと、また、接着剤組成物が、レゾルシン等のポリフェノール類、1,4-ベンゼンジカルボアルデヒド、ゴム成分を少なくとも含有することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-059464号公報(特許請求の範囲、表1等)
特開2021-175844号公報(特許請求の範囲、段落0042~0044等)
特開2021-143436号公報(特許請求の範囲、段落0010等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、タイヤ補強用コードで一般的に用いられる6,6ナイロンを、4,10ナイロン、6,10ナイロン等の再生可能資源由来の原材料に変える場合、繊維自体のガラス転移点の低下に起因する、熱によるゴム補強効果の低下が問題となる。例えば、ディップによる熱処理やタイヤ走行時における高温環境がもたらす、弾性率低下による走行安定性不良である。また、これらに対処するため、ゴム補強効果を増強させようとして撚り数を減少させると、タイヤ中での屈曲特性や圧縮疲労性が低下する。
【0010】
一方、特許文献1に開示の複合コードは、複合コードの露出面のコード外周に対するナイロンストランドのコード外周に沿った長さが一定範囲内になるように、撚り構造及び撚り数を調整するものであるが、アラミド繊維コードの下撚り数に対する、複合コードの上撚り数が小さいため、アラミド繊維特有の高弾性率を十分に発揮し得ない。特許文献2に開示の複合コードは、アラミド繊維の繊度が500~1500dtexの場合にのみ、伝動ベルトの引張強さが向上し、伸びの小ささと耐屈曲疲労性を両立できるとするが、アラミド下撚り係数4.0~4.5に対し、複合コードの撚り係数は2~4と小さいため、コード疲労後の強力保持率が低くなる。特許文献3は、再生可能資源に由来する原材料と、脱ホルマリン接着剤を含む有機繊維コードを開示しているが、複合コードに関する記載はない。
(【0011】以降は省略されています)

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