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公開番号
2024139796
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023050699
出願日
2023-03-28
発明の名称
硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびそれらの硬化物
出願人
日本化薬株式会社
代理人
主分類
C08L
65/00 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、高耐熱性、高弾性率、低線膨張率、低誘電正接に優れる硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物と、スチレン、ビニルベンゼン及びエチルビニルベンゼンからなる重合物とから成る硬化性樹脂組成物。
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(式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、または炭素数1~10のハロゲン化アルキル基を表す。p、rは0~4の整数、qは0~3の整数を表し、nは繰り返し数の平均値であり、1≦n≦20である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物と、下記式(2)で表される構造単位を含む重合物とから成る硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024139796000022.tif
37
166
(式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、または炭素数1~10のハロゲン化アルキル基を表す。p、rは0~4の整数、qは0~3の整数を表し、nは繰り返し数の平均値であり、1≦n≦20である。)
TIFF
2024139796000023.tif
37
166
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記式(2)で表される構造単位を含む重合物が、さらに下記式(3)で表される構造単位を含むものである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024139796000024.tif
38
166
(式(3)中、存在するRは水素原子、または炭素数1~10のアルキル基を表す。)
【請求項3】
さらに、不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル化合物、及び/又は、スチレン系単量体からなる重合体のブロック単位と共役ジエン化合物からなる重合体のブロック単位とからなるブロック共重合体の水素添加物、を含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル化合物が下記式(4)もしくは下記式(5)で表される請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024139796000025.tif
44
166
(式(4)中、nは繰り返し数の平均値であり、1<n<10である。)
TIFF
2024139796000026.tif
30
166
(式(5)中、nは繰り返し数の平均値であり、1<n<10である。)
【請求項5】
前記ブロック共重合体の水素添加物が下記式(6)で表される化合物である、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024139796000027.tif
37
166
(式(6)中、l,m,nは繰り返し数の平均値であり、1~10000の実数を表す。lとmとnで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合様式は、交互、ブロック、ランダムのいずれであってもよい。)
【請求項6】
さらに、マレイミド化合物、エチレン性不飽和結合を有する化合物、シアネートエステル樹脂、ポリブタジエンおよびこの変性物、ポリスチレンおよびこの変性物、ポリエチレンおよびこの変性物、のうちから選ばれる1種以上を含有する請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物をシート状の繊維基材の保持したプリプレグ。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
【請求項9】
請求項7に記載のプリプレグを硬化して得られる硬化物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびそれらの硬化物に関するものであり、半導体封止材、プリント配線板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどの軽量高強度材料、3Dプリンティング用途に好適に使用される。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電気・電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。従来の半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、中央処理装置(以下、CPUと表す。)などの処理能力の高い半導体チップは高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなってきている。
【0003】
現在開発が加速している第5世代通信システム「5G」では、さらなる大容量化と高速通信が進むことが予想されている。5Gでは使用する周波数の高周波化が進むことになるが、高周波を利用した高速通信の実現には伝送損失の低減が重要であり、基板材料の更なる低誘電特性が求められることとなる。プリント基板上で発生する伝送損失は導体損失と誘電体損失に由来する。非特許文献1で述べられている通り、導体損失は誘電体の比誘電率の平方根および誘電正接に比例するため、伝送損失低減には比誘電率以上に寄与度の高い誘電正接を改善することが効果的であると言える。低誘電正接を有する材料としてはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やLCP(液晶ポリマー)、ゴム材料に代表される熱可塑性材料が挙げられるが、熱硬化性樹脂と比較し成形性に乏しい。またゴム材料については線膨張率が高いため、基板に使用した場合、線膨張率の低いICチップとの線膨張率の差によりクラックが生じ、製品の信頼性を損なう恐れがある。これを踏まえ、低誘電特性に優れた熱硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有した組成物の開発が望まれている。
【0004】
このような背景を受けて、低誘電特性に優れる熱硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有した組成物の開発が検討されている。例えば、特許文献1ではマレイミド樹脂とプロペニル基含有フェノール樹脂を含む組成物が提案されている。しかしながら、一方で硬化反応時に反応に関与しないフェノール性水酸基が残存するため、電気特性が十分とは言えない。また特許文献2では水酸基をアリル基で置換したアリルエーテル樹脂が開示されている。しかしながら、190℃においてクライゼン転位が起こることが示されており、一般的な基板の成型温度である200℃においては、硬化反応に寄与しないフェノール性水酸基が生成することから電気特性を満足できるものではない。また、特許文献3では低誘電特性かつ耐熱性の高い硬化物が得られる樹脂組成物の提供を目的に単官能のマレイミド化合物とオレフィン含有の重合体を有する組成物が提案されているが、誘電特性が十分とは言えない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
プリント基板上高速信号伝送における信号損失要因(三井金属鉱業株式会社)第29回エレクトロニクス実装学会春季公演大会16P1-17
【特許文献】
【0006】
特開平04-359911号公報
国際公開第2016/002704号
特許第7190649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、高耐熱性、高弾性率、低線膨張率、低誘電正接に優れる硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、下記[1]~[9]に関する。なお、本願において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
下記式(1)で表される化合物と、下記式(2)で表される構造単位を含む重合物とから成る硬化性樹脂組成物。
【0009】
TIFF
2024139796000001.tif
37
166
【0010】
(式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、または炭素数1~10のハロゲン化アルキル基を表す。p、rは0~4の整数、qは0~3の整数を表し、nは繰り返し数の平均値であり、1≦n≦20である。)
(【0011】以降は省略されています)
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