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公開番号2024139628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023050662
出願日2023-03-27
発明の名称電力提供計画作成システム及びプログラム
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人イノベンティア
主分類G06Q 50/06 20240101AFI20241002BHJP(計算;計数)
要約【課題】電力を提供可能な市場が複数存在しても適切な電力提供計画を作成することができる電力提供計画作成システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】電力提供計画作成システム1は、提供指令に応じて提供する電力を取引する複数の市場のそれぞれの情報である市場情報と、複数の市場から受けた提供指令の情報である指令情報とを記憶する記憶部11と、市場情報及び指令情報に基づいて、複数の市場に電力を提供する計画である電力提供計画を作成する演算処理部12とを備える。市場情報には、複数の市場のそれぞれの優先順位が含まれており、演算処理部12は、ある市場の提供指令に応じて電力を提供すると、当該市場よりも優先順位が下位の市場の提供指令に応じて電力を提供することができない場合、当該下位の市場の提供指令に応じない電力提供計画を作成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
提供指令に応じて提供する電力を取引する複数の市場のそれぞれの情報である市場情報と、前記複数の市場から受けた提供指令の情報である指令情報と、を記憶する記憶部と、
前記市場情報及び前記指令情報に基づいて、前記複数の市場の提供指令に応じて電力を提供する計画である電力提供計画を作成する演算処理部と、を備え、
前記市場情報には、前記複数の市場のそれぞれの優先順位が含まれており、
前記演算処理部は、ある市場の提供指令に応じて電力を提供すると、当該市場よりも前記優先順位が下位の市場の提供指令に応じて電力を提供することができない場合、当該下位の市場の提供指令に応じない前記電力提供計画を作成する、電力提供計画作成システム。
続きを表示（約 830 文字）【請求項２】
前記記憶部は、提供指令に応じることが義務付けられている市場の優先順位が、提供指令を拒否することができる市場の優先順位よりも上位になるように設定されている前記市場情報を記憶する、請求項１に記載の電力提供計画作成システム。
【請求項３】
前記演算処理部は、前記複数の市場の提供指令への応答を妨げない範囲で、任意に提供する電力を取引する市場に電力を提供する前記電力提供計画を作成する、請求項１に記載の電力提供計画作成システム。
【請求項４】
前記演算処理部は、前記電力提供計画として蓄電池が放電する電力を提供する計画を作成するものであり、前記蓄電池の残量に基づいて前記複数の市場の提供指令に対して応答するか否かを判断する、請求項１～３のいずれか１項に記載の電力提供計画作成システム。
【請求項５】
前記演算処理部は、前記複数の市場の提供指令に応答することができるように前記蓄電池への充電を行う前記電力提供計画を作成する、請求項４に記載の電力提供計画作成システム。
【請求項６】
提供指令に応じて提供する電力を取引する複数の市場のそれぞれの情報である市場情報と、前記複数の市場から受けた提供指令の情報である指令情報と、を読み出す第１処理と、
前記市場情報及び前記指令情報に基づいて、前記複数の市場の提供指令に応じて電力を提供する計画である電力提供計画を作成する第２処理と、をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第１処理で読み出される前記市場情報には、前記複数の市場のそれぞれの優先順位が含まれており、
前記第２処理は、ある市場の提供指令に応じて電力を提供すると、当該市場よりも前記優先順位が下位の市場の提供指令に応じて電力を提供することができない場合、当該下位の市場の提供指令に応じない前記電力提供計画を作成するものである、プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電力提供計画を作成する電力提供計画作成システム及びプログラムに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、一般送配電事業者が管理する電力系統の需給バランスを調整するために、需要家から調整力の提供（需要の抑制、電力の供給）を受けるための市場が開設されている。このような市場に調整力を供給するためには、需要家において需給計画を作成する必要がある。例えば、特許文献１では、仮想発電所の制御要請に応えることで得られるメリットを加味して、電力需要の制御可能量を算出する需給計画を作成する需給計画装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－０２７３８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、需要家が調整力を提供する市場は、容量市場や需給調整市場など複数存在し、それぞれの市場において応答時間などの条件が異なる。そのため、需要家がこれらの市場に調整力を提供するとしても、どの市場にどれだけ調整力を提供すべきかを判断することが非常に困難である。そして、提供を義務付けられた電力の提供に失敗すれば取引停止などの重大なペナルティを課される場合があり、このようなペナルティを極力避けようとすれば調整力を十分に提供できないため、問題となる。
【０００５】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電力を提供可能な市場が複数存在しても、適切な電力提供計画を作成することができる電力提供計画作成システム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の目的を達成するために、以下に開示する電力供給計画作成システムは、提供指令に応じて提供する電力を取引する複数の市場のそれぞれの情報である市場情報と、前記複数の市場で取引して提供指令を受けた電力の情報である指令情報と、を記憶する記憶部と、前記市場情報及び前記指令情報に基づいて、前記複数の市場に電力を提供する計画である電力提供計画を作成する演算処理部と、を備え、前記市場情報には、前記複数の市場のそれぞれの優先順位が含まれており、前記演算処理部は、ある市場の提供指令に応じて電力を提供すると、当該市場よりも前記優先順位が下位の市場の提供指令に応じて電力を提供することができない場合、当該下位の市場の提供指令に応じない前記電力提供計画を作成する。
【発明の効果】
【０００７】
上記の電力供給計画作成システムによれば、演算処理部が、提供指令に応じて提供する電力を取引する複数の市場について設定された優先順位に基づいて、それぞれの市場の提供指令に対する応答を決定する。したがって、電力を提供可能な市場が複数存在しても、適切な電力提供計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
図１は、本発明の実施形態に係る電力提供計画作成システム１の構成の一例について示すブロック図である。
図２は、市場情報の一例を示す図である。
図３は、電力提供計画作成システム１による電力提供計画の作成方法の一例を示すグラフである。
図４は、電力提供計画作成システム１による電力提供計画の作成方法の一例を示すグラフである。
図５は、電力提供計画作成システム１による電力提供計画の作成方法の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、構成の一部が省略されたりしている。
【００１０】
最初に、需要家が市場に対して電力を提供する仕組みについて説明する。例えば、容量市場や需給調整市場に対して需要家が電力を提供する場合、これらの市場において、将来のある期間に提供される電力量が予め取引（入札及び落札）される。需要家は、電力量の取引後、当該期間が到来し、市場を運営する機関などから電力の提供を求める旨の指令（以下「提供指令」という）を受けると、当該提供指令に応じて電力を提供する。具体的に、需要家は、提供指令を受け付けた後、当該提供指令に従って電力系統に電力を供給する。また、市場によって、入札期限や、提供指令を受けてから応答するまでの時間、提供指令に従うことが義務付けられているか否か（提供指令に応答しないことで重大なペナルティを受けるか否か）などの規則が異なり得るし、電力市場のように、提供指令を受けることなく任意に提供する電力を取引する市場もある。
（【００１１】以降は省略されています）

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