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公開番号2024141708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053500
出願日2023-03-29
発明の名称電源管理システム
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類H02J 3/32 20060101AFI20241003BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力需給の逼迫度合いが高くなった場合に蓄電装置から十分な電力を放電させることができる電源管理システムを提供する。
【解決手段】電源管理システムであって、電源管理装置3は、複数の施設10のそれぞれについて、将来の所定期間での、太陽電池装置14の発電電力から電力消費装置15の消費電力を減算した余剰電力の積算値が基準余剰電力量より少ないと予測され、且つ、将来の所定期間に電力需給の逼迫度合いの高さを示す逼迫指標値が基準レベル以上になると予測され、且つ、現在の蓄電装置13の蓄電残量が基準残量より少ないという特別充電条件が満たされる場合、電力消費装置15の消費電力と蓄電装置13の充電電力との和が太陽電池装置14の発電電力を超えることを許容した状態で充電が行われる特別充電処理を蓄電装置13に行わせる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の施設のそれぞれに設置される蓄電装置と、複数の前記蓄電装置との間で情報通信可能な電源管理装置とを備える電源管理システムであって、
複数の前記施設のそれぞれには、電力系統に連系される前記蓄電装置、太陽電池装置及び電力消費装置が設けられ、
前記電源管理装置は、複数の前記施設のそれぞれについて、
前記太陽電池装置の発電電力から前記電力消費装置の消費電力を減算した余剰電力についての将来の所定期間での積算値が基準余剰電力量より少ないと予測され、且つ、将来の前記所定期間後に電力需給の逼迫度合いの高さを示す逼迫指標値が基準レベル以上になると予測され、且つ、現在の前記蓄電装置の蓄電残量が基準残量より少ないという特別充電条件が満たされない場合、前記電力消費装置の前記消費電力と前記蓄電装置の充電電力との和が前記太陽電池装置の前記発電電力を超えない範囲で充電が行われる通常充電処理を前記蓄電装置に行わせ、
前記特別充電条件が満たされる場合、前記電力消費装置の前記消費電力と前記蓄電装置の前記充電電力との和が前記太陽電池装置の前記発電電力を超えることを許容した状態で充電が行われる特別充電処理を前記蓄電装置に行わせる電源管理システム。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記蓄電装置は、前記特別充電処理において、前記充電電力が所定値になるように充電を行う請求項1に記載の電源管理システム。
【請求項3】
前記蓄電装置は、前記特別充電処理において、前記施設が前記電力系統から受電する受電電力が所定値になるように充電を行う請求項1に記載の電源管理システム。
【請求項4】
前記逼迫指標値は、複数の前記施設の前記電力消費装置の前記消費電力から複数の前記施設の前記太陽電池装置の前記発電電力を減算して導出される合計不足電力である請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理システム。
【請求項5】
前記逼迫指標値は、電力の取引価格である請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理システム。
【請求項6】
前記逼迫指標値は、前記電力系統での電力使用率である請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の施設のそれぞれに設置される蓄電装置と、複数の蓄電装置との間で情報通信可能な電源管理装置とを備える電源管理システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
住戸や事業所などの施設に太陽電池装置と蓄電装置とが設けられたシステムがある。施設に蓄電装置が設けられている場合、太陽電池装置が発電しているタイミングで蓄電装置が充電することもできるし、充電しないこともできる。例えば、特許文献1(特開2015-159726号公報)には、太陽電池装置の発電電力が電力消費装置の消費電力よりも大きい場合、その余剰電力を蓄電装置で充電し、その後、施設の電力消費装置の消費電力が太陽電池装置の発電電力よりも大きくなったタイミング、即ち不足電力が発生するタイミングで蓄電装置から放電させるような動作モードがある。つまり、この動作モードでは、太陽電池装置の発電電力を施設で消費することが優先される。
【0003】
尚、太陽電池装置のような発電装置は天候によって発電電力が増減するため、蓄電装置への充電電力を十分に確保できないこともある。そのような問題に鑑みて、特許文献2(特開2010-213507号公報)には、電力系統から受電した受電電力を蓄電装置に充電することも記載されている。具体的には、特許文献2に記載のシステムでは、蓄電地の残容量と、天気予報データに基づいて導出する自然エネルギー利用発電装置による予測発電量とを考慮して、蓄電装置が電力系統からの充電を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-159726号公報
特開2010-213507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3は、施設の受電点電力の推移を示す図である。尚、破線で示すのは、〔電力消費装置の消費電力-太陽電池装置の発電電力〕の値であり、上述した余剰電力又は不足電力に相当する。図3に示す例の場合、日中は太陽電池装置の発電電力が大きくなるため、〔電力消費装置の消費電力-太陽電池装置の発電電力〕が負の値になっている。つまり、余剰電力が発生している。それに対して、太陽電池装置の発電電力がゼロになる夕方から翌朝にかけての期間は、〔電力消費装置の消費電力-太陽電池装置の発電電力〕が正の値になっている。つまり、不足電力が発生している。
【0006】
図3に示す例では、時刻8時以降に発生する余剰電力は蓄電装置で充電され、蓄電装置の蓄電残量が増加する。そして、時刻11時頃に蓄電装置の蓄電残量が上限値に到達することでそれ以上は充電できなくなるため、その後の余剰電力は施設から電力系統へ逆潮流される。
【0007】
時刻17時頃になると、太陽電池装置の発電電力が減少すると共に電力消費装置の消費電力が大きくなり、〔電力消費装置の消費電力-太陽電池装置の発電電力〕は正の値になる(即ち、不足電力が発生する)。その時点では蓄電装置の蓄電残量が残っているため、その不足電力は蓄電装置の放電電力によって賄われる。但し、時刻19時頃に蓄電装置の蓄電残量が下限値になることでそれ以上は放電できなくなるため、その後の不足電力は電力系統から施設への受電電力で賄われる。
【0008】
このように、図3に示す例では、蓄電装置をそれが設けられる施設にとって好ましいタイミングで充放電させている。
【0009】
尚、蓄電装置を複数の施設のそれぞれのために運用するのではなく、複数の施設全体で運用することもできる。例えば、複数の施設の全体で見て買電電力が少なくなるように、各施設の蓄電装置を放電させるような運用も考えられる。特許文献2では、自身の蓄電装置の残容量を考慮して電力系統から受電するか否かを判定しているが、各施設の蓄電装置を複数の施設全体のために運用するという観点で、充電するか否かを決定することが好ましい場合もある。例えば、将来、複数の施設にとっての電力需給の逼迫度合いが高くなった場合に蓄電装置から十分な電力を放電できるように、各施設の蓄電装置で予め充電を行っておくことが好ましい場合もある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力需給の逼迫度合いが高くなった場合に蓄電装置から十分な電力を放電させることができる電源管理システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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