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公開番号
2024140738
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052047
出願日
2023-03-28
発明の名称
水素製造装置
出願人
大阪瓦斯株式会社
代理人
弁理士法人R&C
主分類
C01B
3/38 20060101AFI20241003BHJP(無機化学)
要約
【課題】全体構成の簡素化を図りながら、二酸化炭素を適切に回収できる水素製造装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を吸収する吸収液を液分離器18の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部31と、液分離器18の底部における液分が貯留される液分貯留部18aよりも上方箇所に、吸収液貯留部25を形成する状態で吸収液を受止め回収する仕切り部Aと、仕切り部Aの下方側に供給された改質ガスを吸収液貯留部25の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部Bと、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離して回収する分離回収部Qと、吸収液貯留部25に貯留された二酸化炭素を吸収した吸収液を分離回収部Qに供給する吸収液供給路Laと、二酸化炭素が分離された吸収液を分離回収部Qから吸収液供給部31に返送する吸収液返送路Lbと、が備えられている。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、
前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、
前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、
前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられた水素製造装置であって、
前記二酸化炭素を吸収する吸収液を前記液分離器の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部と、
前記液分離器の底部における前記液分が貯留される液分貯留部よりも上方箇所に、吸収液貯留部を形成する状態で前記吸収液を受止め回収する仕切り部と、
前記仕切り部の下方側に供給された前記改質ガスを前記吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部と、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液から前記二酸化炭素を分離して回収する分離回収部と、
前記吸収液貯留部に貯留された前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を前記分離回収部に供給する吸収液供給路と、
前記二酸化炭素が分離された前記吸収液を前記分離回収部から前記吸収液供給部に返送する吸収液返送路と、が備えられている水素製造装置。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
前記改質ガス排出部は、頂部が閉塞される状態で底部が開口され且つ周壁にガス排出孔を備えた筒状体にて構成されている請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記吸収液供給路を通して前記分離回収部に供給する前記吸収液の供給量を前記吸収液貯留部の液面高さを適正範囲内に維持するように調整する吸収液供給量調整部が設けられている請求項1又は2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記吸収液返送路を通して前記吸収液供給部に返送する前記吸収液の返送量を目標返送量に調整する吸収液返送量調整部が設けられている請求項1又は2に記載の水素製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられた水素製造装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
かかる水素製造装置は、改質処理部によって、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスに改質し、改質処理部からの改質ガスを冷却部にて冷却し、冷却された改質ガス中の液分を液分離器にて分離して液分の含有が少ない改質ガスを生成し、その改質ガスから圧力変動吸着部によって、水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着することにより、水素濃度の高い製品ガスを製造するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる水素製造装置の別の従来例として、改質処理部によって、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスに改質し、改質処理部からの改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収する吸収部を、改質処理部と圧力変動吸着部との間に設けて、吸収部にて改質ガスから二酸化炭素を吸収液に吸収し、二酸化炭素が吸収液に吸収された後の改質ガスから圧力変動吸着部によって、水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着することにより、水素濃度の高い製品ガスを製造するようにし、また、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離回収する分離回収部を設け、吸収部と分離回収部との間で吸収液を循環流動させるようにして、分離回収部において二酸化炭素を回収するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
つまり、特許文献2においては、圧力変動吸着部に供給される前の改質ガスから二酸化炭素を回収するようにしたものである。ちなみに、回収した二酸化炭素は、例えば原料として別の処理設備(例えば、液化炭酸ガス製造設備)に供給することにより、オフガスに含まれる二酸化炭素を有効利用できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-155242号公報
特開2012-176879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の水素製造装置においては、改質処理部からの改質ガスに含まれる液分を分離することなく、吸収部が、改質処理部からの改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収するものであるから、改質ガスに含まれる液分が吸収液を希薄化させることになり、吸収液による二酸化炭素の吸収量が減少して、二酸化炭素を適切に回収できなくなる不都合がある。
【0007】
この不都合を解決するために、特許文献1の水素製造装置において、液分離器と圧力変動吸着部との間に、吸収部を設けることが考えられるが、この場合には、液分離器に加えて吸収部が設けられるため、全体構成が複雑になる不都合がある。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、全体構成の簡素化を図りながら、二酸化炭素を適切に回収できる水素製造装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る水素製造装置は、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、
前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、
前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、
前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記二酸化炭素を吸収する吸収液を前記液分離器の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部と、
前記液分離器の底部における前記液分が貯留される液分貯留部よりも上方箇所に、吸収液貯留部を形成する状態で前記吸収液を受止め回収する仕切り部と、
前記仕切り部の下方側に供給された前記改質ガスを前記吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部と、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液から前記二酸化炭素を分離して回収する分離回収部と、
前記吸収液貯留部に貯留された前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を前記分離回収部に供給する吸収液供給路と、
前記二酸化炭素が分離された前記吸収液を前記分離回収部から前記吸収液供給部に返送する吸収液返送路と、が備えられている点にある。
【0010】
すなわち、改質処理部からの改質ガスが冷却部にて冷却された後に液分離器に流動すると、改質ガスに含まれる液分が、液分離器の底部の液分貯留部に分離され、液分が分離された改質ガスが上方に向けて流動する。上方に向けて流動する改質ガスは、改質ガス排出部により、仕切部にて受止め回収された吸収液の吸収液貯留部よりも上方箇所に排出される。
そして、吸収液貯留部よりも上方箇所に排出された改質ガスと吸収液供給部から供給される吸収液とが接触して、改質ガスに含まれる二酸化炭素が、吸収液供給部から供給される吸収液に吸収され、二酸化炭素を吸収した吸収液が、仕切部にて受止め回収されて吸収液貯留部に貯留される。
(【0011】以降は省略されています)
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