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公開番号
2024138085
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2024119375,2020125483
出願日
2024-07-25,2020-07-22
発明の名称
封止用シートおよびポリマー組成物層
出願人
味の素株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B32B
27/32 20060101AFI20240927BHJP(積層体)
要約
【課題】事前乾燥の省略が可能な、ポリマー組成物層の含水率が充分に低減された封止用シートを提供すること。
【解決手段】支持体、ポリマー組成物層、および保護シートをこの順に含む積層構造を有する封止用シートであって、ポリマー組成物層が、架橋構造を有するオレフィン系ポリマーおよび酸化カルシウムを含み、酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して40質量%以上であり、並びにポリマー組成物層の含水率が、ポリマー組成物層全体に対する質量基準で500ppm以下である封止用シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体、ポリマー組成物層、および保護シートをこの順に含む積層構造を有する封止用シートの製造方法であって、
ポリマー組成物層が、架橋構造を有するオレフィン系ポリマーおよび酸化カルシウムを含み、
酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して40質量%以上80質量%以下であり、並びに
ポリマー組成物層の含水率が、ポリマー組成物層全体に対する質量基準で500ppm以下であり、
(1)架橋構造を有するオレフィン系ポリマーおよび酸化カルシウムを有機溶剤に溶かして、ポリマー組成物のワニスを調製する工程、
(2)得られたワニスを支持体上に塗布して塗膜を形成する工程、
(3)得られた塗膜を乾燥してポリマー組成物層(乾燥塗膜)を形成する工程、および
(4)得られたポリマー組成物層に保護シートを積層して積層体を形成する工程
を含む、製造方法。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
(5)得られた積層体を加熱するエージングでポリマー組成物層の含水率を500ppm以下に低減させる工程
をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
架橋構造を有するオレフィン系ポリマーが、カルボキシ基および/または酸無水物基を有するオレフィン系ポリマーと、エポキシ基を有するオレフィン系ポリマーとから形成されている、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
支持体および保護シートの水蒸気透過度が、それぞれ、1(g/m
2
/24hr)以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
封止用シートが電子デバイスの封止に用いられる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
電子デバイスが有機ELデバイスまたは太陽電池である、請求項5に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの封止に有用な封止用シートおよびポリマー組成物層に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electroluminescence)デバイス、太陽電池等の電子デバイスを水分から保
護するため、ポリマー組成物層を用いて電子デバイスを封止することが行われている。
【0003】
電子デバイスの封止に適したポリマー組成物層としては、吸湿性フィラーを含有するものが知られている。例えば、特許文献1には、支持体と、吸湿性の金属水酸化物を含むポリマー組成物層とから構成される封止用シートが開示されている。
【0004】
封止用シート(特に、吸湿性フィラーを使用する封止用シート)では、電子デバイスの封止に用いられるポリマー組成物層の表面および内部に存在する水分が電子デバイスに悪影響を及ぼすことを回避するために、封止前に、封止用シートを乾燥することが行われる。例えば、特許文献2では、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、封止体にマイクロ波および遠赤外線を同時照射して、封止体を乾燥することが開示されている。
【0005】
封止用シート(特に、吸湿性フィラーを使用する封止用シート)では、その保管時に、ポリマー組成物層の吸湿を防ぐ必要がある。ポリマー組成物層の吸湿を防ぐために、例えば特許文献3では、水蒸気透過度が1(g/m
2
/24hr)以下である第1フィルムおよび第2フィルムでポリマー組成物層を保護することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/057708号
特開2006-269247号公報
国際公開第2018/181426号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
封止用シートの封止前の乾燥(以下「事前乾燥」と記載することがある)は、電子デバイスの製造コストの削減の観点から省略することが望まれている。また、低透湿性の支持体、ポリマー組成物層、および低透湿性の保護シートをこの順に含む積層構造を有する封止用シートでは、保護シートを剥離せずにポリマー組成物層を事前乾燥することは困難である。本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、本発明の目的は、事前乾燥の省略が可能な、ポリマー組成物層の含水率が充分に低減された封止用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成し得る本発明は、以下の通りである。
[1] 支持体、ポリマー組成物層、および保護シートをこの順に含む積層構造を有する封止用シートであって、
ポリマー組成物層が、架橋構造を有するオレフィン系ポリマーおよび酸化カルシウムを含み、
酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して40質
量%以上であり、並びに
ポリマー組成物層の含水率が、ポリマー組成物層全体に対する質量基準で500ppm以下である封止用シート。
[2] 酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して80質量%以下である前記[1]に記載の封止用シート。
[3] 架橋構造を有するオレフィン系ポリマーが、カルボキシ基および/または酸無水物基を有するオレフィン系ポリマーと、エポキシ基を有するオレフィン系ポリマーとから形成されている前記[1]または[2]に記載の封止用シート。
[4] 支持体および保護シートの水蒸気透過度が、それぞれ、1(g/m
2
/24hr)以下である前記[1]~[3]のいずれか一つに記載の封止用シート。
[5] 電子デバイスの封止に用いられる前記[1]~[4]のいずれか一つに記載の封止用シート。
[6] 電子デバイスが、有機ELデバイスまたは太陽電池である前記[5]に記載の封止用シート。
[7] 架橋構造を有するオレフィン系ポリマーおよび酸化カルシウムを含むポリマー組成物層であって、
酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して40質量%以上であり、並びに
ポリマー組成物層の含水率が、ポリマー組成物層全体に対する質量基準で500ppm以下であるポリマー組成物層。
[8] 酸化カルシウムの含有量が、ポリマー組成物層の不揮発分100質量%に対して80質量%以下である前記[7]に記載のポリマー組成物層。
[9] 架橋構造を有するオレフィン系ポリマーが、カルボキシ基および/または酸無水物基を有するオレフィン系ポリマーと、エポキシ基を有するオレフィン系ポリマーとから形成されている前記[7]または[8]に記載のポリマー組成物層。
【発明の効果】
【0009】
本発明の封止用シートのポリマー組成物層は含水率が充分に低く、事前乾燥の省略が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、支持体、ポリマー組成物層、および保護シートをこの順に含む積層構造を有する封止用シートを提供する。支持体とポリマー組成物層との間、およびポリマー組成物層と保護シートとの間に、他の層(例えば離型層)が存在していてもよい。また、本発明は、ポリマー組成物層自体も提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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