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公開番号
2024137540
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2023049096
出願日
2023-03-24
発明の名称
眼鏡および眼鏡の作動方法
出願人
住友ベークライト株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02C
7/10 20060101AFI20240927BHJP(光学)
要約
【課題】エレクトロクロミック素子をレンズが備えるものとした際に、着色と消色との切り替えを行え得るエレクトロクロミック素子において、この着色の維持を、優れた安定性をもって行うことができる眼鏡、および、かかる眼鏡の作動方法を提供すること。
【解決手段】本発明の眼鏡(サングラス100)は、レンズ30に、エレクトロクロミック素子60と、エレクトロクロミック素子60の作動を制御する制御部とを有する。このサングラス100において、制御部は、サングラス100の装着時に、制御部が備えるプログラムに基づいて、エレクトロクロミック素子60を着色させる第1の順電圧を、エレクトロクロミック素子60に印加し、その後、エレクトロクロミック素子60の着色を維持させるための第2の順電圧を、エレクトロクロミック素子60に印加するか、または着色を維持させるためにエレクトロクロミック素子60を開放させるように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電圧の印加により着色を呈するエレクトロクロミック素子をそれぞれ備える一対のレンズと、フレームと、電源と、該電源からの電力の供給により前記エレクトロクロミック素子の作動を制御する制御部と、を有する眼鏡であって、
前記制御部は、当該眼鏡の装着者による装着時に、該制御部に記録されたプログラムに基づいて、前記エレクトロクロミック素子を着色させるための第1の順電圧を、前記エレクトロクロミック素子に印加し、その後、前記エレクトロクロミック素子の前記着色を維持させるための第2の順電圧を、前記エレクトロクロミック素子に印加するか、もしくは、前記着色を維持させるために前記エレクトロクロミック素子を開放させるように構成されていることを特徴とする眼鏡。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記第2の順電圧は、前記第1の順電圧よりも電圧値が低い請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記エレクトロクロミック素子の開放時において、前記エレクトロクロミック素子に印加される電圧値は、0Vである請求項1に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記制御部は、前記プログラムに基づいて、前記エレクトロクロミック素子の前記着色の維持の後に、前記エレクトロクロミック素子を消色させるために、前記エレクトロクロミック素子を短絡させるように構成されている請求項1に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記制御部は、前記エレクトロクロミック素子の前記着色の維持を停止する指示を、前記装着者の当該眼鏡の操作により受け取る請求項4に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記制御部は、前記プログラムに基づいて、前記エレクトロクロミック素子を短絡させるのに先立って、もしくは、前記エレクトロクロミック素子の短絡の途中において、前記エレクトロクロミック素子に逆電圧を印加するように構成されている請求項4に記載の眼鏡。
【請求項7】
当該眼鏡は、前記電源を備える電源基板と、前記制御部を備える制御基板とを有し、
前記フレームは、1つの前記レンズがそれぞれ装着された一対のリム部と、一対の前記リム部同士を連結するブリッジ部と、一対の前記リム部にヒンジを介してそれぞれ1つずつ連結された一対のテンプル部とを有し、
前記電源基板は、一方の前記テンプル部に埋設され、前記制御基板は、他方の前記テンプル部に埋設されている請求項1に記載の眼鏡。
【請求項8】
前記プログラムにおける条件の設定を操作する操作部を備え、
前記操作部は、前記制御基板に対して、着脱自在に設けられ、
前記操作部は、前記制御基板に対する装着時に、前記条件の設定を行う請求項7に記載の眼鏡。
【請求項9】
前記プログラムにおける条件の設定を操作する操作部を備え、
前記制御部と、前記操作部とは、ともに通信機能を備え、
前記操作部は、前記通信機能を介して、前記制御部に接続された状態で、前記条件の設定を行う請求項7に記載の眼鏡。
【請求項10】
電圧の印加により着色を呈するエレクトロクロミック素子をそれぞれ備える一対のレンズと、フレームと、電源と、該電源からの電力の供給により前記エレクトロクロミック素子の作動を制御する制御部と、を有する眼鏡の作動方法であって、
当該眼鏡の装着者による装着時に、該制御部に記録されたプログラムに基づいて、前記エレクトロクロミック素子を着色させるための第1の順電圧を、前記制御部が前記エレクトロクロミック素子に印加する第1ステップと、
前記エレクトロクロミック素子の前記着色を維持させるための第2の順電圧を、前記制御部が前記エレクトロクロミック素子に印加するか、もしくは、前記着色を維持させるために前記制御部が前記エレクトロクロミック素子を開放させる第2ステップとを有することを特徴とする眼鏡の作動方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロクロミック素子を有するレンズを備える眼鏡およびこの眼鏡の作動方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
サングラスのような眼鏡(アイウエア)が備えるレンズとして、偏光性を有する偏光膜や、特定の波長領域の光を選択的に反射することで意匠性を付与することが可能なハーフミラー層を備える光学シートを、その表面に有するレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、レンズに、目的とする光学特性を付与するために、かかる光学特性を有する光学シートを、その表面に有するものが提案されている。
【0004】
また、これとは別に、電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムと言い、近年、このエレクトロクロミズムを示すエレクトロクロミック材料を用いたエレクトロクロミック素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このエレクトロクロミック素子は、例えば、電圧の印加により発色がなされ、エレクトロクロミック素子の短絡により消色して透明となることから、エレクトロクロミック素子に対する電圧の印加と、エレクトロクロミック素子の短絡との切り替えを行うことが可能なスイッチを設けることで、エレクトロクロミック素子における発色と消色とを、任意のタイミングで行い得るようになる。
【0006】
そこで、このエレクトロクロミック素子を、前述した光学シートに適用すること、すなわち、光学シートとして、エレクトロクロミック素子を有するエレクトロクロミックシートを用いることで、サングラスのような(眼鏡)アイウエアを、スイッチのON/OFFの切り替えにより、このアイウエアが備えるレンズおいて、発色と消色とを、任意のタイミングで切り替えが可能なものとし得ることが考えられる。
【0007】
このように、エレクトロクロミックシートにおいて、上記の通り、スイッチのON/OFFにより、すなわち、エレクトロクロミック素子への電圧の印加と短絡との切り替えにより、眼鏡が備えるレンズにおける、発色と消色との切り替えを行うことができる。しかしながら、装着者による眼鏡の装着時において、レンズ(エレクトロクロミック素子)の発色(着色)を、安定的に維持することが求められることとなるが、その手法について、詳細な検討がなされていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2009-294445号公報
特開2017-167317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、エレクトロクロミック素子をレンズが備えるものとした際に、着色と消色との切り替えを行え得るエレクトロクロミック素子において、この着色の維持を、優れた安定性をもって行うことができる眼鏡、および、かかる眼鏡の作動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、下記(1)~(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 電圧の印加により着色を呈するエレクトロクロミック素子をそれぞれ備える一対のレンズと、フレームと、電源と、該電源からの電力の供給により前記エレクトロクロミック素子の作動を制御する制御部と、を有する眼鏡であって、
前記制御部は、当該眼鏡の装着者による装着時に、該制御部に記録されたプログラムに基づいて、前記エレクトロクロミック素子を着色させるための第1の順電圧を、前記エレクトロクロミック素子に印加し、その後、前記エレクトロクロミック素子の前記着色を維持させるための第2の順電圧を、前記エレクトロクロミック素子に印加するか、もしくは、前記着色を維持させるために前記エレクトロクロミック素子を開放させるように構成されていることを特徴とする眼鏡。
(【0011】以降は省略されています)
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