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公開番号2024136104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047082
出願日2023-03-23
発明の名称膜ろ過装置およびその運転方法
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 61/08 20060101AFI20240927BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】省スペースかつ低コストで処理水質を向上させる。
【解決手段】膜ろ過装置10は、逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段11と、原水供給源1とろ過手段11の一次側とを接続する供給ラインL1と、ろ過手段11の二次側とユースポイント2とを接続する透過水ラインL2と、貯水タンク12と、貯水タンク12と供給ラインL1とを接続する合流ラインL6と、透過水ラインL2と貯水タンク12とを接続する返送ラインL7と、供給ラインL1と合流ラインL6との接続部の近傍に設けられ、原水供給源1と貯水タンク12とのどちらをろ過手段11の一次側に連通させるかを切り替える第1の流路切替手段SV1,SV2と、透過水ラインL2と返送ラインL7との接続部に設けられ、ろ過手段11の二次側を貯水タンク12とユースポイント2とのどちらに連通させるかを切り替える第2の流路切替手段TV1と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、
原水供給源と前記ろ過手段の一次側とを接続する供給ラインと、
前記ろ過手段の二次側とユースポイントとを接続する透過水ラインと、
貯水タンクと、
前記貯水タンクと前記供給ラインとを接続する合流ラインと、
前記透過水ラインと前記貯水タンクとを接続する返送ラインと、
前記供給ラインと前記合流ラインとの接続部またはその近傍に設けられ、前記原水供給源と前記貯水タンクとのどちらを前記ろ過手段の一次側に連通させるかを切り替える第1の流路切替手段と、
前記透過水ラインと前記返送ラインとの接続部またはその近傍に設けられ、前記ろ過手段の二次側を前記貯水タンクと前記ユースポイントとのどちらに連通させるかを切り替える第2の流路切替手段と、を有する膜ろ過装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記第1の流路切替手段と前記第2の流路切替手段とを制御し、前記膜ろ過装置による膜分離処理を第1の処理と第2の処理とに切り替える制御部を有し、
前記制御部は、前記第1の処理では、前記原水供給源を前記ろ過手段の一次側に連通させるとともに前記ろ過手段の二次側を前記貯水タンクに連通させ、前記原水供給源からの原水を前記ろ過手段に供給して一次透過水と一次濃縮水とに分離し、前記分離した一次透過水を前記貯水タンクに貯留し、前記第2の処理では、前記貯水タンクを前記ろ過手段の一次側に連通させるとともに前記ろ過手段の二次側を前記ユースポイントに連通させ、前記貯水タンクに貯留された一次透過水を前記ろ過手段に供給して二次透過水と二次濃縮水とに分離し、前記分離した二次透過水を前記ユースポイントに供給する、請求項1に記載の膜ろ過装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記膜ろ過装置の膜分離処理を前記第2の処理に切り替える前に、前記貯水タンクを前記ろ過手段の一次側に連通させるとともに前記ろ過手段の二次側を前記貯水タンクに連通させ、前記貯水タンクに貯留された一次透過水を前記ろ過手段に供給して二次透過水と二次濃縮水とに分離し、前記分離した二次透過水を前記貯水タンクに還流させる、請求項2に記載の膜ろ過装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記分離した二次透過水の水質が所定の水質基準を満たした場合に前記還流を終了し、前記膜ろ過装置の膜分離処理を前記第2の処理に切り替える、請求項3に記載の膜ろ過装置。
【請求項5】
前記ろ過手段からの一次濃縮水または二次濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐して前記供給ラインに接続され、前記濃縮水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の残りを前記供給ラインに還流させる還流水ラインと、
前記排水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の流量を調整する流量調整手段と、を有し、
前記制御部は、前記膜ろ過装置による膜分離処理時に、前記透過水ラインを流れる一次透過水または二次透過水の流量と前記排水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の流量との和に対する前記透過水ラインを流れる一次透過水または二次透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて、前記排水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の流量の目標流量を算出し、前記排水ラインを流れる一次濃縮水または二次濃縮水の流量が前記目標流量になるように前記流量調整手段を制御する排水流量制御を実行する、請求項2から4のいずれか1項に記載の膜ろ過装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の処理では、前記回収率の目標値を第1の目標値に設定し、前記第2の処理では、前記回収率の目標値を前記第1の目標値を上回る第2の目標値に設定する、請求項5に記載の膜ろ過装置。
【請求項7】
前記ろ過手段に供給される原水または一次透過水と、前記ろ過手段からの一次透過水または二次透過水と、前記ろ過手段からの一次濃縮水または二次濃縮水とのいずれかの水温を検出する水温検出手段を有し、
前記制御部は、前記第1の処理では、前記水温検出手段による検出値に基づいて、前記ろ過手段の前記逆浸透膜またはナノろ過膜の膜面にシリカまたはカルシウムが析出しない最大の回収率を算出し、該算出した値を前記第1の目標値として設定する、請求項6に記載の膜ろ過装置。
【請求項8】
前記ろ過手段に供給される原水または一次透過水の導電率を検出する第1の導電率検出手段と、
前記ろ過手段からの一次透過水または二次透過水の導電率を検出する第2の導電率検出手段と、を有し、
前記制御部は、前記第2の処理では、前記水温検出手段による検出値と、前記第1の処理における前記第1および第2の導電率検出手段による検出値とに基づいて、前記ろ過手段の前記逆浸透膜またはナノろ過膜の膜面にシリカまたはカルシウムが析出しない最大の回収率を算出し、該算出した値を前記第2の目標値として設定するか、または、予め定められた値を前記第2の目標値として設定する、請求項7に記載の膜ろ過装置。
【請求項9】
前記ろ過手段に供給される原水または一次透過水の圧力を調整する圧力調整手段を有し、
前記制御部は、前記膜ろ過装置による膜分離処理時に、前記排水流量制御と並行して、前記透過水ラインを流れる一次透過水または二次透過水の流量が予め定められた設定流量になるように前記圧力調整手段を制御する透過水流量制御を実行する、請求項5に記載の膜ろ過装置。
【請求項10】
逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、貯水タンクとを有する膜ろ過装置の運転方法であって、
原水供給源を前記ろ過手段の一次側に連通させるとともに前記ろ過手段の二次側を前記貯水タンクに連通させ、前記原水供給源からの原水を前記ろ過手段に供給して一次透過水と一次濃縮水とに分離し、前記分離した一次透過水を前記貯水タンクに貯留する工程と、
前記貯水タンクを前記ろ過手段の一次側に連通させるとともに前記ろ過手段の二次側をユースポイントに連通させ、前記貯水タンクに貯留された一次透過水を前記ろ過手段に供給して二次透過水と二次濃縮水とに分離し、前記分離した二次透過水を前記ユースポイントに供給する工程と、を含む、膜ろ過装置の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膜ろ過装置およびその運転方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
被処理水に含まれる不純物を除去する水処理装置として、逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有する膜ろ過装置が知られている。この装置では、所定の供給圧力でRO膜またはNF膜に供給された被処理水(原水)が、RO膜またはNF膜により、透過水と濃縮水とに分離される。これにより、不純物が除去された処理水(透過水)を得ることができる。
【0003】
RO膜またはNF膜を有する膜ろ過装置では、多くの場合、水の有効利用(節水)の観点から、不純物を含む濃縮水の一部を濃縮排水として外部に排出し、残りを濃縮還流水としてRO膜またはNF膜の上流側に還流させる構成が採用されている。これにより、すべての濃縮水を濃縮排水として排出する場合に比べて、回収率(透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合)を向上させて節水を実現することができる。それと同時に、このような膜ろ過装置では、水温の変化(すなわち、水の粘性の変化)による透過水の流量変化に対応するために、加圧ポンプの回転数を制御することでRO膜またはNF膜への原水の供給圧力を調整して、透過水の流量を一定に維持する流量制御が行われている。透過水の流量制御では、透過水の流量が一定になるように原水の供給圧力を調整すると、それに応じて濃縮水の流量も変化する。このような濃縮水の流量変化は、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりの発生や、圧力損失の増大による膜の破損につながるため、透過水の流量制御を行う場合には、濃縮水(濃縮還流水または濃縮排水)の流量制御も行うことが望ましい。例えば、特許文献1には、透過水の流量制御に加え、濃縮排水の流量を設定流量に調整する流量制御を行うことが記載されている。
【0004】
一方で、RO膜またはNF膜を有する膜ろ過装置では、処理水質の向上を目的として、複数のRO膜またはNF膜で原水を順次処理することも行われている。特許文献1には、上述した流量制御が行われるRO膜またはNF膜の下流側に、さらに別のRO膜またはNF膜を設け、上流側のRO膜またはNF膜で分離された透過水を下流側のRO膜またはNF膜でさらに処理することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-167146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数のろ過手段(RO膜またはNF膜)を有する構成は、設置スペースに余裕がある場合にしか採用することができず、加圧ポンプとして容量が大きいものを採用する必要があるなど、コスト面での制約も大きい。
【0007】
そこで、本発明の目的は、省スペースかつ低コストで処理水質を向上させる膜ろ過装置およびその運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明の膜ろ過装置は、逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、原水供給源とろ過手段の一次側とを接続する供給ラインと、ろ過手段の二次側とユースポイントとを接続する透過水ラインと、貯水タンクと、貯水タンクと供給ラインとを接続する合流ラインと、透過水ラインと貯水タンクとを接続する返送ラインと、供給ラインと合流ラインとの接続部またはその近傍に設けられ、原水供給源と貯水タンクとのどちらをろ過手段の一次側に連通させるかを切り替える第1の流路切替手段と、透過水ラインと返送ラインとの接続部またはその近傍に設けられ、ろ過手段の二次側を貯水タンクとユースポイントとのどちらに連通させるかを切り替える第2の流路切替手段と、を有している。
【0009】
また、本発明の膜ろ過装置の運転方法は、逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、貯水タンクとを有する膜ろ過装置の運転方法であって、原水供給源をろ過手段の一次側に連通させるとともにろ過手段の二次側を貯水タンクに連通させ、原水供給源からの原水をろ過手段に供給して一次透過水と一次濃縮水とに分離し、分離した一次透過水を貯水タンクに貯留する工程と、貯水タンクをろ過手段の一次側に連通させるとともにろ過手段の二次側をユースポイントに連通させ、貯水タンクに貯留された一次透過水をろ過手段に供給して二次透過水と二次濃縮水とに分離し、分離した二次透過水をユースポイントに供給する工程と、を含んでいる。
【0010】
このような膜ろ過装置およびその運転方法によれば、単一(同一)のろ過手段で原水を2度処理することが可能になり、2つのろ過手段を有する構成で実施されるのと同様の処理工程を実施することができる。その結果、新たな設置スペースを確保したり、余分なコストをかけたりすることなく、2つのろ過手段を有する構成で得られるのと同様の良好な処理水質を得ることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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