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公開番号
2024132159
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023042840
出願日
2023-03-17
発明の名称
排ガス浄化用触媒
出願人
株式会社キャタラー
代理人
個人
,
個人
主分類
B01J
27/232 20060101AFI20240920BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】NOx吸蔵性能が良好である排ガス浄化用触媒を提供すること。
【解決手段】ここに開示される排ガス浄化用触媒は、基材10と、該基材10の上に配置される触媒層20と、を備えている。触媒層20は、少なくともPdを含む第1層21と、触媒金属およびNOx吸蔵材を含む第2層22と、少なくともRhを含む第3層23と、を含む。第2層22は、触媒金属として少なくともPtおよびPdを含む第2層上流側部分22aと、触媒金属として少なくともPtを含む第2層下流側部分22bと、を有しており、第2層上流側部分22aにおける触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率A、第2層下流側部分22bにおける前記触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率Bとしたときに、Pd含有率Aは0.5未満であり、かつ、Pd含有率Aは前記Pd含有率Bよりも高い。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
基材と、
該基材の上に配置される触媒層と、を備えており、
前記触媒層は、
前記基材の上に配置され、触媒金属として少なくともPdを含む第1層と、
前記第1層の上に配置され、触媒金属およびNOx吸蔵材を含む第2層と、
前記第2層の上に配置され、触媒金属として少なくともRhを含む第3層と、
を含み、
前記第2層は、前記排ガスの流通方向において前記基材の上流側端部から下流側に向けて配置され、前記触媒金属として少なくともPtおよびPdを含む上流側部分と、
前記排ガスの流通方向において前記基材の下流側端部から上流側に向けて配置され、前記触媒金属として少なくともPtを含む下流側部分と、
を有しており、
ここで、前記上流側部分における前記触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率A、前記下流側部分における前記触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率Bとしたときに、
前記Pd含有率Aは0.5未満であり、かつ、
前記Pd含有率Aは前記Pd含有率Bよりも高い、排ガス浄化用触媒。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記第2層のPd含有量に対する前記第2層のPt含有量の比が3以上である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項3】
前記下流側端部は触媒金属としてPdを含み、前記Pd含有率Bが0.3未満である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項4】
前記上流側部分における前記触媒金属の含有量に対するPt含有量の比をPt含有率Cとしたときに、該Pt含有率Cは0.5以上0.7以下である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項5】
前記下流側部分における前記触媒金属の含有量に対するPt含有量の比をPt含有率Dとしたときに、該Pt含有率Dは0.7以上である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項6】
前記Pd含有率Bに対する前記Pd含有率Aの比(A/B)が2以上である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項7】
前記上流側部分のコート量(g/L)に対する前記下流側部分のコート量(g/L)が0.9以上1.1以下である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項8】
前記NOx吸蔵材がアルカリ土類金属を含む、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項9】
前記NOx吸蔵材がバリウムを含む、請求項8に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項10】
前記第3層は、触媒金属としてRhおよびPdを含む、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、排ガス浄化用触媒に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分が含まれる。従来、これらの有害成分を除去するために、基材と、触媒金属を含む触媒層と、を備えた排ガス浄化用触媒が用いられている。排ガス浄化用触媒に供給された排ガスは、触媒層と接触し、有害成分が浄化される。例えば、排ガス中のHCやCOは酸化されて水(H
2
O)や二酸化炭素(CO
2
)に変換(浄化)され、排ガス中のNOxは還元されて窒素(N
2
)に変換(浄化)される
。
【0003】
内燃機関の始動時は、排ガス浄化用触媒が十分に暖機されておらず、触媒金属の活性が低い。このため、触媒金属が所定の活性温度に達するまで、有害成分の残った状態で排ガスが排出されてしまう虞がある。そのため、内燃機関の始動時に供給する混合気の空燃比(A/F)を薄くして、内燃機関の制御をリーン(酸素過剰)の状態、所謂、リーン始動制御とすることで、COやHCを低減させることがある。しかし、リーン雰囲気ではNOxから酸素を引き抜くことが困難で、NOxを浄化できない課題がある。そこで、リーン始動制御時の暖機過程におけるNOxの排出を抑制するために、NOx吸蔵材を含むNOx吸蔵還元(NSR:NOx Storage-Reduction)触媒が広く用いられている(特許文献1~3参照)。
【0004】
特許文献1には、三層からなり、下層にPtおよび/またはPdと酸素吸蔵材とを含み、中層にPtおよび/またはPdとNOx吸蔵材とを含み、表層にRhを含む排ガス浄化用触媒が開示されている。特許文献2には、Pdと、PtおよびRhの一種およびNOx吸蔵材と、を含み、Pdが上流側に担持されている排ガス浄化用触媒が開示されている。特許文献3には、PtおよびPdを含む金属層と、耐火性無機酸化物およびNOx吸蔵材とを含む触媒層を備え、PtとPdの担持量の比率(Pt/Pd)が0.7以上1未満である排ガス浄化用触媒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-143935号公報
特開2009-000624号公報
特開2010-104898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
NOx吸蔵材は、混合気の空燃比が酸素過剰(リーン)である状態ではNOxを硝酸塩の形態で一時的に吸蔵し、空燃比がストイキ~リッチに切り替えられると吸蔵したNOxを放出する機能を有する成分である。排ガス中のNOxは、大部分が一酸化窒素(NO)であり、NOx吸蔵材がNOxを硝酸塩の形態で好適に吸蔵するためには、当該NOが酸化されたNO
2
を生成する必要がある。本発明者らが検討した結果によれば、Ptはリーン雰囲気下でのNO酸化性能が高いが、その一方でPtは耐熱性が低い。高温かつ雰囲気変動する環境下では、Ptがシンタリングすることで触媒性能が低下しやすい傾向にある。このため、NOx吸蔵性能が低下するという課題がある。
【0007】
本発明は上述の課題を鑑みてなされたものであり、NOx吸蔵性能が良好である排ガス浄化用触媒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を実現するべく、ここに開示される技術によって下記の構成の排ガス浄化用触媒が提供される。
【0009】
ここに開示される排ガス浄化用触媒(1)は、内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、基材と、該基材の上に配置される触媒層と、を備えている。上記触媒層は、上記基材の上に配置され、触媒金属として少なくともPdを含む第1層と、上記第1層の上に配置され、触媒金属およびNOx吸蔵材を含む第2層と、上記第2層の上に配置され、触媒金属として少なくともRhを含む第3層と、を含む。上記第2層は、上記排ガスの流通方向において上記基材の上流側端部から下流側に向けて配置され、上記触媒金属として少なくともPtおよびPdを含む上流側部分と、上記排ガスの流通方向において上記基材の下流側端部から上流側に向けて配置され、上記触媒金属として少なくともPtを含む下流側部分と、を有している。ここで、上記上流側部分における上記触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率A、上記下流側部分における上記触媒金属の含有量に対するPd含有量の比をPd含有率Bとしたときに、上記Pd含有率Aは0.5未満であり、かつ、上記Pd含有率Aは上記Pd含有率Bよりも高い。
【0010】
排ガス浄化用触媒の上流側の領域では、高温の排ガスが流入しやすいため、Ptの劣化(例えば浄化性能の低下)が生じやすい。そこで、第2層上流側部分においてNOx吸蔵材と、触媒金属としてのPdおよびPtと、を含むことにより、Ptの耐熱性を向上させることができる。また、排ガス浄化用触媒の下流側の領域では、高温の排ガスが比較的流入し難いため、Ptの劣化が進行しにくい。このため、第2層下流側部分においては、NO酸化性能が高いPtを多く含むことにより、NOx吸蔵量を高くすることができる。かかる構成によれば、耐久後もPtのNO酸化性能が好適に発揮され、NOx吸蔵性能が良好な排ガス浄化用触媒を実現することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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