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公開番号2024136043
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046997
出願日2023-03-23
発明の名称シールド掘進機のテールシールの交換方法
出願人株式会社奥村組
代理人個人
主分類E21D 11/00 20060101AFI20240927BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】シールド掘進機のテールシールの交換を機内から行えるようにする。
【解決手段】後胴内筒部5baに後続設置されて軸方向に移動する後胴外筒部5bbには、後方に向かう内周面の周方向に第1、第2の固定部材用溝部21,22および伝達部材用溝部23が形成されている。そして、中間リング体16に固定され且つ第1の固定部材用溝部21に嵌まり込んで後胴外筒部5bbを後胴内筒部5baに固定している固定部材17を第2の固定部材用溝部22に移設し、一部のシールドジャッキ9bをセグメントに押し当て、他のシールドジャッキ9bを所定長引いて伝達部材用溝部23に嵌まり込んだ伸縮力伝達部材18を先端に固定し、一部のシールドジャッキ9bを引いて後胴外筒部9bbを第2の状態に移動してテールシール12Baを機内に露出させ、バックリング防止部材25を取り替えながらテールシール12Baを交換する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
カッタヘッドが設置された前胴部と、
前記前胴部側に位置して複数本のシールドジャッキが設けられた後胴内筒部、前記後胴内筒部に後続して当該後胴内筒部と部分的に重なり合って設置されるとともに軸方向に移動可能な後胴外筒部、および前記後胴外筒部の後端に設けられたテールシールを有する後胴部と、
を備え、
前記後胴外筒部には、
内周面において前方から後方に向かってそれぞれ周方向に形成された第1の固定部材用係合部、第2の固定部材用係合部および伝達部材用係合部と、
前記第1の固定部材用係合部に着脱可能に係合して前記後胴部の長さが相対的に長くなった第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、前記第2の固定部材用係合部に着脱可能に係合して前記後胴部の長さが相対的に短くなって前記テールシールが機内に露出する第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定する固定部材と、
前記伝達部材用係合部に着脱可能に係合して前記シールドジャッキのスプレッダを前記後胴外筒部に固定する伸縮力伝達部材とが設けられ、
前記後胴内筒部には、
前記固定部材が固定されて前記第1の状態および前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定する固定台が設けられた、
シールド掘進機のテールシールの交換方法であって、
前記固定台に固定され且つ前記第1の固定部材用係合部に係合して前記第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定している前記固定部材を前記第2の固定部材用係合部に移設し、
前記シールドジャッキのうちの一部のシールドジャッキをトンネルを形成するセグメントに押し当て、前記シールドジャッキのうち前記一部のシールドジャッキを除く他のシールドジャッキを所定長引いた後にバックリング防止部材を介在してセグメントに押し当て、
前記一部のシールドジャッキを所定長引き、前記伸縮力伝達部材を前記伝達部材用係合部に係合するとともに前記一部のシールドジャッキの先端に固定し、
前記第2の固定部材用係合部に係合した前記固定部材が前記固定台に当たる位置まで前記一部のシールドジャッキを引き、前記伸縮力伝達部材を介して前記後胴外筒部を前記第2の状態に移動して前記テールシールを機内に露出させ、
前記固定部材を前記固定台に固定して前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、
前記バックリング防止部材と干渉しない部分の前記テールシールを交換し、
前記一部のシールドジャッキに固定された前記伸縮力伝達部材を取り外して前記バックリング防止部材を介在してセグメントに押し当てるとともに、前記他のシールドジャッキから前記バックリング防止部材を外し、
新たに前記バックリング防止部材と干渉しなくなった部分の前記テールシールを交換した後にセグメントを組み立て、
前記固定部材を前記固定台に固定し且つ前記第2の固定部材用係合部に係合して前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定した状態で、前記一部のシールドジャッキをセグメントに押し当て、
前記他のシールドジャッキの延長線上の前記伝達部材用係合部に前記伸縮力伝達部材を係合し、前記伸縮力伝達部材のセグメント側にスペーサを取り付け、さらに前記固定部材を撤去し、
前記一部の前記シールドジャッキおよび前記他のシールドジャッキを伸ばして前記後胴内筒部を前方に移動させて前記後胴外筒部を前記第1の状態にして、前記固定部材を前記第1の固定部材用係合部に係合させて前記固定台に固定して前記第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、
前記一部のシールドジャッキをセグメントに押し当てておいて、前記他のシールドジャッキから前記伸縮力伝達部材と前記スペーサとを撤去する、
ことを特徴とするシールド掘進機のテールシールの交換方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記固定台は、前記後胴内筒部の内周面に沿って環状をなす中間リング体に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機の後胴部の伸縮方法。
【請求項3】
前記第1の固定部材用係合部、前記第2の固定部材用係合部および前記伝達部材用係合部は、前記後胴外筒部の内周面にそれぞれ形成されて前記固定部材または前記伸縮力伝達部材が嵌まり込む第1の固定部材用溝部、第2の固定部材用溝部および伝達部材用溝部である、
ことを特徴とする請求項1または2記載のシールド掘進機のテールシールの交換方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機に設けられたテールシールの交換方法に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
地盤を掘削してトンネルや地下鉄などシールドトンネルの掘削に使用される装置として、シールド掘削機が知られている。
【0003】
このシールド掘削機はスキンプレートの進行方向先端にカッタヘッドが回転可能に設置されており、当該カッタヘッドにはビットが円周状・放射状に複数配置されている。そして、カッタヘッドを掘削面(切羽)に押し付けて回転させながら進むことにより、地盤が円形に掘削されていく。このとき、シールド掘削機の機内では、筒状に組み立てられたセグメントがシールド掘削機の掘進に合わせてスキンプレートの後方に押し出される。
【0004】
ここで、シールド掘進機を構成するスキンプレートの後端には、シールド工事においてスキンプレートとセグメントの間をシールしてシールド掘進機内への地下水侵入を防止するためのテールシールが設けられている。このテールシールはセグメントの外周面に押し当てられた状態でシールド掘進機の掘進に伴って移動する。また、シールドトンネルの長距離化が進んでいる(一般的に、1.5km以上が長距離、3.0km以上が超長距離と呼ばれる。)。このようなシールドトンネルの長距離化に伴うテールシールの劣化や損傷(シール部材自体の変形、ワイヤブラシの抜けや変形など)に因って、セグメントに不具合が生じたり、推力が異常に上昇したりする等、様々なトラブルが発生している。そこで、このようなトラブルを未然に回避するために、掘進途中において、テールシールの交換作業が必要になる。
【0005】
なお、シールド掘進機におけるテールシールの交換については、例えば特許文献1に記載があり、後胴部のスキンプレートを2重にしておき、内側のスキンプレートを地中に残した状態で掘進して前進することで、それまで内側のスキンプレートで覆われていた外側のスキンプレートの内周面を坑内に露出させ、この内周面に坑内から新たなテールシールを取り付けるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-133424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、前述したシールドトンネルの施工においては、テールシールの劣化や損傷に起因するトラブルを防止するため、掘進途中において、テールシールの交換作業をシールド機内から行うことが必要になる。
【0008】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、シールド掘進機のテールシールの交換作業をシールド機内から行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のシールド掘進機のテールシールの交換方法は、カッタヘッドが設置された前胴部と、前記前胴部側に位置して複数本のシールドジャッキが設けられた後胴内筒部、前記後胴内筒部に後続して当該後胴内筒部と部分的に重なり合って設置されるとともに軸方向に移動可能な後胴外筒部、および前記後胴外筒部の後端に設けられたテールシールを有する後胴部と、を備え、前記後胴外筒部には、内周面において前方から後方に向かってそれぞれ周方向に形成された第1の固定部材用係合部、第2の固定部材用係合部および伝達部材用係合部と、前記第1の固定部材用係合部に着脱可能に係合して前記後胴部の長さが相対的に長くなった第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、前記第2の固定部材用係合部に着脱可能に係合して前記後胴部の長さが相対的に短くなって前記テールシールが機内に露出する第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定する固定部材と、前記伝達部材用係合部に着脱可能に係合して前記シールドジャッキのスプレッダを前記後胴外筒部に固定する伸縮力伝達部材とが設けられ、前記後胴内筒部には、前記固定部材が固定されて前記第1の状態および前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定する固定台が設けられた、シールド掘進機のテールシールの交換方法であって、前記固定台に固定され且つ前記第1の固定部材用係合部に係合して前記第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定している前記固定部材を前記第2の固定部材用係合部に移設し、前記シールドジャッキのうちの一部のシールドジャッキをトンネルを形成するセグメントに押し当て、前記シールドジャッキのうち前記一部のシールドジャッキを除く他のシールドジャッキを所定長引いた後にバックリング防止部材を介在してセグメントに押し当て、前記一部のシールドジャッキを所定長引き、前記伸縮力伝達部材を前記伝達部材用係合部に係合するとともに前記一部のシールドジャッキの先端に固定し、前記第2の固定部材用係合部に係合した前記固定部材が前記固定台に当たる位置まで前記一部のシールドジャッキを引き、前記伸縮力伝達部材を介して前記後胴外筒部を前記第2の状態に移動して前記テールシールを機内に露出させ、前記固定部材を前記固定台に固定して前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、前記バックリング防止部材と干渉しない部分の前記テールシールを交換し、前記一部のシールドジャッキに固定された前記伸縮力伝達部材を取り外して前記バックリング防止部材を介在してセグメントに押し当てるとともに、前記他のシールドジャッキから前記バックリング防止部材を外し、新たに前記バックリング防止部材と干渉しなくなった部分の前記テールシールを交換した後にセグメントを組み立て、前記固定部材を前記固定台に固定し且つ前記第2の固定部材用係合部に係合して前記第2の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定した状態で、前記一部のシールドジャッキをセグメントに押し当て、前記他のシールドジャッキの延長線上の前記伝達部材用係合部に前記伸縮力伝達部材を係合し、前記伸縮力伝達部材のセグメント側にスペーサを取り付け、さらに前記固定部材を撤去し、前記一部の前記シールドジャッキおよび前記他のシールドジャッキを伸ばして前記後胴内筒部を前方に移動させて前記後胴外筒部を前記第1の状態にして、前記固定部材を前記第1の固定部材用係合部に係合させて前記固定台に固定して前記第1の状態で前記後胴外筒部を前記後胴内筒部に固定し、前記一部のシールドジャッキをセグメントに押し当てておいて、前記他のシールドジャッキから前記伸縮力伝達部材と前記スペーサとを撤去する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明のシールド掘進機のテールシールの交換方法は、上記請求項1記載の発明において、前記固定台は、前記後胴内筒部の内周面に沿って環状をなす中間リング体に設けられている、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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