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公開番号2024142724
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055020
出願日2023-03-30
発明の名称防護装置および方法
出願人株式会社新輝,ドリルマシン株式会社
代理人個人
主分類E21D 19/00 20060101AFI20241003BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】支保工の設置まえでも作業員を防護でき、防護範囲が広く、作業場所を移動するときでも作業員が持って移動する必要がない防護装置を提供する。
【解決手段】トンネル掘削機100が有するブーム1が支受するガイドシェル2の長手方向に沿って取り付けられる第1アーム10と、第2アーム20と、第3アーム30と、上記第1アーム10に対して上記第2アーム20および上記第3アーム30を、扇状に開閉可能にヒンジ連結するヒンジ連結部40と、上記第1アーム10に対して上記第2アーム20および上記第3アーム30が開いた状態で、上記第1アーム10、上記第2アーム20および上記第3アーム30に張り渡される防護ネット90とを備える。第1アーム10に対して第2アーム20と第3アーム30が上記ヒンジ連結部40を介して扇状に開き、そこに防護ネット90が張り渡されて防護エリアが形成される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル掘削機のブームが支受するガイドシェルの長手方向に沿って取り付けられる第1アームと、
第2アームと、
第3アームと、
上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームを扇状に開閉可能にヒンジ連結するヒンジ連結部と、
上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームが開いた状態で、上記第1アーム、上記第2アームおよび上記第3アームに張り渡される防護ネットとを備えた
ことを特徴とする防護装置。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
上記ヒンジ連結部は、上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームが閉じた状態と、上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームが扇状に開いた状態とで、それぞれ上記第1アームに対する上記第2アームおよび上記第3アームの開閉を一時的にロックするロック機構を備えている
請求項1記載の防護装置。
【請求項3】
上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームが扇状に開いた状態で、上記第2アームが上記第1アームと上記第3アームの間に配置されており、
上記第2アームの長さが、上記第1アームおよび第3アームよりも長く設定され、
上記防護ネットは、上記第1アームに対して上記第2アームおよび上記第3アームが扇状に開いた状態で、上記第1アーム、上記第2アーム、上記第3アームの各先端部と上記ヒンジ連結部の近傍において角部が固定される四角形に形成されている
請求項1または2記載の防護装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の防護装置を使用した防護方法。
【請求項5】
2以上のブームを有するトンネル掘削機を使用し、右側に位置するブームにおいて上記防護装置を左側に開くように取り付け、左側に位置するブームにおいて上記防護装置を右側に開くように取り付けて行う
請求項4記載の防護方法。
【請求項6】
3以上のブームを有するトンネル掘削機を使用し、右側に位置するブームにおいて上記防護装置を左側に開くように取り付け、左側に位置するブームにおいて上記防護装置を右側に開くように取り付けて行い、
上記左右のブームのあいだに位置するブームにおいて、左右の防護装置でそれぞれ開いた第2アームまたは第3アームを支受する
請求項4記載の防護方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトンネルの掘削工事で切羽等に生じる肌落ちから作業員を防護する防護装置および方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
トンネルの掘削工事では、削岩・ずり出し・支保工設置の各工程が行われる。削岩工程は、切羽といわれる坑道の先端部に孔をあけて爆薬を込め、発破をかけて切羽を破砕して坑道を掘り進める。ずり出し工程は、発破の破砕によって生じた「ずり」をトンネルの外へ運び出す。支保工設置は、新たに生じた切羽において、鋼製の支保工をアーチ状に設置し、岩盤面にコンクリートを吹付けて補強する。
【0003】
このような各工程において、ずり出し、爆薬の装薬、支保工設置、薬液注入作業等、作業員が切羽に接近して行わねばならない作業がとても多い。発破によって新たに生じた切羽では、地山の面から岩石や土砂が崩落する「肌落ち」という現象が生じやすい。肌落ちによって岩石や土砂が崩落すると、それが作業中の作業員に当たる事故につながってしまう。したがって、切羽等における肌落ちから作業員を効果的に防護するための対策が重要である。
【0004】
このような作業員の防護に関する先行技術文献として、本出願人は、下記の特許文献1および2を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-204845号公報
実用新案登録第3133043号公報
【0006】
特許文献1は、「切羽防護装置」に関するものであり、つぎの記載がある。
[0015]
本実施形態の切羽防護装置1は、掘削直後の切羽Kを覆うように設けられるものであって、図1(a)および(b)に示すように、防護ネット2と、複数の取付部材3,3,…と、張力部材4と、バルーン5とを備えている。
[0016]
本実施形態の防護ネット2は、切羽Kの面積(掘削断面積)よりも大きな面積を有している。防護ネット2の周縁の長さは切羽Kの外周の長さと同等であり、切羽の外周形状に応じた形状に形成されている。なお、防護ネット2の形状は、切羽Kを覆うことが可能であれば限定されない。
[0018]
複数の取付部材3,3,…は、防護ネット2の周縁に設けられている。
本実施形態の取付部材3は、図2(a)および(b)に示すように、鋼製部材からなり、フック状に形成された先端部31と、防護ネット2に固定された基端部32とを備えている。
先端部31は、鋼製支保工6に設けられた治具7に係止される。なお、先端部31を構成するフックには、外れ止め部材が設けられていてもよい。
【0007】
特許文献2は、「防護ネット」に関するものであり、つぎの記載がある。
[0022]
本考案防護ネット1は、長さ2.7m、径20mmの鋼製パイプをその途中の折曲部2,3において折曲した「へ」の字形をなす左右1対の支柱4,5の間に、径20mmの鋼製パイプ製の4本の横架杆6~9を間隔をおいて横架し溶接固定した枠本体10の、上記支柱4,5の先端の開口に伸縮杆11,12を挿嵌した、側面形状を「へ」の字形としたはしご形をなす支持枠13と、この支持枠13の外面に張架された10mm目の高密度ポリエチレン製ネット14とから構成されるものである。
この防護ネット1の全幅aは約0.8m、全高bは約2mで、上記横架杆6~9の間隔cは約0.6mである。上記枠本体10の支柱4,5は、上記折曲部2,3において約30°~45°程度折曲されており、折曲部2,3から下端側の部分(起立脚部)4’,5’(約2.1m)と、これに折曲部2,3を介して連続する先端側の部分(頭部)4”,5”(約60cm)とにより「へ」の字形をなしているものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の技術は、鋼製支保工6に設けられた治具7に取付部材3の先端部31を係止し、鋼製支保工6に防護ネット2を取付けるものである。したがって、鋼製支保工6が設置されるまでのあいだは、肌落ちから作業員を防護できないという問題がある。
【0009】
特許文献2の防護ネットは、はしご形の支持枠13にネット14を張架するものである。はしご形の支持枠13の間しか防護できず、防護エリアが狭いという問題がある。したがって、作業員は常にはしご形の支持枠13の間で作業しなければならず、作業場所を移動するときは作業員が防護ネットを持って移動しなければならない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的でなされたものである。
支保工の設置まえでも作業員を防護でき、防護範囲が広く、作業場所を移動するときでも作業員が持って移動する必要がない防護装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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