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公開番号2024143469
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056177
出願日2023-03-30
発明の名称ずり搬出装置
出願人戸田建設株式会社,大裕株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 9/12 20060101AFI20241003BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】
運搬回数を重ねた場合においても誤差が発生することなく、クラッシャ装置のホッパーにホイールローダからずりを投入する。
【解決手段】
トンネル内を自動運転するホイールローダ2と、ホイールローダ2からずりを受け入れるホッパー31を備えたクラッシャ装置30と、ずりを搬送するベルトコンベア4と、を備える。遠距離用LiDAR装置27を備え、クラッシャ装置30は、広視野近距離用LiDAR装置37を備える。ホイールローダ2は、遠距離用LiDAR装置27からの情報データと受信した広視野近距離用LiDAR装置37からの情報データに基づき、地図情報を最新の地図情報に更新し、更新された地図情報と、遠距離用LiDAR装置27からの情報データと受信した広視野近距離用LiDAR装置37からの情報データに基づきSLAMによる位置及び姿勢の算出を行う。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル内を自動運転するずり積込機と、ずりを積み込んだずり積込機からずりを受け入れるずり受入装置と、を備えるずり搬出装置であって、
前記ずり積込機は、遠距離用LiDAR装置と、地図情報を格納する第1記憶部と、ずり積込機用通信装置と、前記遠距離用LiDAR装置からの情報データと前記第1記憶部の地図情報に基づきSLAMによる前記ずり積込機の位置推定及び姿勢推定を行うずり積込機用制御装置とを備え、
前記ずり受入装置は、広視野近距離用LiDAR装置と、ずり受入装置用通信装置とを備え、
前記ずり積込機用通信装置は、前記広視野近距離用LiDAR装置からの情報データを受信し、前記ずり積込機用制御装置は、前記遠距離用LiDAR装置からの情報データと受信した前記広視野近距離用LiDAR装置からの情報データに基づき、前記第1記憶部に格納された地図情報を最新の地図情報に更新し、更新した地図情報を前記第1記憶部に格納させ、前記第1記憶部に格納された更新された地図情報と、前記遠距離用LiDAR装置からの情報データと受信した前記広視野近距離用LiDAR装置からの情報データに基づきSLAMによる位置及び前記ずり積込機の姿勢の推定を行う、
ずり搬出装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記ずり受入装置は、地図情報を格納する第2記憶部と、ずり受入装置用制御装置を更に備え、
前記ずり受入装置用通信装置は、前記遠距離用LiDAR装置からの情報データを受信し、
前記ずり受入装置用制御装置は、前記広視野近距離用LiDAR装置からの情報データと受信した前記遠距離用LiDAR装置からの情報データに基づき、前記第2記憶部に格納された地図情報を最新の地図情報に更新して、広域の地図情報を作成し、前記ずり受入装置用通信装置から広域の地図情報をトンネル坑外に送信する、
請求項1に記載のずり搬出装置。
【請求項3】
前記ずり受入装置用制御装置は、前記広視野近距離用LiDAR装置からの情報データと受信した前記遠距離用LiDAR装置からの情報データに基づき、トンネル内の3次元画像情報データを作成し、前記ずり受入装置用通信装置から前記3次元画像情報をトンネル坑外に送信する、
請求項2に記載のずり搬出装置。
【請求項4】
前記ずり受入装置は、ずりを積み込んだずり積込機からずりを受け入れるホッパーと、前記ホッパーに受け入れられたずりを粉砕するクラッシャ装置と、前記クラッシャ装置で粉砕されたずりを搬送するベルトコンベアと、を備える請求項1~3のいずれかに記載のずり搬出装置。
【請求項5】
前記ずり積込機はホイールローダであり、前記クラッシャ装置は自走式クラッシャ装置である、
請求項4に記載のずり搬出装置。
【請求項6】
前記ホイールローダの天板にLiDAR用再帰性反射材を設け、前記クラッシャ装置のホッパーにLiDAR用再帰性反射材を設けた、
請求項5に記載のずり搬出装置。
【請求項7】
前記遠距離用LiDAR装置は、測定距離が少なくとも100m、水平方向に360度測定可能であり、
前記広視野近距離用LiDARは、測定距離が少なくとも40m、水平方向に360度、垂直方向に少なくとも±45度~55度である、
請求項1~3のいずれかに記載のずり搬出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル坑内のずりを搬出するずり搬出装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、車両の自動運転技術の開発が盛んである。建設業界においても自動運転技術が注目されている。
【0003】
GPS(global positioning system)等の位置情報が届かないトンネル坑内での無人建設機械の自動運転を行うことが提案されている(特許文献1)。
【0004】
上記特許文献1に記載された技術は、GPS等の位置情報が届かないトンネル坑内での無人建設機械の自動運転を実現するために、建設機械の周辺環境を示す地図作成と自己位置推定を3次元で同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いて、位置情報を随時取得し、施工現場の周辺環境変化に的確に対応して自動運転する。
【0005】
上記特許文献1においては、周囲の情報を得るセンサとして、LiDAR(Light Detection And Ranging)を用いることが開示されている。LiDARは、レーザ光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測するもので、トンネル内の環境が悪い状況においても周囲の情報を得ることができる。
【0006】
トンネル工事においては、トンネルの切羽で発生するずりをトンネル坑外に排出する。特許文献2には、切羽で発生したずりをホイールローダで掬い上げ、自走可能なクラッシャ装置に運搬し、クラッシャ装置で破砕されたずりをベルトコンベアで搬送し、トンネル坑外に搬出することが開示されている。1回の発破により生じたずりを運搬するために、ホイールローダは、切羽とクラッシャ装置の間を30~100回程度往復する。上述したように、建設現場での自動化が望まれており、ホイールローダでの作業においても自動化が望まれている。
【0007】
非特許文献1の「鹿島のトンネルの自動化施工がいよいよ実用化段階へ!実坑道での施工に挑戦」の記事には、ホイールローダでずりを掬い上げ、ホッパーへの投入まで、一連のずり出しを自動化することが記載されている。自動化を行うために、GPSが届かない坑内に「坑内GPS」と坑内に高精度スキャナを設置し、自己位置推定と周辺地図を同時に作成するSLAM技術を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-13441号公報
特開2022-118427号公報
【非特許文献】
【0009】
「鹿島のトンネルの自動化施工がいよいよ実用化段階へ!実坑道での施工に挑戦」(URL:https://ken-it.world/it/2021/10/a4csel-for-tunnel-realized.html(2023年2月21日最終閲覧))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した非特許文献1においては、ホイールローダでずりを掬い上げ、ホッパーへの投入まで、一連のずり出しを自動化することが記載されている。しかし、自動化を行うために、坑内にGPSシステムの設置と高精度スキャナの設置を必要としている。このため、ずり出し作業の前に坑内へかかる設備の設置を行っておく必要がある。特に、トンネル工事の進行に伴い、これらの設備の更新が必要となり、作業性が悪い。
(【0011】以降は省略されています)

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