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公開番号2024132661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043519
出願日2023-03-17
発明の名称磁気素子および磁気構造体の生成方法
出願人学校法人 関西大学
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類H10B 61/00 20230101AFI20240920BHJP()
要約【課題】磁気構造体を密に形成する磁気素子を実現する。
【解決手段】磁気素子(1)は、線状の磁性部材(10)と、磁性部材に、スキルミオンである第1磁気構造体(2a)を書き込み、第1磁気構造体と繋がるように、スキルミオンである第2磁気構造体(2b)を書き込むことにより、第1磁気構造体と第2磁気構造体とが互いに繋がった連結磁気構造体(3a)を磁性部材に形成する書込部(11)を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
線状の磁性部材と、
前記磁性部材に、スキルミオンである第1磁気構造体を書き込み、前記第1磁気構造体と繋がるように、スキルミオンである第2磁気構造体を書き込むことにより、前記第1磁気構造体と前記第2磁気構造体とが互いに繋がった連結磁気構造体を前記磁性部材に形成する書込部を備える、磁気素子。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記第1磁気構造体の磁化方向の回転方向は、第1回転方向であり、
前記第2磁気構造体の磁化方向の回転方向は、前記第1回転方向とは異なる第2回転方向である、請求項1に記載の磁気素子。
【請求項3】
前記書込部は、前記磁性部材に、前記第2磁気構造体と繋がるように、スキルミオンである第3磁気構造体を書き込むことにより、前記第1磁気構造体と前記第2磁気構造体と前記第3磁気構造体とが線状に並んでいる前記連結磁気構造体を前記磁性部材に形成する、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項4】
前記書込部は、前記第1磁気構造体の中心から前記第1磁気構造体の半径以上直径以下離れた位置に、磁場を印加することにより、前記第2磁気構造体を書き込む、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項5】
前記書込部は、
前記磁性部材に隣接して配置された、所定の磁化方向に磁化方向が固定された固定部を含み、
前記第1磁気構造体の中心から前記第1磁気構造体の半径以上直径以下離れた位置に前記固定部が位置する状態で、前記固定部に電流を流すことにより、前記第2磁気構造体を書き込む、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項6】
前記書込部は、
前記磁性部材に隣接して配置された、第1磁化方向に磁化方向が固定された第1固定部と、
前記磁性部材に隣接して配置された、前記第1磁化方向とは異なる第2磁化方向に磁化方向が固定された第2固定部と、を含み、
前記磁性部材を貫通する第1電流方向の電流を第1固定部に流すことにより、前記第1磁気構造体を書き込み、
前記磁性部材を貫通する、前記第1電流方向とは異なる第2電流方向の電流を第2固定部に流すことにより、前記第2磁気構造体を書き込む、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項7】
前記書込部は、
前記磁性部材を貫通する第1電流方向の電流を流すと同時に、前記磁性部材に磁場を印加することにより、前記第1磁気構造体を書き込み、
前記磁性部材を貫通する、前記第1電流方向とは異なる第2電流方向の電流を流すと同時に、前記磁性部材に磁場を印加することにより、前記第2磁気構造体を書き込む、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項8】
前記書込部は、
前記磁性部材の表面に沿って第1電流方向の電流を流すと同時に、前記磁性部材に磁場を印加することにより、前記第1磁気構造体を書き込み、
前記磁性部材の表面に沿って、前記第1電流方向とは異なる第2電流方向の電流を流すと同時に、前記磁性部材に磁場を印加することにより、前記第2磁気構造体を書き込む、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項9】
前記書込部は、
前記磁性部材に所定方向の磁場を印加する第1巻線部と、前記第1巻線部から前記磁性部材の表面に沿って延びる第1配線とを有する第1書込装置と、
前記磁性部材に前記所定方向の磁場を印加する第2巻線部と、前記第2巻線部から前記磁性部材の表面に沿って延びる第2配線とを有する第2書込装置とを含み、
前記第1巻線部を基準にして、前記第1配線が前記磁性部材の内部に作る磁場の向きと、前記第2巻線部を基準にして、前記第2配線が前記磁性部材の内部に作る磁場の向きとは、互いに逆向きである、請求項1または2に記載の磁気素子。
【請求項10】
前記書込部は、第1書込装置と、第2書込装置とを含み、
前記第1書込装置は、
前記磁性部材の側面に接続された磁性体である第1枝部材と、
前記第1枝部材に重なるよう配置された第1重金属層と、を含み、
前記第1枝部材に前記第1磁気構造体を書き込み、
前記第2書込装置は、
前記磁性部材の側面に接続された磁性体である第2枝部材と、
前記第2枝部材に重なるよう配置された第2重金属層と、を含み、
前記第2枝部材に前記第2磁気構造体を書き込み、
界面ジャロシンスキー守谷相互作用(界面DMI)により、前記第1枝部材における前記第1重金属層との界面近傍の磁化が傾く向きと、前記界面DMIにより、前記第2枝部材における前記第2重金属層との界面近傍の磁化が傾く向きとは、互いに異なる、請求項1または2に記載の磁気素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は磁気素子および磁気構造体の生成方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、磁気スキルミオン(以下、「スキルミオン」と略称する。)と呼ばれる磁気構造体が磁性体中で観測され注目を集めている。スキルミオンとは、中心部の磁気モーメントと周辺部の磁気モーメントとが反平行であり、上記中心部から上記周辺部に向かうにつれて磁気モーメントの方向が徐々に変化するナノスケールの円形状または楕円形状の磁気構造体をいう。上記スキルミオンは、磁性体中を流れる電流由来のスピン流で駆動することができるため、上記スキルミオンを情報担体として利用した磁気メモリ装置などが、高密度かつ低消費電力の磁気デバイスとして提案されている(特許文献1・2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2015/125708
国際公開WO2016/002806
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、スキルミオンを十分に密に形成することができない。そのため、磁気素子をスキルミオンメモリに利用した場合、情報の書込密度に向上の余地がある。
【0005】
本発明の一態様は、磁気構造体を密に形成する磁気素子を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1に係る磁気素子は、線状の磁性部材と、前記磁性部材に、スキルミオンである第1磁気構造体を書き込み、前記第1磁気構造体と繋がるように、スキルミオンである第2磁気構造体を書き込むことにより、前記第1磁気構造体と前記第2磁気構造体とが互いに繋がった連結磁気構造体を前記磁性部材に形成する書込部を備える。
【0007】
上記の構成によれば、第1磁気構造体の中心と第2磁気構造体の中心との間隔を短くすることができる。それゆえ、磁気素子において、磁気構造体を高密度に形成することができる。よって、磁気素子では、情報の記録密度を高くすることができる。
【0008】
本発明の態様2に係る磁気素子では、上記態様1において、前記第1磁気構造体の磁化方向の回転方向は、第1回転方向であり、前記第2磁気構造体の磁化方向の回転方向は、前記第1回転方向とは異なる第2回転方向である構成であってもよい。
【0009】
本発明の態様3に係る磁気素子では、上記態様1または2において、前記書込部は、前記磁性部材に、前記第2磁気構造体と繋がるように、スキルミオンである第3磁気構造体を書き込むことにより、前記第1磁気構造体と前記第2磁気構造体と前記第3磁気構造体とが線状に並んでいる前記連結磁気構造体を前記磁性部材に形成する、構成であってもよい。
【0010】
本発明の態様4に係る磁気素子では、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記書込部は、前記第1磁気構造体の中心から前記第1磁気構造体の半径以上直径以下離れた位置に、磁場を印加することにより、前記第2磁気構造体を書き込む、構成であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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