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公開番号2024131923
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042499
出願日2023-03-17
発明の名称浴中ロール及び浴中ロールの製造方法
出願人日鉄ハードフェイシング株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C23C 4/10 20160101AFI20240920BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】本発明は、摩擦低減層で覆われたトップコート層を有する従来の浴中ロールと比べて、摩擦低減効果の低下を抑えることができるとともに、トップコート層の耐摩耗性を向上させた、浴中ロールを提供することを目的とする。
【解決手段】 金属浴中で使用される浴中ロールであって、外周面にトップコート層が配置され、前記トップコート層は、ZrO2、Y2O3、Al2O3及びSiO2のうち少なくとも1種からなるセラミックス材料と、窒化ホウ素及びグラファイトのうち少なくとも1種からなる固体潤滑剤と、を溶射皮膜成分として含む溶射皮膜であり、前記トップコート層を100質量%としたとき、前記セラミックス材料の含有量は50質量%以上99質量%以下であり、前記固体潤滑剤の含有量は1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする、浴中ロール。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
金属浴中で使用される浴中ロールであって、
外周面にトップコート層が配置され、
前記トップコート層は、ZrO

、Y



、Al



及びSiO

のうち少なくとも1種からなるセラミックス材料と、窒化ホウ素及びグラファイトのうち少なくとも1種からなる固体潤滑剤と、を溶射皮膜成分として含む溶射皮膜であり、
前記トップコート層を100質量%としたとき、前記セラミックス材料の含有量は50質量%以上99質量%以下であり、前記固体潤滑剤の含有量は1質量%以上50質量%以下である
ことを特徴とする、浴中ロール。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記トップコート層は、前記浴中ロールの基材の表面に形成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の浴中ロール。
【請求項3】
前記トップコート層は、前記浴中ロールの基材の表面に形成されたアンダーコート層の上に形成されており、
前記アンダーコート層は、少なくとも一層の溶射皮膜からなり、セラミックス系溶射皮膜またはサーメット系溶射皮膜の少なくとも一方から構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の浴中ロール。
【請求項4】
請求項1に記載の浴中ロールを製造する製造方法であって、
前記セラミックス材料と、前記固体潤滑剤と、を含有する溶射材料を溶射することによって、前記トップコート層を形成する
ことを特徴とする、浴中ロールの製造方法。
【請求項5】
請求項2に記載の浴中ロールを製造する製造方法であって、
前記セラミックス材料と、前記固体潤滑剤と、を含有する溶射材料を溶射して、前記浴中ロールの基材表面に前記トップコート層を形成する
ことを特徴とする、浴中ロールの製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の浴中ロールを製造する製造方法であって、
セラミックス系溶射材料及び/またはサーメット溶射材料を溶射して、前記浴中ロールの基材表面に前記アンダーコート層を形成する第1溶射工程と、
前記セラミックス材料と、前記固体潤滑剤と、を含有する溶射材料を溶射して、前記アンダーコート層の上に前記トップコート層を形成する第2溶射工程と、
を備える
ことを特徴とする、浴中ロールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属浴中で使用される浴中ロールの表面を改質する技術に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
鋼板の表面にメッキ皮膜を形成する方法として、溶融金属が収容されたポット内に鋼板を浸漬させる方法が知られている。このポットには、鋼板を連続メッキするための溶融金属浴中ロール(例えば、シンクロール、サポートロール)が設置されている。一般的に、溶融金属浴中ロールの表面には、耐溶融金属反応性、耐食・耐摩耗性を持つ保護層が形成されている。
【0003】
特許文献1には、Alを少なくとも50質量%以上含む金属浴中で使用され、ロール表面に、アンダーコート層と、セラミック溶射皮膜のトップコート層と、からなる二層溶射皮膜が形成された、浴中ロールが開示されている。特許文献1におけるトップコート層の表面には、BNと、TiO

,ZrO

,SiO

,MgO及びCaOのうち少なくとも1種と、からなる摩擦低減層が形成されている。当該摩擦低減層によって、トップコート層に加わる摩擦力が低減され、トップコート層の損傷や肌荒れを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6516344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示されている浴中ロールでは、摩擦低減層は、BNと、TiO

,ZrO

,SiO

,MgO及びCaOのうち少なくとも1種と、を含有した水溶液をトップコート層に塗布して焼成することで形成される。この構成では、金属浴中での使用中に、摩擦低減層が摩耗して消失する恐れがある。かかる場合には、摩擦低減層に覆われていたトップコート層(セラミック溶射皮膜)が露出し、搬送される鋼板との摩擦によって、鋼板を疵つけるおそれがある。
【0006】
上記点に鑑み、本発明は、摩擦低減層で覆われたトップコート層を有する従来の浴中ロールと比べて、摩擦低減効果の低下を抑え、潤滑性を長時間維持することができる浴中ロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る浴中ロールは、(1)金属浴中で使用される浴中ロールであって、外周面にトップコート層が配置され、前記トップコート層は、ZrO

、Y



、Al



及びSiO

のうち少なくとも1種からなるセラミックス材料と、窒化ホウ素及びグラファイトのうち少なくとも1種からなる固体潤滑剤と、を溶射皮膜成分として含む溶射皮膜であり、前記トップコート層を100質量%としたとき、前記セラミックス材料の含有量は50質量%以上99質量%以下であり、前記固体潤滑剤の含有量は1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする、浴中ロール。
【0008】
(2) 前記トップコート層は、前記浴中ロールの基材の表面に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の浴中ロール。
【0009】
(3) 前記トップコート層は、前記浴中ロールの基材の表面に形成されたアンダーコート層の上に形成されており、前記アンダーコート層は、少なくとも一層の溶射皮膜からなり、セラミックス系溶射皮膜またはサーメット系溶射皮膜の少なくとも一方から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の浴中ロール。
【0010】
(4) (1)に記載の浴中ロールを製造する製造方法であって、前記セラミックス材料と、前記固体潤滑剤と、を含有する溶射材料を溶射することによって、前記トップコート層を形成することを特徴とする、浴中ロールの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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