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公開番号2024108492
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012891
出願日2023-01-31
発明の名称堆積判定方法及び基板処理装置
出願人東京エレクトロン株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 16/52 20060101AFI20240805BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】堆積物の堆積を正確に判定する。
【解決手段】処理容器の評価対象における堆積物の堆積状態の情報を含む、処理容器の内部の動画を構成する各フレームの画像から取得されたエッジ画像の全画素の輝度値の平均であるエッジ情報を取得し、評価対象に堆積物が堆積していない状態で、着火時からの待機時間を除いた、プラズマが発光している基準期間の基準動画を構成する複数のフレームの画像の各々から基準エッジ情報を取得し、複数の基準エッジ情報の平均値と分散から取得されるエッジ情報に関連する指標の確率分布から当該指標の閾値を求め、基準期間以外でプラズマが発光しているときに取得された動画の1つのフレームの画像から取得された試験エッジ情報をエッジ情報に関連する指標に換算して試験指標を取得し、試験指標が指標の閾値を越えたときに、評価対象に予め定められた堆積物が堆積したと判定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
処理容器の内部にプラズマを生成する工程と、
前記処理容器の内部の動画を撮影する工程と、
前記動画を構成する複数のフレームの画像の各々からエッジを抽出して、前記エッジを描画するエッジ画像を取得し、前記エッジ画像の全画素の輝度値の平均であるエッジ情報を取得する工程と、を有し、
前記動画は、前記処理容器に備えられた評価対象における堆積物の堆積状態に関する情報を含み、
前記評価対象に堆積物が堆積していない状態で、前記プラズマの着火時からの予め定められた待機時間を除いた、前記プラズマが発光している基準期間の前記動画を基準動画として取得する工程と、
前記基準動画を構成する複数のフレームの画像の各々から前記エッジ情報を基準エッジ情報として取得する工程と、
複数の前記基準エッジ情報の平均値と分散を算出し、前記平均値と前記分散から前記エッジ情報に関連する指標の確率分布を取得する工程と、
前記確率分布から前記指標の閾値を求める工程と、
前記基準期間以外で前記プラズマが発光しているときに取得された前記動画の少なくとも1つのフレームの画像の前記エッジ情報を試験エッジ情報として取得する工程と、
前記試験エッジ情報を前記エッジ情報に関連する指標に換算して試験指標を取得する工程と、
前記試験指標が前記指標の閾値を越えたときに、前記評価対象に予め定められた量の堆積物が堆積したと判定する工程とを、さらに有する堆積判定方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記評価対象は前記処理容器の内部を監視するために設けられた監視窓である、請求項1に記載の堆積判定方法。
【請求項3】
前記評価対象は前記処理容器の内部の構造部材である、請求項1に記載の堆積判定方法。
【請求項4】
前記エッジ情報に関連する指標の確率分布は、複数の前記基準エッジ情報の平均値と分散から求められるカイ二乗分布である、請求項1に記載の堆積判定方法。
【請求項5】
異常と考えられる出現確率を設定し、前記カイ二乗分布において前記設定された出現確率に対応する前記エッジ情報に関連する指標を前記指標の閾値とする、請求項4に記載の堆積判定方法。
【請求項6】
前記試験指標は、複数の前記基準エッジ情報の平均値と分散を用いて求められる前記試験エッジ情報のマハラノビスの距離である、請求項1に記載の堆積判定方法。
【請求項7】
前記評価対象から堆積物が除去される度、若しくは、前記評価対象が交換される度、複数の前記基準エッジ情報と前記エッジ情報に関連する指標の確率分布を取得し直す、請求項1に記載の堆積判定方法。
【請求項8】
処理容器の内部でプラズマによって基板へ処理を施す基板処理装置であって、
前記処理容器の内部の動画を撮影する撮影部と、
制御部とを、備え、
前記動画は、前記処理容器に備えられた評価対象における堆積物の堆積状態に関する情報を含み、
前記制御部は、前記動画を構成する複数のフレームの画像の各々からエッジを抽出して、前記エッジを描画するエッジ画像を取得し、前記エッジ画像の全画素の輝度値の平均であるエッジ情報を取得する工程を実行し、
さらに、前記制御部は、
前記評価対象に堆積物が堆積していない状態で、前記プラズマの着火時からの予め定められた待機時間を除いた、前記プラズマが発光している基準期間の前記動画を基準動画として取得する工程と、
前記基準動画を構成する複数のフレームの画像の各々から前記エッジ情報を基準エッジ情報として取得する工程と、
複数の前記基準エッジ情報の平均値と分散を算出し、前記平均値と前記分散から前記エッジ情報に関連する指標の確率分布を取得する工程と、
前記確率分布から前記指標の閾値を求める工程と、
前記基準期間以外で前記プラズマが発光しているときに取得された前記動画の少なくとも1つのフレームの画像の前記エッジ情報を試験エッジ情報として取得する工程と、
前記試験エッジ情報を前記エッジ情報に関連する指標に換算して試験指標を取得する工程と、
前記試験指標が前記指標の閾値を越えたときに、前記評価対象に予め定められた量の堆積物が堆積したと判定する工程とを、実行する基板処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、堆積判定方法及び基板処理装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
基板にプラズマ処理を施す基板処理装置では、処理容器の外部に設けられたカメラによって処理容器の内部が監視窓を介して監視される。ところで、プラズマ処理を繰り返すと、反応生成物等の堆積物が処理容器の内部の構造部材の表面に堆積するが、監視窓の内側表面にも堆積物が堆積することがある。この場合、監視窓が曇ってカメラによる処理容器の内部の監視が困難になるため、異常状態であるとして監視窓の清掃や交換が必要となる。そして、異常状態か否かの判定は、カメラが撮影した画像に基づいて行われる。
【0003】
例えば、特許文献1の技術では、チャンバに設けられた検出窓が汚れていない状態で集光したプラズマ光の特定波長毎の発光強度のピーク値を記憶し、その最大値の何割か(例えば、8割)を閾値として設定する。その後、次回のエッチング時より毎回、特定波長毎に発光強度の検出レベルの最大値を観測し、観測された値(モニタ値)と記憶されている閾値を比較し、モニタ値が閾値を下回ったら検出窓のメンテナンスの必要性を通知する。
【0004】
また、特許文献2の技術では、撮影した画像からエッジパターンを検出し、エッジパターンを比較することで異常を検出する。具体的には、画像の予め設定された領域に対してエッジ検出処理を行って入力画像中のエッジ情報を抽出し、記憶された標準画像(異常のない場合の画像)から抽出したエッジパターンと抽出したエッジ情報を比較する。抽出したエッジパターンと抽出したエッジ情報の差異が許容範囲を超えている場合には異常有りと判定する。
【0005】
さらに、特許文献3の技術では、撮影した画像から輝度を得て、輝度の平均値や標準偏差を利用して堆積物を検出する。具体的には、撮影画像の各画素から検出されるエッジに基づき、カメラに堆積した堆積物に対応する堆積物領域の候補領域を抽出し、候補領域の帯領域を、所定画素数を単位とする単位領域に分割する。次いで、単位領域の輝度の平均値および輝度の標準偏差を算出し、算出した輝度の標準偏差が所定値未満であるか否かを判定する。ここで、輝度の標準偏差が所定値以上である場合、単位領域の代表値として異常値を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-045113号公報
特開平11-220721号公報
特開2021-052235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示に係る技術は、堆積物の堆積を正確に判定する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る技術の一態様は、堆積判定方法であって、処理容器の内部にプラズマを生成する工程と、前記処理容器の内部の動画を撮影する工程と、前記動画を構成する複数のフレームの画像の各々からエッジを抽出して、前記エッジを描画するエッジ画像を取得し、前記エッジ画像の全画素の輝度値の平均であるエッジ情報を取得する工程と、を有し、前記動画は、前記処理容器に備えられた評価対象における堆積物の堆積状態に関する情報を含み、前記評価対象に堆積物が堆積していない状態で、前記プラズマの着火時からの予め定められた待機時間を除いた、前記プラズマが発光している基準期間の前記動画を基準動画として取得する工程と、前記基準動画を構成する複数のフレームの画像の各々から前記エッジ情報を基準エッジ情報として取得する工程と、複数の前記基準エッジ情報の平均値と分散を算出し、前記平均値と前記分散から前記エッジ情報に関連する指標(異常度)の確率分布(カイ二乗分布)を取得する工程と、前記確率分布から前記指標の閾値を求める工程と、前記基準期間以外で前記プラズマが発光しているときに取得された前記動画の少なくとも1つのフレームの画像の前記エッジ情報を試験エッジ情報として取得する工程と、前記試験エッジ情報を前記エッジ情報に関連する指標に換算して試験指標を取得する工程と、前記試験指標が前記指標の閾値を越えたときに、前記評価対象に予め定められた量の堆積物が堆積したと判定する工程とを、さらに有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る技術によれば、堆積物の堆積を正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施の形態に係る堆積判定方法が適用される成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
監視窓が曇っていない場合に撮影された処理容器の内部の画像を説明するための図である。
監視窓が曇っている場合に撮影された処理容器の内部の画像を説明するための図である。
エッジ情報を説明するための図である。
複数の基準エッジ情報の標準正規分布から得られる自由度1のカイ二乗分布を示す図である。
一実施の形態に係る堆積判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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