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公開番号2024104001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-02
出願番号2023007989
出願日2023-01-23
発明の名称炭化タンタル被覆炭素材料
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 16/32 20060101AFI20240726BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】耐食性の優れた炭化タンタル被覆炭素材料を提供する。
【解決手段】本発明は、炭素を主成分とする炭素基材と、炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、グロー放電質量分析法により測定した炭化タンタル被覆膜中のニオブの含有量が15質量ppm以上であり、グロー放電質量分析法により測定した炭化タンタル被覆膜中の鉄の含有量が20質量ppm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、
グロー放電質量分析法により測定した前記炭化タンタル被覆膜中のニオブの含有量が15質量ppm以上であり、
グロー放電質量分析法により測定した前記炭化タンタル被覆膜中の鉄の含有量が20質量ppm以下であることを特徴とする炭化タンタル被覆炭素材料。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記炭化タンタル被覆膜表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、10.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項3】
前記炭素基材表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、9.5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項4】
前記炭化タンタル被覆膜中に含まれるタンタル原子数は、前記炭化タンタル被覆膜中に含まれる炭素原子数に対して0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項5】
前記炭化タンタル被覆膜の厚さが10~100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素基材表面に炭化タンタル膜を被覆した炭化タンタル被覆炭素材料に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
炭化タンタル、炭化ニオブ、などの炭化物は、融点が高く、化学的安定性、強度、靭性および耐食性に優れている。このため、炭化物で炭素基材をコーティングすることにより、炭素基材の耐熱性、化学的安定性、強度、靭性、耐食性などの特性を改善することができる。炭素基材表面に炭化物膜を被覆した炭化物被覆炭素材料、特に炭化タンタル被覆炭素材料は、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)などの次世代半導体の単結晶製造装置の部材として用いられている。
【0003】
次世代半導体は、従来のSi半導体に比べて製造コストが高いことが課題である。この製造コストをより低減する方法として、例えば、HTCVD(High Temperature Chemical Vapor Deposition)法により次世代半導体の単結晶を製造することが挙げられる。この方法では、原料ガスを高温で反応させるため、炭化タンタル被覆炭素材料の耐食性をさらに高めることが求められている。例えば、SiCの単結晶を高速で製造できるHTCVD法では、2000~2500℃の温度でH

、SiH

、C



、HCl等のガスを使用するため、一般的なSiC昇華法に比べて、炭化タンタル被覆炭素材料に対して優れた耐食性が求められている(非特許文献1及び2参照)。
【0004】
これまで、様々なアプローチで炭化タンタル被覆炭素材料の耐食性を改善することが試みられてきた。例えば、特許文献1は、等方性黒鉛基材を被覆する炭化タンタル被膜に20~1000質量ppmの濃度で鉄を含ませることで、炭化タンタル被覆炭素材料の耐食性を向上させている。また、特許文献2は、炭素基材を被覆する炭化タンタル被膜の結晶性を低下させて耐食性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6888330号公報
特許第3938361号公報
【非特許文献】
【0006】
「SiC ウエハの現状と展望」, 恩田 正一, DENSO TECHNICAL REVIEW Vol.22, pp41-50(2017).
「低炭素社会を実現する新材料パワー半導体プロジェクト」国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 電子・材料・ナノテクノロジー部, ppIII-78-81(2015資料5-1).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、次世代半導体の単結晶製造装置の部材として炭化タンタル被覆炭素材料を使用した場合、次世代半導体の単結晶製造中の炭化タンタル被覆炭素材料の環境は非常に厳しいため、次世代半導体の単結晶の製造を繰り返した後、炭化タンタル被覆炭素材料を用いた部材を交換する必要がある。次世代半導体の製造コストの観点から、炭化タンタル被覆炭素材料を用いた部材を交換する頻度は少なければ少ないほどよい。このため、炭化タンタル被覆炭素材料の耐食性のさらなる改善が望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、耐食性の優れた炭化タンタル被覆炭素材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、炭化タンタル被膜中に含まれる鉄の濃度を低くし、かつニオブの含有量を所定範囲内とすることにより、従来の炭化タンタル被覆炭素材料に比べて、炭化タンタル被覆炭素材料の耐食性が顕著に向上し得ることを発見した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、グロー放電質量分析法により測定した前記炭化タンタル被覆膜中のニオブの含有量が15質量ppm以上であり、グロー放電質量分析法により測定した前記炭化タンタル被覆膜中の鉄の含有量が20質量ppm以下であることを特徴とする炭化タンタル被覆炭素材料。
[2]前記炭化タンタル被覆膜表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、10.0μm以下であることを特徴とする上記[1]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[3]前記炭素基材表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、9.5μm以下あることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[4]前記炭化タンタル被覆膜中に含まれるタンタル原子数は、前記炭化タンタル被覆膜中に含まれる炭素原子数に対して0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[5]前記炭化タンタル被覆膜の厚さが10~100μmであることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐食性の優れた炭化タンタル被覆炭素材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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