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公開番号2024070140
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180563
出願日2022-11-10
発明の名称スパッタリング装置
出願人株式会社アルバック
代理人個人,個人
主分類C23C 14/35 20060101AFI20240515BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】非エロージョン発生領域周りのぼやけた領域の発生を抑制して、パーティクル発生原因を減らす。
【解決手段】スパッタリング装置1では、被成膜基板11の形成領域に向けてスパッタ粒子を放出するカソードユニット22が、エロージョン領域が形成されるターゲット23と、ターゲットに対して被成膜基板とは反対側に配置されるマグネットユニット25と、マグネットユニットと被成膜基板とを相対的に基板表面に沿った揺動方向(走査方向)において往復動作可能なマグネットユニット走査部29と、を有し、マグネットユニットは、その長手方向が被成膜基板表面に沿って揺動方向に交差する揺動幅方向に延在する端部において、長手方向の中央部に対して両磁極の磁力密度が均一化するように配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被成膜基板の形成領域に向けてスパッタ粒子を放出するカソードユニットが、
エロージョン領域が形成されるターゲットと、
前記ターゲットに対して前記被成膜基板とは反対側に配置されて前記ターゲットに前記エロージョン領域を形成するマグネットユニットと、
前記マグネットユニットと前記被成膜基板とを相対的に基板表面に沿った揺動方向(走査方向)における一方の揺動端と他方の揺動端との間で往復動作可能なマグネットユニット走査部と、
を有し、
前記マグネットユニットは、その長手方向が基板表面に沿って前記揺動方向に交差する揺動幅方向に延在するとともに、
前記マグネットユニットは、一方の前記揺動端と他方の前記揺動端とを結ぶ揺動領域の輪郭辺の近傍に位置する前記長手方向の端部において、前記長手方向の中央部に対して両磁極の磁力密度が均一化するように配置されている、
ことを特徴とするスパッタリング装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記マグネットユニットは、
線状に配置されて前記ターゲットへ向かう磁極である中央磁石部と、
前記ターゲットへ向かう磁極で前記中央磁石部と極性が異なり、前記中央磁石部の両側に等間隔で平行に延びる長手直線部および両方の前記長手直線部の端部を夫々橋渡す橋渡し部を有するとともに前記揺動領域に沿って前記中央磁石部の周囲を囲う周縁磁石部と、
を備え、
前記長手方向の中央部に対して前記長手方向の端部では前記中央磁石部と前記周縁磁石部との磁力密度が均一化するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記周縁磁石部は、前記橋渡し部のコーナー部で前記揺動領域に沿った肉厚が前記長手方向の中央部の前記長手直線部に対して小さく形成される、
ことを特徴とする請求項2記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記短手直線部が前記長手直線部とほぼ等しい肉厚で形成される、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項5】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記短手直線部の延長線と前記長手直線部の延長線とで形成される前記揺動領域に沿った外周輪郭形状に比べて、前記揺動領域に沿った前記コーナー部の外周輪郭が前記中央磁石部に近接して形成される、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項6】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記コーナー部が、前記短手直線部に対して前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った端部よりも、前記長手方向の中央部に近接する位置で接続される、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項7】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記短手直線部の前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った長さが、前記揺動領域に沿って前記長手方向の中央部における前記揺動方向に沿った前記長手直線部の離間距離よりも短く形成される、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項8】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記長手方向における前記コーナー部の長さが、前記長手方向の中央部における前記揺動領域に沿った前記長手直線部と前記中央磁石部との離間距離近とほぼ等しい、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項9】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記揺動領域に沿った前記短手直線部と前記中央磁石部の端部との離間距離が、前記長手方向の中央部での前記揺動方向に沿った前記長手直線部と前記中央磁石部との離間距離よりも小さく形成される、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
【請求項10】
前記周縁磁石部の前記橋渡し部は、
前記長手直線部に接続する前記コーナー部と、
両方の前記コーナー部に接続されて前記揺動領域の輪郭のうち前記揺動方向に沿った短手直線部と、
を備え、
前記中央磁石部は、前記長手方向の端部に、前記揺動領域に沿った肉厚が前記長手方向の中央部に対して小さく形成される挟幅部を有する、
ことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はスパッタリング装置に関し、特に、マグネトロンカソードを有する成膜に用いて好適な技術に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
マグネトロンカソードを有する成膜装置においては、ターゲットの利用効率を向上することなどを目的として、マグネットをターゲットに対して移動させる方式が知られている。
特許文献1に開示の技術のように、成膜の均一性向上等の目的のために、マグネットの移動に加え、カソードおよびターゲットを被成膜基板に対して揺動させることも知られている。
【0003】
また、特許文献2に開示の技術のように、発生したパーティクルがスパッタ処理室内における成膜に悪影響を及ぼすことを防止する目的などで、マグネットおよびカソードを揺動させることが知られている。
さらに、マグネットおよびカソードに対して被成膜基板を揺動させる技術として、本出願人らは特許文献3のような技術を公開している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-41115号公報
特開2012-158835号公報
特許第6579726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようにターゲットに対してマグネットを走査(揺動)させる技術であっても、非エロージョン領域の発生により、マグネットの揺動範囲の縁部に近接する成膜領域の周縁部付近においては、パーティクル発生原因となる場合があるためこれを解消したいという要求があった。特に、非エロージョン領域の発生そのものよりも、非エロージョン領域とエローション領域との境界がぼやけた場合に、これがリデポ膜(ターゲットに着膜したスパッタ膜)の再スパッタ発生など、問題となるパーティクル発生の原因となることがわかった。
【0006】
また、上記のようにターゲットに対してマグネットを走査(揺動)させる技術であっても、非エロージョン領域の発生により、マグネットの揺動範囲に近接する成膜領域の周縁部付近においては、膜厚の減少、膜厚分布や膜質分布にムラができてしまうなどの問題が、依然として解消されていない。さらに、基板の大型化によってこのような不具合に対する改善要求が大きくなっていた。
【0007】
特に、矩形となるマグネットの揺動範囲の縁部のうち、揺動方向に沿った辺となる縁部における上記の課題を重点的に解決したいという要求がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.非エロージョン発生領域周りのぼやけた領域の発生を抑制して、パーティクル発生原因を減らすこと。
2.形成されたプラズマ分布を安定させ、膜厚分布・膜厚特性分布の均一性を向上すること。
3.これらの改善を、特に、矩形となるマグネットの揺動範囲の縁部のうち、揺動方向に沿った辺となる縁部付近において可能とすること。
4.ターゲットライフを延ばすこと。
5.部品点数を削減し、装置部品の小型化軽量化を可能とすること。
6.形成されたプラズマ分布を安定させ、マグネットの揺動位置にかかわらずに膜厚分布・膜厚特性分布の均一性を向上すること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、非エロージョン領域によるパーティクル発生の抑制、および、膜厚分布、膜質特性分布のばらつきの抑制に成功した。
【0010】
スパッタリング中は、印加された電力によりマグネットユニットの磁極(マグネット)からは磁界(磁場、磁力線)が発生している。このとき、スパッタリングに寄与するプラズマまたは電子は、マグネットの形成する磁力線に沿って移動している。つまり、電子等は、中央に棒状に形成されたS極のまわりに、レーストラック形状に形成されたN極との間を、このレーストラック形状に沿って周回する。
ここで、マグネットユニットによる磁力線のうち、プラズマ発生に寄与するものは、ターゲットと平行に面一として配置されるマグネットの両極のうち、N極からターゲットに向かい円弧状にS極に到達する。このとき、マグネットによる磁力線は、N極から、ターゲットを裏面側から表面側に向けて厚さ方向に貫通し、プラズマ発生空間で円弧状に形成され、ターゲットを表面側から裏面側に向けて厚さ方向に貫通してS極へと戻る。
(【0011】以降は省略されています)

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